日本フードサービス協会(JF)は2023年6月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数229、店舗数36,500店=98.5%)合計の売上高は111.8%と2桁の拡大。客単価は際立って上昇したが、客数は103.6%と前年同月を上回った。
洋風ファストフードサービスのみ客数が前年比2.4%の減少となった。客単価は同11.1%上昇し、売上高は同8.4%増となった。それ以外では、客数はすべての業種業態で増加し、売上高はほとんどの業種業態で前年比10%以上上回った。とくに和風ファストフードサービスは同10%以上の増。客単価もすべての業種業態で上昇した。
JFによる概況は以下のとおり。
6月は、5月のコロナ5類移行を受けて外食消費がようやく回復基調に入り、インバウンド需要の増加もあり、全体売上は111.8%、コロナ前の19年対比でも103.5%となった。だが店舗数はいまだ19年レベルに回復しておらず、特に「パブ・居酒屋」はいまだ19年比68.6%と、コロナを境に事業基盤が大きく揺るがされたままとなっている。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2023年6月)
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=229) | (N=36,500) | 111.8% | 98.5% | 103.6% | 107.9% | |
ファストフード | 合計 | (N=56) | (N=21,226) | 111.2% | 99.5% | 103.1% | 107.8% |
洋風 | (N=19) | (N=6,324) | 108.4% | 101.2% | 97.6% | 111.1% | |
和風 | (N=14) | (N=5,069) | 117.9% | 99.1% | 111.7% | 105.6% | |
麺類 | (N=19) | (N=3,150) | 113.1% | 97.8% | 104.6% | 108.2% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=21) | (N=4,325) | 108.3% | 98.6% | 100.9% | 107.3% | |
その他 | (N=7) | (N=2,358) | 113.1% | 100.0% | 107.2% | 105.5% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=67) | (N=10,298) | 111.8% | 98.2% | 104.3% | 107.2% |
洋風 | (N=34) | (N=5,173) | 111.9% | 97.9% | 104.2% | 107.3% | |
和風 | (N=31) | (N=2,571) | 111.4% | 98.1% | 102.9% | 108.2% | |
中華 | (N=13) | (N=1,187) | 111.6% | 100.9% | 106.7% | 104.6% | |
焼肉 | (N=17) | (N=1,367) | 112.4% | 97.0% | 104.5% | 107.6% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=35) | (N=1,855) | 114.7% | 90.5% | 106.5% | 107.7% |
パブ・ビアホール | (N=10) | (N=389) | 116.4% | 93.7% | 105.1% | 110.8% | |
居酒屋 | (N=29) | (N=1,466) | 113.9% | 89.7% | 107.4% | 106.1% | |
ディナーレストラン(計) | (N=27) | (N=950) | 113.0% | 93.8% | 108.8% | 103.9% | |
喫茶(計) | (N=24) | (N=1,903) | 116.0% | 100.6% | 103.9% | 111.6% | |
その他(計) | (N=20) | (N=268) | 116.4% | 98.2% | 106.7% | 109.0% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は56、店舗数は21,226店(99.5%)。客単価は際立って上昇したが、客数は103.1%と前年同月を上回った。売上高は111.2%と2桁の拡大。
洋風ファストフード(事業社数19、店舗数6,324店=101.2%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は97.6%と前年同月を下回った。売上高は108.4%と拡大。
和風ファストフード(事業社数14、店舗数5,069店=99.1%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は111.7%と2桁の大幅増。売上高は117.9%と2桁の拡大。
麺類ファストフード(事業社数19、店舗数3,150店=97.8%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は104.6%と前年同月を上回った。売上高は113.1%と2桁の拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数21、店舗数4,325店=98.6%)は、客単価は際立って上昇しながら、客数は100.9%と前年並み。売上高は108.3%と拡大。
その他ファストフード(事業社数7、店舗数2,358店=100.0%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は107.2%と増加。売上高は113.1%と2桁の拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は67、店舗数は10,298店(98.2%)。客単価は際立って上昇したが、客数は104.3%と前年同月を上回った。売上高は111.8%と2桁の拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数34、店舗数5,173店=97.9%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は104.2%と前年同月を上回った。売上高は111.9%と2桁の拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数31、店舗数2,571店=98.1%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は102.9%と前年同月を上回った。売上高は111.4%と2桁の拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数13、店舗数1,187店=100.9%)は、客単価は上昇したが、客数は106.7%と増加。売上高は111.6%と2桁の拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数17、店舗数1,367店=97.0%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は104.5%と前年同月を上回った。売上高は112.4%と2桁の拡大。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は35、店舗数は1,855店(90.5%)。客単価は際立って上昇したが、客数は106.5%と増加。売上高は114.7%と2桁の拡大。
パブ・ビアホール(事業社数10、店舗数389店=93.7%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は105.1%と増加。売上高は116.4%と2桁の拡大。
居酒屋(事業社数29、店舗数1,466店=89.7%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は107.4%と増加。売上高は113.9%と2桁の拡大。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数27、店舗数950店=93.8%)は、客単価は上昇したが、客数は108.8%と増加。売上高は113.0%と2桁の拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数24、店舗数1,903店=100.6%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は103.9%と前年同月を上回った。売上高は116.0%と2桁の拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数20、店舗数268店=98.2%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は106.7%と増加。売上高は116.4%と2桁の拡大。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html