高品質を言うにはその根拠を示す必要がある
「よい農産物」とはどんな農産物か?

「栄養価が高い」「安全」を言うには根拠が必要だ

よい商品とは何かということを考えたとき、他産業での答えは明確だ。売れるもの、したがってニーズがあるもの、つまり「お客様が求めるもの」が、よい商品だ。よい農産物とは何かということも、本来こうした当たり前のことで考えればいいはずである。

「よい農産物」とはどんな農産物か?

世界各国と日本の農産物単位面積当たりの収穫量の比較

「『よい農産物』とはどんな農産物か?」連載第35回「日本の農業技術は国際的に低レベル」については、「多くの作物について、日本は主要先進国の中で唯一、単位面積当たりの収量の伸びが30年間も止まったまま」という点についてデータを示すようにという声をたくさんいただきました。  このことについては、農業技術通信社社長の昆吉則氏が長年指摘し氏も改善・革新への努力・挑戦を訴えているところです。そのため、氏と交 […]

北海道の自然と農村(記事とは直接関係ありません)
「よい農産物」とはどんな農産物か?

農業そのものが最大の環境破壊産業である

農業生産と環境への負荷について、もう一つあまり知られていない環境問題に触れておきたい。日本ではほとんど話題にならないが、農業に関する最大の環境問題であり、筆者は地球温暖化よりもはるかに大きな問題になると考えている。 農業が土地から土壌を失わせる  実は、農業というものは、農薬や化学肥料などが与える問題よりもはるかに大きな環境問題をはらんでいる。「負荷を与えている」などというものではなく、「農業とい […]

遺伝子組換えトウモロコシ(左)と非組換えトウモロコシ(記事とは直接関係ありません)
「よい農産物」とはどんな農産物か?

農業生産と環境負荷/遺伝子組換え作物のメリットと安全性

次に、遺伝子組換え作物の問題について考えよう。遺伝子組換えというのは、生物の細胞からある性質を持つ遺伝子を取り出し、他の生物の細胞の遺伝子に導入して新しい性質をもたせることを言う。遺伝子組換え作物とは、その技術を用いた作物品種ということである。従来の交配・選抜による品種改良は生殖が可能な同士(つまり同じ種)でしかできなかったが、遺伝子組換え技術では、種を超えて形質を移転できるところが特徴だ。 除草 […]

試験圃場(記事とは直接関係ありません)
「よい農産物」とはどんな農産物か?

農業生産と環境負荷/ハイブリッド品種は罪か?

農業生産と環境への負荷について、次にハイブリッド品種(F1、一代雑種)について考えよう。最近、これの使用を問題視する論を目にするが、実際のところどうだろうか。 ハイブリッド品種とは何か?  まず最初に、ハイブリッド(F1)品種の問題と遺伝子組換え品種を混同されている方がときどきいるので、そこは注意していただきたい。ハイブリッド品種と遺伝子組換え品種というのは、分類の基準が違う、全く別な話題だ。   […]

水田の追肥作業(記事とは直接関係ありません)
「よい農産物」とはどんな農産物か?

農業生産と環境負荷/農薬・化学肥料が多い日本農業

農薬や化学肥料の使用量が日本では多いという指摘は少なくない。筆者もそう見ている。日本で農薬や化学肥料の使用量が多くなる理由はいくつかあるが、温帯モンスーン気候による影響は非常に大きい。 有機栽培推進よりも慣行栽培の高度化を  日本は非常に多雨な上に温暖である。これは、作物にとっては生育しやすい好条件と言えるが、同時に病害虫も非常に多くなり、さらに雑草も非常に繁茂しやすいという欠点でもある。これらに […]

糖度計(記事とは直接関係ありません)
「よい農産物」とはどんな農産物か?

栽培方法などの表示・宣伝に頼らず自分の舌で判断する

作物が健康に育つかどうか、そしてよいものが出来るかどうかは、個々の田畑の条件や、生産している人の管理の上手下手で決まる。有機栽培か慣行栽培か「○○農法」かによる違いよりも、どの田や畑で誰が作ったものかによる違いのほうがはるかに大きい。どの栽培方法を採っている場合でも、出来上がる作物の品質が安定して高い人とそうでない人がいるのである。 宣伝文句を鵜呑みにしない  消費者・需用者が求めるのは、「どの栽 […]

管理機の一つ(記事とは直接関係ありません)
「よい農産物」とはどんな農産物か?

万能の資材・万能の方法というものはない

前回、微生物資材を田畑に入れたからといって、必ず土壌が改善されるわけではないと指摘したが、これは微生物資材だけではなく、あらゆる農業関連資材について言えることだ。その土地、条件に合致するものであれば効果があるし、合致しなければ効果はない。 「これを使えば大丈夫」はない  微生物資材というのは、その効果の出方の違いがとりわけ顕著な部類のものと言える。土壌の条件によって、効果が出ることもあれば、全く効 […]

馬鈴薯の収穫(記事とは直接関係ありません)
「よい農産物」とはどんな農産物か?

農産物マーケティングで使われる言葉の意味を考える

農産物の表示・広告宣伝について、第22回では、安全、おいしさ、栄養に関するものについては考察した。それらとはまた違う種類の表示・広告宣伝について、筆者が疑問を感じているものについて説明する。 それは敢えて言うべきことなのか 「よいトマトは水に沈む」「よい野菜は腐らない」「微生物を使用するとよいものが出来る」――農産物の広告等でこうした表現を目にすることがあるだろう。農産物についての表現で「?」と感 […]