食品由来疾患被害の実態推定

No.10(2023.05.10)

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。世界保健機関(WHO)の食品由来疾患被害実態疫学リファレンスグループ2021-2024が第4回会議を開催した。

注目記事

【WHO】食品由来疾患被害実態疫学リファレンスグループ第4回会議

 世界保健機関(WHO: World Health Organization)の食品由来疾患被害実態疫学リファレンスグループ2021-2024(FERG2:Foodborne Disease Burden Epidemiology Reference Group)が第4回会議を開催した。

 同リファレンスグループが食品由来疾患による世界的な実被害について最初に行った推定では、2010年の患者数は600万人、死亡者数は42万人および障害調整生存年(DALYs:Disability-Adjusted Life Years)は3,300万 DALYs と見積もられた。

 FERG2は、世界的な食品由来疾患実被害の最新の推定値を2025年に報告するための行動計画、各国の支援活動計画、および被害推定の枠組みの構築を継続するため、2022年11月15〜18日に第4回会議を開催した。

 この会議の具体的な目的は以下の通りであった。

1. FERG のすべてのタスクフォースおよびWHOからの最新の進捗状況報告を共有する。

2. 以下の内容を含め上述の取り組みの必要性および優先順位について議論する。

  • 世界的な食品由来疾患実被害に関する最新データを2025年に報告するためのロードマップ
  • パブリケーションプランおよび刊行物
  • 系統的レビューの委託
  • 各国の支援活動
  • 被害推定の枠組みの構築に向けたロードマップ

3. タスクフォースが連携し作業計画を進展させるための時間を提供する。

4. 食品由来疾患実被害推定に向けたイニシアティブ促進のため、協力部門と交流し話し合いを持つ。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.10(2023.05.10)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2023/foodinfo202310m.pdf

今号の目次

【世界保健機関(WHO)】
1.「世界保健機関(WHO)食品由来疾患被害実態疫学リファレンスグループ2021-2024
(FERG2)」が第4回会議を開催

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 小麦粉に関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Infantis)感染アウトブレイク(2023年5月1日付更新情報)
2. ブリーチーズおよびカマンベールチーズに関連して複数州にわたり発生したリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイク(2022年12月9日付最終更新)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. レジオネラ症 -2020年次疫学報告書

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and
Feed)

【ProMED-mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報(10)(09)