「よい農産物」とはどんな農産物か? 世界各国と日本の農産物単位面積当たりの収穫量の比較 2013年5月31日 齋藤訓之 「『よい農産物』とはどんな農産物か?」連載第35回「日本の農業技術は国際的に低レベル」については、「多くの作物について、日本は主要先進国の中で唯一、単位面積当たりの収量の伸びが30年間も止まったまま」という点についてデータを示すようにという声をたくさんいただきました。 このことについては、農業技術通信社社長の昆吉則氏が長年指摘し氏も改善・革新への努力・挑戦を訴えているところです。そのため、氏と交 […]
「よい農産物」とはどんな農産物か? 日本農業はユーザー無視の歪んだ農業 2013年5月31日 岡本信一 日本の農業は、とくに加工用の野菜生産に弱い。多くの方は、加工野菜というのは“B品”であろうと勘違いしているようだが、実は加工用のほうが品質の要求基準が高く、難しい。
「よい農産物」とはどんな農産物か? 日本の農業技術は国際的に低レベル 2013年5月29日 岡本信一 ここからは、現在の日本の農産物の抱える問題と今後の課題について考えていく。生産、販売・流通、そして食べること、これらについて順番に書いていきたい。
土を知る、土を使う バングラデシュ農業のこれから(2) 2013年4月16日 関祐二 バングラデシュの農業は水田作が主体です。施肥については、ここでは水田に窒素の施用が必要と理解されていますが、他の成分についての理解はまだこれからというところのようでした。 施肥への理解は初期段階 筆者が視察したイネの栄養状態はひどくカリウムが欠乏した状態で、ごま葉枯病※が多数発生していました。しかも、現地の農業指導者がこの病気のことを正しく知らず、間違った指導を行っていました。 つまり、まだ日 […]
土を知る、土を使う バングラデシュ農業のこれから(1) 2013年4月9日 関祐二 インドとミャンマーにはさまれた国、バングラデシュ。地理的にはガンジス川の最下流域です。筆者は昨年10月初めに農業指導に行ってきました。 賃金1日300円の縫製工場 バングラデシュは、かつては現在のパキスタンと共に英領インドでしたが、インドより近代化は遅れていると言っていいでしょう。 いつもは初めて訪れる国は、もちろん事前に下調べをして行くのですが、今回は全く予備知識はなしで行くことになりました […]
土を知る、土を使う インドネシア農業の可能性(2) 2013年4月2日 関祐二 前回はインドネシアの農業を概観しました。そして、インドネシアの畑は場所にって収量の差が大きいとお話したわけですが、その理由について説明します。 火山噴出物が堆積した畑 インドネシアの畑のほとんどは、火山からの噴出物が堆積した土地です。このことから、火山噴出物から農業生産に適した土壌への変化が未熟な場所と進んでいる場所とがあり、その差が、作付けた作物の収量差として表れるのです。 未熟な火山噴火物 […]
「よい農産物」とはどんな農産物か? 農業そのものが最大の環境破壊産業である 2013年3月29日 岡本信一 農業生産と環境への負荷について、もう一つあまり知られていない環境問題に触れておきたい。日本ではほとんど話題にならないが、農業に関する最大の環境問題であり、筆者は地球温暖化よりもはるかに大きな問題になると考えている。 農業が土地から土壌を失わせる 実は、農業というものは、農薬や化学肥料などが与える問題よりもはるかに大きな環境問題をはらんでいる。「負荷を与えている」などというものではなく、「農業とい […]
「よい農産物」とはどんな農産物か? 農業生産と環境負荷/遺伝子組換え作物のメリットと安全性 2013年3月27日 岡本信一 次に、遺伝子組換え作物の問題について考えよう。遺伝子組換えというのは、生物の細胞からある性質を持つ遺伝子を取り出し、他の生物の細胞の遺伝子に導入して新しい性質をもたせることを言う。遺伝子組換え作物とは、その技術を用いた作物品種ということである。従来の交配・選抜による品種改良は生殖が可能な同士(つまり同じ種)でしかできなかったが、遺伝子組換え技術では、種を超えて形質を移転できるところが特徴だ。 除草 […]
