客数・売上とも前年を下回る

日本フードサービス協会(JF)は外食産業市場動向調査2021年年間結果を発表した。全体の売上高は98.6%と前年同月を下回った。客単価は前年並みながら、客数は98.0%と前年同月を下回った。

 年間で売上高が前年比プラスとなったのは「洋風ファストフード」「持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード」「和風ファストフード」「喫茶」で、テイクアウトのある業態である。ファストフードでも、レジャー食となるアイスクリームが含まれる「その他ファストフード」、イートイン比の比較的高い「麺類ファストフード」は、全体のなかでは比較的よい数字だが、前年超えとはならなかった。飲酒系の売上高は前年の6割程度となった。

 JFによる概況は以下のとおり。

新型コロナウイルス感染症発生2年目となった2021年の外食産業は、飲酒業態やレストラン業態等を中心に、1~2月にはまだコロナ発生初期であった前年よりもコロナ禍の影響が大きく、2021年間の全体売上は前年比98.6%、一昨年比では83.2%と市場規模は縮小した。2021年の1月には2回目の「緊急事態宣」が、4月以降は「まん延防止等重点措置」等の規制が政府・各自治体から発令され、時短要請など営業制限が10月まで続いた。特に規制に「酒類提供の制限・禁止」が加わったことで、制限期間中、飲酒業態の多くは休業に追い込まれ、「パブレストラン/居酒屋」の売上は、2020年比で57.8%、コロナ前の2019年比では27.2%とコロナ1年目より更に市場は縮小した。規制解除後の第Ⅳ四半期に入っても夜の需要は戻らず、外食産業の売上状況は依然として厳しい。

業態別では、店内飲食を主とする「ファミリーレストラン」(91.8%/70.3%)(前段20年比/後段19年比、以下同様)、「ディナーレストラン」(89.9%/57.4%)、「喫茶」(100.1%/69.2%)、「パブレストラン/居酒屋」(57.8%/27.2%)等は、苦戦が続いており、特に飲酒業態は深刻な事態となっている。一方、「ファーストフード」(104.8%/101.8%)は業態の強みであるテイクアウト・デリバリーの下支えにより好調を維持した。

外食産業市場動向調査2021年年間データ
売上高(前年比)店舗数(前年比)客数(前年比)客単価(前年比)
全体98.6%96.4%98.0%100.5%
ファストフード合計104.8%98.6%101.2%103.6%
洋風109.3%99.4%104.9%104.2%
和風100.2%99.1%97.7%102.6%
麺類99.0%97.1%98.8%100.2%
持ち帰り米飯/回転寿司103.9%98.2%100.9%102.9%
その他99.4%97.9%96.6%102.8%
ファミリーレストラン合計91.8%94.7%91.4%100.5%
洋風91.0%92.5%90.5%100.5%
和風90.6%95.0%90.9%99.7%
中華98.0%100.1%95.0%103.2%
焼肉90.8%98.6%92.1%98.6%
パブ/居酒屋合計57.8%86.7%60.5%95.5%
パブ・ビアホール62.3%90.0%60.7%102.7%
居酒屋56.3%86.0%60.4%93.2%
ディナーレストラン(計)89.9%93.0%91.9%97.8%
喫茶(計)100.1%96.7%97.8%102.3%
その他(計)98.8%95.8%99.7%99.1%

凡例:10%以上のプラス5%以上のプラス前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)5%以上のマイナス10%以上のマイナス

※前年同月比は税抜比較で行っている。

※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。

ファストフード

ファストフード全体の客単価は上昇したが、客数は101.2%と前年同月を上回った。売上高は104.8%と前年同月を上回った。

洋風ファストフードは、客単価は上昇したが、客数は104.9%と前年同月を上回った。売上高は109.3%と拡大。

和風ファストフードは、客単価は上昇し、客数は97.7%と前年同月を下回った。売上高は100.2%と前年同月をクリア。

麺類ファストフードは、客単価は前年並みながら、客数は98.8%と前年同月を下回った。売上高は99.0%と前年同月を下回った。

持ち帰り米飯/回転寿司ファストフードは、客単価は上昇しながら、客数は100.9%と前年並み。売上高は103.9%と前年同月を上回った。

その他ファストフードは、客単価は上昇し、客数は96.6%と前年同月を下回った。売上高は99.4%と未達ながら前年同月並み。

ファミリーレストラン

ファミリーレストラン全体の客単価は前年並みながら、客数は91.4%と減少。売上高は91.8%と縮小。

洋風ファミリーレストランは、客単価は前年並みながら、客数は90.5%と減少。売上高は91.0%と縮小。

和風ファミリーレストランは、客単価はやや低めの前年並みながら、客数は90.9%と減少。売上高は90.6%と縮小。

中華ファミリーレストランは、客単価は上昇し、客数は95.0%と減少。売上高は98.0%と前年同月を下回った。

焼肉ファミリーレストランは、客単価は下降したが、客数は92.1%と減少。売上高は90.8%と縮小。

パブ・居酒屋

パブ/居酒屋全体の客単価は下降したが、客数は60.5%と2桁の大幅減。売上高は57.8%と2桁の縮小。

パブ・ビアホールは、客単価は上昇し、客数は60.7%と2桁の大幅減。売上高は62.3%と2桁の縮小。

居酒屋は、客単価は際立って下降したが、客数は60.4%と2桁の大幅減。売上高は56.3%と2桁の縮小。

ディナーレストラン

ディナーレストラン全体は、客単価は下降したが、客数は91.9%と減少。売上高は89.9%と2桁の縮小。

喫茶

喫茶全体は、客単価は上昇し、客数は97.8%と前年同月を下回った。売上高は100.1%と前年同月をクリア。

その他の業態

その他全体は、客単価はやや低めの前年並みで、客数は99.7%とほぼ前年並み。売上高は98.8%と前年同月を下回った。

●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html