米国で牛挽肉関連のO157

No.20(2022.09.28)

(写真はイメージです)

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。米国の複数州で大腸菌O157:H7感染アウトブレイクが発生し、当局が調査に当たっている。複数の患者が特定ブランドの料理セットを購入しており、当該挽肉の施設番号が特定され、当局はさらに原材料の追跡調査を進めている。

注目記事

【米国】牛挽肉に関連の大腸菌O157

 米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)、複数州の公衆衛生・食品規制当局および米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)は、複数州にわたり発生している大腸菌O157:H7感染アウトブレイクを調査するため、さまざまなデータを収集している。

 FSISが実施した追跡調査から、複数の患者が「HelloFresh」ブランドの料理セットの材料として牛挽肉を購入しており、当該挽肉が施設番号「M46841」の施設で製造されていたことが特定された。FSISは、当該挽肉の製造に使用された原材料の追跡調査を進めている。

 CDCは、2022年7月2〜21日に出荷された「HelloFresh」ブランドの料理セットに含まれていた牛挽肉について、冷凍保存しているかどうか冷凍庫内を確認するよう消費者に促している。製品包装のUSDA検査印の内側に施設番号「EST.46841」が表示され、包装の側面に「EST#46841L122155」または「EST#46841L522155」のコードが印刷されている製品は喫食してはならない。汚染の可能性がある牛挽肉製品が他にもあるかどうか特定するため調査が続けられている。

【アイルランド】アヒル卵の安全な喫食に関する助言

 アイルランド食品安全局(FSAI: Food Safety Authority of Ireland)発。アヒル卵はアイルランドの小売市場で販売されており、鶏卵の代替品として料理に使用する人もいる。

 アイルランド食品安全局(FSAI)は、十分に加熱されたアヒル卵のみを喫食し、喫食前に十分な加熱処理が行われない料理には生のアヒル卵を使用しないよう助言している。生のアヒル卵を取り扱う際は、取り扱い後に手指および調理器具・設備の表面を洗浄する等の厳しい衛生規範を徹底することが重要である。

 具体的な助言は以下の通りである。

  • 生または軽く加熱しただけのアヒル卵は喫食すべきでない。
  • 卵黄および卵白ともに固まるまで十分に加熱されたアヒル卵のみを喫食する。アヒル卵は鶏卵より重く大きいため、より長い加熱時間が必要である。
  • アヒル卵を使用した料理は、中まで十分に火が通るまで加熱する。
  • 生または軽く加熱しただけの卵を使用する製品(自家製マヨネーズ、ティラミス、アイシング、オランデーズソースなど)の調理に生のアヒル卵を使用しない。・アヒル卵を料理に使用する場合、混合した原材料の喫食や味見をしない。
  • 生のアヒル卵を取り扱った後は必ず十分に手を洗う。
  • 生のアヒル卵に接触した調理器具や調理設備の表面は全て再使用の前に必ず十分に洗浄する。
  • アヒル卵は冷蔵庫内で保存し、そのまま喫食可能な(ready-to-eat)食品から離れた場所に置く。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.20(2022.09.28)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2022/foodinfo202220m.pdf

今号の目次

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 牛ひき肉に関連して複数州にわたり発生している大腸菌 O157:H7感染アウトブレイク
(2022年9月14日付初発情報)
2. 有機栽培の生鮮イチゴに関連して複数州にわたり発生した A型肝炎アウトブレイク(最終更新)

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:有機栽培の輸入生鮮イチゴに関連して発生した A型肝炎アウトブレイク(2022年7月18日付最終更新)

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and
Feed)

【Eurosurveillance】
1. 急性胃腸炎による成人の救急診療科受診および生の貝類との関連が疑われる食品由来感染事例の大規模な同時発生(フランス、2019年12月〜2020年1月)

【アイルランド食品安全局(FSAI)】
1. アヒル卵の安全な喫食に関する助言

【ProMED-mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報(28)