欧州でラベル貼り直し大量発覚

No.22(2023.10.25)

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国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。食品基準庁は食品からのカンナビジオール(CBD)摂取を10mg/日に制限するよう助言を更新した。ユーロポールが主導する偽装食品や規格外食品を取り締まる作戦OPSON Europeで、腐ったまたは期限切れ食品のラベルの貼り直しが前例のない規模で検出された。

注目記事

【FSA】英国食品基準庁およびスコットランド食品基準庁はCBDの消費者への助言を更新

 2023年10月12日、英国食品基準庁(FSA)は、カンナビジオール(CBD)による健康への有害影響を予防するために、健康な成人は食品からのCBD摂取を10mg/日(5%CBDオイル約4〜5滴に相当)に制限するよう助言を更新した。この助言は、業界からの新たな根拠や独立科学委員会(新規食品・加工諮問委員会、毒性委員会)からの最新の助言に基づくものである。

 CBD抽出物を新規食品と見なすことが2019年1月に確定されており、グレートブリテンでCBD食品を合法的に販売する場合はすべて認可申請が必要である。FSAは、新規食品の申請書が提出され認可待ちとなっている全CBD製品のリストを公開し閲覧できるようにしている。現時点で市場に流通する認可されたCBD抽出物や単離品はない。英国FSAは、今回の助言更新に合わせて事業者向けガイダンスの更新版も発表した。

※ポイント:FSAはこれまでCBDの摂取について70mg/日(5%CBDオイル約28滴)を超えないよう助言していましたが、今回の助言で大幅に下げています。根拠となった独立科学委員会の共同声明によると、先の助言ではヒト試験で評価された最低用量から70mg/日としていましたが、それより低い用量での薬物相互作用が否定できないことが指摘されています。今回は、げっ歯類の90日間反復投与毒性試験をもとに導出した暫定許容一日摂取量(ADI)0.15mg/kg体重/日(体重70kgの成人で10mgCBD/日)を根拠としています。

 参考として、欧州食品安全機関(EFSA)もCBDの新規食品申請を評価していますが、2022年時点の声明では、データギャップと不確実性が多いことから、食品としてのCBD摂取についてADIなどの指標値は示さず、新規食品としてのCBDの安全性は現時点では立証できないと結論しています。

【Europol】OPSON Europe:先ず3千万ユーロ相当を押収

 ユーロポールが主導する作戦OPSON Europeの第12回が2022年12月から2023年4月まで実施された。この活動には25カ国(EU加盟18カ国および欧州7カ国)の法執行機関が参加した。腐ったまたは期限切れ食品のラベルの貼り直しが前例のない規模で検出された。また、押収された違法製品8,000tのほとんどはアルコール飲料で650万Lだった。ユーロポールには、検査400件、逮捕状発行143件、捜査令状執行168件、司法当局に報告された人119人、犯罪ネットワークの破壊6件の報告が届いている。

※ポイント:“OPSON”は食品(food)を意味する古代ギリシャ語で、その作戦は、偽装食品や規格外食品がもたらす危険性について認識を高め、結束してそれらの犯罪を取り締まることで消費者を保護することを目的としています。当初の参加は10カ国程度でしたが現在は25カ国にまで増加しています。今号では、食品偽装などの犯罪が英国経済に相当な損害額を与えているというFSAの報告も掲載しました。欧州では食品偽装への対策を強化していることをこれまで紹介してきましたが、現状の被害規模が甚大で深刻な問題になっている様子がOPSON作戦とFSAの報告からわかります。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.22(2023.10.25)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2023/foodinfo202322c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. WHO 健康とプラスチック対話-次の三回のウェビナー
2. 出版物
3. 生後6-23ヶ月の乳幼児の補完食のための WHO ガイドライン

【FAO】
1. 世界食料デーと世界食料フォーラム2023は、水、気候対応、持続可能な農業食料システムのための世界的対応を刺激する
2. Codex

【EC】
1. SCCS(消費者安全に関する科学委員会)
2. 査察報告書
3. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 食品酵素関連
2. 健康協調表示関連
3. 食品接触物質関連
4. 農薬関連

【Europol】
1. OPSON Europe:先ず3千万ユーロ相当を押収

【FSA】
1. 最新の Consumer Insights Tracker の結果が公表される
2. アクリルアミドとフランの英国小売における2020-21年の調査
3. 食品偽装作業部会の食品犯罪への取り組みに関する最新情報を共有する
4. 英国食品基準庁及びスコットランド食品基準庁は CBD の消費者への助言を更新
5. イングランド及びウェールズ向けカンナビジオール(CBD)ガイダンス

【FSS】
1. 保護者向けグリセロールとスラッシュアイス飲料に関する5つの事実

【DEFRA】
1. プラスチックを含むウェットティッシュ:製造、供給、販売禁止の提案
2. 食品中の残留農薬:2022年第4四半期のモニタリング結果

【COT】
1.2023年10月17日の会議の議題

【FSAI】
1. リコール情報

【BfR】
1. 食品添加物及び香料に関する国立リファレンスラボ
2. 野生の狩猟動物の肉をもっと安全にする必要がある
3. 皮膚アレルギー:非動物実験法の開発に役立つ新しいデータベース

【RIVM】
1. RIVM と EFSA は混合物リスク評価の新しい計算モデルを最適化

【ANSES】
1. プロスルホカルブ(Prosulfocarb)に関する ANSES のレビュー.

【NFSA】
1. 二枚貝とその他の軟体動物の国家モニタリングプロクラム―2022年に分析した化学汚染物質と微生物の検体

【VKM】
1. 遺伝子組換え不妊サーモン-野外試験のリスク評価
2. PFAS ウェビナーの記録

【FDA】
1. 乳児用調製乳の最新のコンプライアンスプログラムを発表する
2. 事業者向けガイダンス:輸入食品の事前通知に関する Q&A(第4版)

【EPA】
1. 無機ヒ素
2. EPA は労働者と地域を守るために TSCA リスク評価プロセスを強化する規則を提案
3. EPA は新しい食品廃棄報告書を発表
4. EPA は有害化学物質排出目録(TRI)への PFAS 報告強化を求める規則を最終化

【FSANZ】
1. 食品基準通知
2. 食品基準ニュース

【APVMA】
1. APVMA 戦略2030発表

【TGA】
1. TGA はニューサウスウェールズ州で7万個のベーピング製品を押収

【NSW】
1. リコール情報

【MPI】
1. 食品と飲料産業転換計画
2. 公衆衛生警告

【香港政府ニュース】
1. 食品中のメトキシクロルに関するリスク評価研究結果を発表する
2. プレスリリース
3. 違反情報

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 安全で健康的な旧盆名節のヒント! 食薬処がお知らせします
3. 食品添加物基準を改善し、多様な製品開発を支援します
4. 輸入産菓子に対する検査命令施行
5. 秋夕名節用食品の一斉点検の結果、違反業者76カ所を摘発・措置
6. アレルギー誘発物質未表示健康機能食品の回収措置

【SFA】
1. コメと乳児用コメシリアル中のヒ素

【FSSAI】
1. 国立科学センターと協力して食品安全マジックボックスで学生を力づける
2. 消費者と食品販売者に、食品を包装あるいは提供するのに新聞紙を使うことを直ちに止めるよう強く求める

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から