2014年食の10大ニュース[6]

  1. 食品表示法の施行前夜
  2. STAP細胞
  3. 遺伝子組換えイチゴを利用した動物用医薬品が商品化された
  4. 遺伝子組換えカイコの試験飼育
  5. 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の施行
  6. DTC検査に企業乗り出す/機能性食品利用につながるか?
  7. 青いキク・紫コチョウランの一般公開
  8. 遺伝子組換えトウモロコシの国内隔離圃場試験不要とするケースに対する意見募集
  9. ノーベル物理学賞
  10. BSE全頭検査が終わって1年

 今年も食を広くとらえ、バイオテクノロジーとサイエンスに関する話題を含めて振り返ってみました。

1. 食品表示法の施行前夜

 2013年に公布された食品表示法(公布から2年以内に施行)による新しい表示制度の運用、機能性表示、アレルギー表示に関する議論が行われたり、パブリックコメントが募集されたりした。

2. STAP細胞

 2月に発見の報道があり、12月に再現できなかったと発表があった。データの捏造、実験ノートの書き方、論文の審査なども話題になった。

3. 遺伝子組換えイチゴを利用した動物用医薬品が商品化された

 遺伝子組換えイチゴの中にインターフェロンをつくらせ、イヌの歯周病治療薬として実用化された。

4. 遺伝子組換えカイコの試験飼育

 付加価値の高い遺伝子組換えカイコの一般農家での飼育を視野に入れて、遺伝子組換えカイコの第一種使用規程による試験飼育が行われた。タバコの葉緑体DNAを利用して、農薬成分を作らせる「植物工場」としての取り組みも始まった。

5. 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の施行

 薬事法の一部が改正され、再生医療分野の製品や医療機器が対象となり、国民の義務についてもふれられた(11月25日施行)。

6. DTC検査に企業乗り出す/機能性食品利用につながるか?

 医師が介在しない、消費者直販型(Direct to Consumer:DTC)遺伝子検査ビジネスにDeNAなどが参入。遺伝情報に基づく生活習慣病予防のための機能性食品の利用につながるか。

7. 青いキク・紫コチョウランの一般公開

 遺伝子組換え技術を用いてつくられた紫のコチョウランが世界ラン展(3月東京ドーム)で、青いキク(11月)が筑波実験植物園で、一般公開された。

8. 遺伝子組換えトウモロコシの国内隔離圃場試験不要とするケースに対する意見募集

 データの蓄積により、わが国の自然条件下で生育した場合の特性が科学的見地から明らかな遺伝子組換えトウモロコシの国内隔離圃場試験は、事前相談の段階で不要とするケースについてパブリックコメントが募集された。

9. ノーベル物理学賞

 10月、ノーベル物理学賞が、赤崎勇氏、天野浩氏、中村修二氏に授与された。LEDの利用の拡大は、植物工場の人工照明として農業のコスト削減にも貢献すると期待。

10. BSE全頭検査が終わって1年

 2013年3月、全国の自治体でのBSE検査は48カ月齢以上となり、実質的に全頭検査が全国で廃止になって1年が無事に過ぎた。

 一方、放射性物質に関する全頭検査は福島から遠く離れた沖縄を含めて、全国で今も行われている。

おまけ. はやぶさ2号発射成功

 はやぶさ1号の成果、欧州宇宙機関(ESA)の彗星探査機ロゼッタから打ち出されたフィラエに続き、生命の起源に迫る情報がもたらされるかもしれない。

佐々義子
About 佐々義子 37 Articles
くらしとバイオプラザ21常務理事 さっさ・よしこ 1978年立教大学理学部物理学科卒業。1997年東京農工大学工学部物質生物工学科卒業、1998年同修士課程修了。2008年筑波大学大学院博士課程修了。博士(生物科学)。1997年からバイオインダストリー協会で「バイオテクノロジーの安全性」「市民とのコミュニケーション」の事業を担当。2002年NPO法人くらしとバイオプラザ21主席研究員、2011年同常務理事。科学技術ジャーナリスト会議理事。食の安全安心財団評議員。