土を知る、土を使う インドネシア農業の可能性(1) 2013年3月26日 関祐二 急速に発展する国々が集まるASEAN、その中でもとりわけ期待されている国がインドネシアです。商業では2億4000万人でさらに増え続ける人口と経済の発展が注目されていますが、農業生産では数えることが困難なほどある島々が今後の可能性を秘めていると言えます。 施肥の概念があることの重要性 筆者が最初に訪れたのは2012年6月末でしたが、想像以上に未だ途上段階の国という印象を受けました。と言うのは、筆者 […]
「よい農産物」とはどんな農産物か? 農業生産と環境負荷/ハイブリッド品種は罪か? 2013年3月25日 岡本信一 農業生産と環境への負荷について、次にハイブリッド品種(F1、一代雑種)について考えよう。最近、これの使用を問題視する論を目にするが、実際のところどうだろうか。 ハイブリッド品種とは何か? まず最初に、ハイブリッド(F1)品種の問題と遺伝子組換え品種を混同されている方がときどきいるので、そこは注意していただきたい。ハイブリッド品種と遺伝子組換え品種というのは、分類の基準が違う、全く別な話題だ。 […]
「よい農産物」とはどんな農産物か? 農業生産と環境負荷/農薬・化学肥料が多い日本農業 2013年3月22日 岡本信一 農薬や化学肥料の使用量が日本では多いという指摘は少なくない。筆者もそう見ている。日本で農薬や化学肥料の使用量が多くなる理由はいくつかあるが、温帯モンスーン気候による影響は非常に大きい。 有機栽培推進よりも慣行栽培の高度化を 日本は非常に多雨な上に温暖である。これは、作物にとっては生育しやすい好条件と言えるが、同時に病害虫も非常に多くなり、さらに雑草も非常に繁茂しやすいという欠点でもある。これらに […]
「よい農産物」とはどんな農産物か? 栽培方法などの表示・宣伝に頼らず自分の舌で判断する 2013年3月20日 岡本信一 作物が健康に育つかどうか、そしてよいものが出来るかどうかは、個々の田畑の条件や、生産している人の管理の上手下手で決まる。有機栽培か慣行栽培か「○○農法」かによる違いよりも、どの田や畑で誰が作ったものかによる違いのほうがはるかに大きい。どの栽培方法を採っている場合でも、出来上がる作物の品質が安定して高い人とそうでない人がいるのである。 宣伝文句を鵜呑みにしない 消費者・需用者が求めるのは、「どの栽 […]
「よい農産物」とはどんな農産物か? 万能の資材・万能の方法というものはない 2013年3月18日 岡本信一 前回、微生物資材を田畑に入れたからといって、必ず土壌が改善されるわけではないと指摘したが、これは微生物資材だけではなく、あらゆる農業関連資材について言えることだ。その土地、条件に合致するものであれば効果があるし、合致しなければ効果はない。 「これを使えば大丈夫」はない 微生物資材というのは、その効果の出方の違いがとりわけ顕著な部類のものと言える。土壌の条件によって、効果が出ることもあれば、全く効 […]
「よい農産物」とはどんな農産物か? 農産物マーケティングで使われる言葉の意味を考える 2013年3月15日 岡本信一 農産物の表示・広告宣伝について、第22回では、安全、おいしさ、栄養に関するものについては考察した。それらとはまた違う種類の表示・広告宣伝について、筆者が疑問を感じているものについて説明する。 それは敢えて言うべきことなのか 「よいトマトは水に沈む」「よい野菜は腐らない」「微生物を使用するとよいものが出来る」――農産物の広告等でこうした表現を目にすることがあるだろう。農産物についての表現で「?」と感 […]