食卓書机

オーナーシェフは一人で三役

 日本では普通「オーナーシェフ」と言いますが、これは英語とフランス語の混成で作った和製外来語で、フランス語で統一するならシェフパトロン(chef-patron)が正しいようです。  シェフ(chef)も英語では chief ですから、もともとは管理者の一人ですが、patron はオーナー、出資者です。  そこで気付くわけです。いわゆるオーナーシェフつまりシェフパトロンは一人三役、3つの顔を持つ複雑 […]
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トランス脂肪は表示すべきか

 最近日本でもトランス脂肪への関心が高まっていますが、先週国立医薬品食品衛生研究所が発表した食品安全情報(化学物質)No.05(2015.03.04)に興味深い動向が書かれていました。  FSANZ(オーストラリア・ニュージーランド食品安全当局)は従来、政府への助言で一定の閾値を超えるトランス脂肪について義務表示を薦めていたのに対し、このほど技術的評価を実施した結果として、企業がすでに製品中のトラ […]
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現場の変化に遅れを取る改革

 昨夜、JA全中の萬歳章会長が、政府・自民党の改革案を受け入れる考えを表明しました。その大筋は、農協法に基づく組織と位置づけられてきた全中を2019年3月末までに一般社団法人に形態を変えること。ただし、それ以降も地域農協の総合調整などの機能を持つことを農協法の付則に盛り込むこと。全中の監査部門を切り離して新しく監査法人を設立し、地域農協はその新監査法人と他の一般の監査法人とどちらを受けてもよいとす […]
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「有機」で売れる時代は過去

 今日は節分。どうも“恵方巻派 v.s. 豆まき派”のような取り上げ方が多いようですが、“どちらか”ではなく“どちらも”でいいですよね。  大切なのは“季節の大晦日”をしっかり締めくくる気持ちでしょう。1年を、24のシーズンの移り変わりととらえた24節気の24番目「大寒」の、同じく72のシーズンの移り変わりととらえた七十二候の72番目「鶏始乳」(にわとりはじめてとやにつく)の、今日は最終日です。 […]
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店では苦情食品の発生が多い

 どうもマクドナルドの異物混入のニュースが続くようですが、実際にミスが増えるような問題があるのか、消費者が苦情を寄せやすくなったのか、メディアが熱心に情報を集めているのか、それらの複合なのかはよくわかりません。  1日に会津若松市の店舗で発生した、チーズバーガーに「長さおよそ5mmの細い鉄」が混入していたという事案は、グリドルの焦げを削り取る作業で出た削りかすだったということでした。 NHKのニュ […]
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輸入解禁の矢先のBSE発生

 厚生労働省の12月22日の発表によると、11月18日成田空港検疫所の輸入時検査で、ポーランド産牛に輸入条件である扁桃の除去が不十分なもの(冷凍舌3箱、52.05kg、丸紅が輸入)が確認されたということです。  同省では同じ施設から出荷された貨物およびポーランド産牛舌の輸入手続きを停止。またポーランド政府に対し再発防止策等の詳細な調査を要請していたところ、12月11日、ポーランド政府より当該施設に […]
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ビールケースを踏む人の神経

「ペヤング」の焼そばにゴキブリが混入していたことが、Twitterで写真付きでツイートされたことから始まった事案については、その後まるか食品(群馬県伊勢崎市、丸橋嘉一社長)が、外部機関の分析結果をもとに社内で検証を行った結果、製造過程でのゴキブリ混入の可能性は否定できなかったとして、11日、全工場(本社工場、赤堀工場)での生産自粛および全商品の販売休止を発表しました。 まるか食品 http://w […]
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「ペヤング」に虫混入の事故

 2日、Twitterで即席麺「ペヤング」に虫が混入していたというツイートがあり、製造したまるか食品(群馬県伊勢崎市、丸橋嘉一社長)と管轄の保健所が対応する一方、SNS等では事の真偽を推理するなど引き続きホットな話題の一つとなっています。 お客様への大事なお知らせ(まるか食品) http://www.peyoung.co.jp/news/detail/2014/159 お詫びと商品自主回収のお知ら […]
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本当だった「距離は死んだ」

 そろそろ今年を振り返る頃になってきました。もちろんまたいろいろなことがあったのですが、自分の経験ではなくひとから聞いただけで心に受けたインパクトの大きかった話の一つはこんなものです。  レストランを経営している友人がこの春北海道の離島へ旅行しました。親戚の結婚式に出るためだったそうです。この友人の親戚である新郎が離島に暮らしていて、東京から新婦を迎えたとのこと。  それで、友人がお祝いを述べたあ […]
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日本は昔からよい国だったか

 今日は三島由紀夫の命日です。かの作家の晩年の思想と没した日の行いについての論評は避けますが、いわゆる三島事件のおよそ5カ月前の1970年7月の産経新聞夕刊に掲載されたエッセーの下記の部分は、思想信条の如何によらず、日本人はときどき思い出すのがいいと思っています。 「私はこれからの日本に大して希望をつなぐことができない。このまま行つたら『日本』はなくなつてしまうのではないかといふ感を日ましに深くす […]
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「鏡月」の訴求ポイントの妙

 11月の第3木曜日、今年のボジョレー・ヌーボー解禁日の11月20日は今週となりました。  私はと言えば、猫の額の庭に植えた梅の木が近年いくつも実をつけるようになり、それを仕込んだ梅酒がちょうどよく浸かってきたので、食後にちょっとなめたり、ソーダ割りにして食事といっしょに楽しんだりしています。  それでこれを漬けた6月の頃を思い出していました。広口瓶を消毒するのにお湯を沸かしながら、妻が買ってきた […]
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山形そばに見る家事の産業化

「あれを食べないと夜も日も明けない」というような好物というものは持たないながら、11月になると新そばをいただきたくなります。それは山形の取材でいわゆる田舎そばの味を知ってからのことです。  そのあたりのことを以前個人ブログに書いたものを以下に再録してみます。話はそばというよりも農業の“担い手”なるものについてです。 ◆  そばどころと言えば信州というイメージもあるが、山形県を一周すると、「山形こそ […]
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焼きもうまかった生肉の名店

 先日、何度かうかがっている豚串焼きの店に行ったところ、入口にこんな貼り紙がありました。 「当店は生肉を扱っている関係で『中学生以下のお子様』『ご年配の方』の入店をお断りさせて頂きます」  この店では豚のレバーなど豚の生肉を提供しています。以前はこんな紙はなかったなと思いながら入店すると、相変わらずの大人気店です。まあ、もともと「中学生以下」の子や「ご年配」の自覚のある人は見当たらない店だったので […]
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手洗い場は店の飾りではない

 食料自給率上昇の決め手となる子実トウモロコシの国産化に取り組む生産者の研究会もいよいよ具体的、実践的、かつ面での拡大を正確に見据えたものになってきました。飼料や食品原料に求められる子実トウモロコシの生産は、日本国内に燎原の火のように広がっていくでしょう。  この動きはやがて、食料自給率問題に終止符を打ち、日本の農村・農業経営の立て直しの大きな一手となり、さらに国際的な食糧価格安定にも貢献していく […]