輸出先の状況と規制の確認を

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.17(2012.08.22)を発表した。香港食品安全センターは乳児用粉ミルクでヨウ素濃度が基準より低いものがあると発表した。インド食品安全基準局が発表した食品の混入物の迅速な検査法の説明書は興味深い内容。

注目記事

【香港政府ニュース】ヨウ素欠乏ミルクに警告

 香港食品安全センターは、複数の乳児用調整粉乳の成分を調査し、コーデックス基準に定められた33の必須栄養素を測定した。いくつかの製品でヨウ素濃度が基準より少ないことが確認され、そのうち日本から輸入された製品の中には単一で乳児へ与えられた場合に健康上の懸念となる製品があったと公表した。

※ポイント:今号の本文中の表に示したように、わが国では乳児用調製粉乳のヨウ素含量について規格はありません。確かにヨウ素の不足は甲状腺ホルモン分泌の低下につながると言われていますが、1つ気をつけなければいけないのは、普段の食事で摂取しているヨウ素の量(バックグラウンド値)が地域によって大きく異なるので、追加で必要となるヨウ素の量も地域で各々違うということです。

 ヨウ素は昆布等の海藻に多く含まれるので、海藻をよく食べる日本はヨウ素の摂取量が比較的多い地域です。一方、内陸に位置するなどの理由でヨウ素が不足しがちな国では推奨値を設定して食事などに添加する必要があります。ですから、ヨウ素については推奨値や添加量などを一概に比較することはできません。そして、食品を輸出入する場合には、相手国と自国の状況や規制を十分に注意する必要があるということです。

【FSSAI】食品の混入物に関する迅速検査:取扱説明書

 インド食品安全基準局(FSSAI)は、食品の混入物の迅速検査法の取扱い説明書を2つ公表した。パート1では家庭でできる方法、パート2では学校及び事業者レベルでできる方法を紹介している。混入物として多いのは、意図的混入では、砂、大理石、石、泥、他のゴミ、滑石、チョークの粉、水、ミネラルオイル及び有害色素である。事故的混入では、残留農薬、ネズミの糞及び幼虫である。金属汚染では、農薬由来のヒ素、水由来の鉛、化学工場由来の排水及び缶由来のスズである。

※ポイント:内容は驚かされるものばかりなのですが、混入の可能性としては参考になります。日本では、このような検査を家庭でしなくて良いのは幸せなことです。

【MPI】農薬の優良規範にさらによい知らせ

 ニュージーランド一次産業省(MPI)は、食品中の残留物質サーベイランス計画の第4四半期報告書等を発表した。レモンのピリメタニル、オリーブ油のアゾキシストロビン又はプロピコナゾールで最大残留基準値(MRL)超過が確認されている。

※ポイント:MRLを設定する際には十分に安全マージンをとっているので、MRLを超過しても、その超過が、農業者が使用基準を守っていなかったためにちょっと超過してしまったという程度の問題なのか、それとも健康リスクがあるという程度の問題なのか判断することが重要です。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(化学物質)No.17(2012.08.22)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2012/foodinfo201217c.pdf

今号の目次

【EC】
1. 食品獣医局(FVO)査察報告書:ギリシャ、ブルネイ・ダルサラーム国
2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 健康強調表示関連
2. アスパルテームの再評価は2013年5月まで延期

【FSA】
1. クレイについて消費者へ再度警告
2. メチルセルロースに意見募集

【MHRA】
1. プレスリリース:Holland and Barrettが販売した登録されていない子ども用ハーブ医薬品を使用しないよう保護者へ助言

【BfR】
1. 食品中の残留塩化ベンザルコニウムの健康影響評価

【FSAI】
1. 貝の採集を避けるよう助言

【FDA】
1. 警告文書(2012年8月7、14日公表分)

【NTP】
1. TR-575:F344/NラットとB6C3F1マウスにおけるアクリルアミドの毒性およびがん原性試験(混餌および飲水試験)

【CFIA】
1. Harper政権は食品安全を強化するために監視アプローチを改善
2. CFIAはドライフルーツ、コーン、ナッツ製品の毒素を検査
3. CFIAはフルーツスプレッドの亜硫酸を検査
4. CFIAは包装済み粉末スパイスのグルテンを検査
5. 食品900検体以上のカビ(毒)を調べたところ消費者の健康上の懸念はない

【FSANZ】
1. ファクトシート:特定医療用食品
2. 食品基準通知

【APVMA】
1. 農薬規制機関はカルベンダジム及びカルバリルのレビューを完了:両物質のさらなる
制限

【TGA】
1. 警告:MMC Maxman IV Erection Enhancerカプセル

【MPI】
1. 農薬の優良規範にさらによい知らせ

【香港政府ニュース】
1. ヨウ素欠乏ミルクに警告
2. 1人の乳児の血液検査が異常
3. さらに4つの乳児用ミルクに警告
4. 17の乳児用調製粉乳のヨウ素濃度は基準を満たしている
5. 乳児用ミルクホットライン時間短縮

【KFDA】
1. 食品添加物についての誤解は、もうストップ!
2. 子どものフタル酸類(phthalate)及びビスフェノールA(Bisphenol A)暴露レベル
は低い!
3. 台湾産プラムディライト(乾燥プラム)センノシド(sennoside)検出で流通販売•禁止
4. 米国産乾燥プラム製品「Weight Loss Dried Plum」の購入自粛を要請3

【FSSAI】
1. 食品の混入物に関する迅速検査:取扱説明書パート1
2. 食品の混入物に関する迅速検査:取扱説明書パート2

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(Eurek Alert)カナダの淡水には強力なヒト毒素が広範にみられる