日本フードサービス協会(JF)は2025年11月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数221、店舗数36,721店=100.9%)合計の売上高は108.7%と拡大。客単価は上昇したが、客数は104.2%と前年同月を上回った。
売上高は、その他(98.5%)を除くすべての業種・業態で前年同月を超えた。和風ファストフード(14.1%増)、洋風ファミリーレストラン(10.8%増)は2桁増。
客数は、その他ファストフード(7.1%増)、ディナーレストラン(7.0%増)、洋風ファミリーレストラン(6.7%増)、和風ファストフード(6.3%増)、洋風ファストフード(5.8%増)などが好調。喫茶(0.1%減)、持ち帰り米飯/回転寿司(3.3%減)、その他(5.0%減)は前年同月に達しなかった。
客単価は、その他ファストフード(0.3%下降)を除くすべての業種・業態で前年同月よりも上昇した。上昇幅が大きかったのは、喫茶(9.9%上昇)、持ち帰り米飯/回転寿司(7.8%上昇)、和風ファストフード(7.4%上昇)、和風ファミリーレストラン(6.2%上昇)。
JFによる概況は以下のとおり。
11月は、前年より土日祝日数の多い曜日まわりとなり、FF業態やレストラン業態の客数を押し上げた。インバウンド需要は中国からの団体客の予約キャンセルが見られたものの、全体としてはおおむね堅調で、引き続き客単価の上昇とFF業態やFR低価格業態の堅調により、売上は108.7%となった。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2025年11月)

| 事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 全体 | (N=221) | (N=36,721) | 108.7% | 100.9% | 104.2% | 104.4% | |
| ファストフード | 合計 | (N=51) | (N=21,356) | 108.8% | 101.5% | 104.4% | 104.2% |
| 洋風 | (N=18) | (N=6,140) | 108.8% | 101.7% | 105.8% | 102.9% | |
| 和風 | (N=14) | (N=5,271) | 114.1% | 102.4% | 106.3% | 107.4% | |
| 麺類 | (N=19) | (N=3,295) | 105.7% | 101.4% | 102.0% | 103.6% | |
| 持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=17) | (N=4,261) | 104.2% | 99.7% | 96.7% | 107.8% | |
| その他 | (N=7) | (N=2,389) | 106.8% | 102.4% | 107.1% | 99.7% | |
| ファミリーレストラン | 合計 | (N=63) | (N=9,536) | 109.4% | 99.6% | 105.0% | 104.1% |
| 洋風 | (N=30) | (N=4,391) | 110.8% | 98.4% | 106.7% | 103.8% | |
| 和風 | (N=31) | (N=2,557) | 108.6% | 101.0% | 102.2% | 106.2% | |
| 中華 | (N=13) | (N=1,231) | 108.5% | 102.0% | 103.7% | 104.7% | |
| 焼肉 | (N=16) | (N=1,357) | 106.7% | 98.8% | 102.9% | 103.7% | |
| パブ/居酒屋 | 合計 | (N=35) | (N=2,083) | 103.0% | 100.6% | 100.2% | 102.7% |
| パブ・ビアホール | (N=11) | (N=393) | 101.6% | 102.6% | 100.2% | 101.4% | |
| 居酒屋 | (N=28) | (N=1,690) | 103.6% | 100.1% | 100.2% | 103.3% | |
| ディナーレストラン(計) | (N=26) | (N=1,018) | 109.2% | 103.1% | 107.0% | 102.1% | |
| 喫茶(計) | (N=24) | (N=2,489) | 109.8% | 101.0% | 99.9% | 109.9% | |
| その他(計) | (N=22) | (N=239) | 98.5% | 88.8% | 95.0% | 103.6% | |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は51、店舗数は21,356店(101.5%)。客単価は上昇したが、客数は104.4%と前年同月を上回った。売上高は108.8%と拡大。
洋風ファストフード(事業社数18、店舗数6,140店=101.7%)は、客単価は上昇したが、客数は105.8%と増加。売上高は108.8%と拡大。
和風ファストフード(事業社数14、店舗数5,271店=102.4%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は106.3%と増加。売上高は114.1%と2桁の拡大。
麺類ファストフード(事業社数19、店舗数3,295店=101.4%)は、客単価は上昇したが、客数は102.0%と前年同月を上回った。売上高は105.7%と拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数17、店舗数4,261店=99.7%)は、客単価は際立って上昇し、客数は96.7%と前年同月を下回った。売上高は104.2%と前年同月を上回った。
その他ファストフード(事業社数7、店舗数2,389店=102.4%)は、客単価はやや低めの前年並みだが、客数は107.1%と増加。売上高は106.8%と拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は63、店舗数は9,536店(99.6%)。客単価は上昇したが、客数は105.0%と増加。売上高は109.4%と拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数30、店舗数4,391店=98.4%)は、客単価は上昇したが、客数は106.7%と増加。売上高は110.8%と2桁の拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数31、店舗数2,557店=101.0%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は102.2%と前年同月を上回った。売上高は108.6%と拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数13、店舗数1,231店=102.0%)は、客単価は上昇したが、客数は103.7%と前年同月を上回った。売上高は108.5%と拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数16、店舗数1,357店=98.8%)は、客単価は上昇したが、客数は102.9%と前年同月を上回った。売上高は106.7%と拡大。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は35、店舗数は2,083店(100.6%)。客単価は上昇しながら、客数は100.2%と前年並み。売上高は103.0%と前年同月を上回った。
パブ・ビアホール(事業社数11、店舗数393店=102.6%)は、客単価は上昇しながら、客数は100.2%と前年並み。売上高は101.6%と前年同月を上回った。
居酒屋(事業社数28、店舗数1,690店=100.1%)は、客単価は上昇しながら、客数は100.2%と前年並み。売上高は103.6%と前年同月を上回った。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数26、店舗数1,018店=103.1%)は、客単価は上昇したが、客数は107.0%と増加。売上高は109.2%と拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数24、店舗数2,489店=101.0%)は、客単価は際立って上昇しながら、客数は99.9%とほぼ前年並み。売上高は109.8%と拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数22、店舗数239店=88.8%)は、客単価は上昇し、客数は95.0%と減少。売上高は98.5%と前年同月を下回った。
●日本フードサービス協会
https://www.jfnet.or.jp/industry_report/
