家庭の家禽飼育の感染リスク

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.26(2016.12.21)を発表した。

注目記事

【米国疾病予防管理センター】小規模飼育の家禽類関連のサルモネラ

 米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)は、複数州の公衆衛生・動物衛生・農務当局および米国農務省動植物衛生検査局(USDA APHIS)と協力し複数州にわたり発生した小規模飼育(backyard flock)に関連するサルモネラ感染アウトブレイクについて行ってきた調査を終了した。

 今回の8件の本サルモネラアウトブレイクの感染患者として、2016年9月26日までに48州から計895人が報告された(図)。情報が得られた患者の発症日は2016年1月4日~9月10日であった。患者の年齢範囲は1歳未満~106歳、年齢中央値は27歳で、52%が女性であった。情報が得られた患者761人のうち209人(27%)が入院し、患者3人の死亡が報告された。死亡者のうちミシシッピー州の1人はサルモネラ感染により死亡したと考えられた。

 疫学・追跡調査および検査機関での検査の結果、これら8件のアウトブレイクは、複数の孵化場由来のヒヨコおよびアヒルのヒナなどの生きた家禽類との接触に関連していることが明らかになった。

 患者に対し、発症前1週間の食品喫食歴および動物との接触歴に関する聞き取り調査を行ったところ、745人中552人(74%)が生きた家禽類(ヒヨコ、ニワトリ、アヒル、アヒルのヒナ)と接触したと報告した。

 患者は、生きた家禽類のヒナの購入先として、複数の州の飼料販売店、インターネットサイト、孵化場、友人などを挙げた。また、生きた家禽類の購入目的は、卵を産ませる、農業について学ぶ、趣味、楽しむため、ペットとして飼育、イースターの贈り物にする、などであった。患者が生きた家禽類と接触した場所としては、自宅、他人の家、職場、学校などが挙げられた。

 小規模飼育(backyard flock)などの生きた家禽類由来のサルモネラ、および子どもの感染リスクを低減させる方法については、以下のサイトより詳細な情報が入手可能。

https://www.cdc.gov/features/salmonellapoultry/index.html

【欧州食品安全機関】反芻動物での伝達性海綿状脳症(TSE)

 欧州食品安全機関(EFSA: European Food Safety Authority)は、反芻動物での伝達性海綿状脳症(TSE)の2015年のサーベイランスデータに関する欧州連合(EU)要約報告書を公表した。本報告書は、欧州連合(EU)加盟国および非加盟3カ国で2015年に実施されたウシ科動物、ヒツジ、およびヤギに対する伝達性海綿状脳症(TSE)モニタリングの詳細な結果、ならびに2001~2015年のモニタリング結果の概要・傾向を記載したものである。

 本報告書の対象国における小型反芻動物のTSEの全体的な疫学状況は、症例の絶対数および検査動物数あたりの症例数のいずれの観点からも明確な改善傾向が見られていない。しかし、いくつかの加盟国では定型スクレイピー(CS)症例数の減少が認められている。遺伝子型データにより、CSを発症したヒツジは遺伝的に感受性のヒツジ群に集中しているが、感受性群のヒツジは無作為抽出されたヒツジの20%未満であることが確認された。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.26(2016.12.21)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2016/foodinfo201626m.pdf

今号の目次

【汎アメリカ保健機構(PAHO)】
1. コレラの流行に関する更新情報(2016年11月29日)

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 小規模飼育(Backyard Flock)の生きた家禽類に関連して複数州にわたり発生した8
件のサルモネラ感染アウトブレイク(最終更新)

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and
Feed)

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. 反芻動物での伝達性海綿状脳症(TSE)の2015年のサーベイランスデータに関する欧
州連合(EU)要約報告書
2. 食品安全ツールの各国での使用に関して欧州食品安全機関(EFSA)とドイツ連邦リス
クアセスメント研究所(BfR)が協力

【フィンランド食品安全局(Evira)】
1. フィンランド産の家禽肉のカンピロバクター汚染率は夏の終わり頃が最も高い

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報