道沿いに軒を連ねる小規模店

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街レベルで交通を見ると、中国では大通りが直角的に交叉することが一般的で、これは日本も基本的に同様と言える。ただ、中国ではところどころに斜めの道路が入るケースがある。考えて設けているように感じる。街の形が四角ならば、将棋の“角”のように対角線で移動できるのは利点がありそうだ。ただし、本当の理由はわからない。

ずらりと並ぶ一国一城の主たち

軒を連ねる小規模店。複数区画にわたって間口の広い店もある。
軒を連ねる小規模店。複数区画にわたって間口の広い店もある。

 道沿いには小規模な個人営業の店舗がある。ある、というよりも、ズラッと軒をつらね、連続して存在する。こうしたタイプの店舗は、一つの街にある数は膨大なものになるだろう。場所により差異がありそうだが、標準的な大きさは間口4m×奥行き6m程度で、これが1区画である。1区画だけの店舗もあれば、2〜3区画にわたっている店舗も少なくない。なかには、4区画以上の広い店舗もある。

 入口の両脇に小型の獅子像を飾る店舗もある。小店舗とは言え、店主は一国一城の主である。将来を信じ、自信を持って営業しているに違いない。

 店舗の中身は各種料理店など食関連が多い。これらについては順次紹介するつもりだ。それ以外では、子供服や婦人服などの服飾関連が多い。さらに、おもちゃ、眼鏡、靴、電動バイク修理、電飾、水道工事、建具、子供塾、英会話、旅行、理髪、マッサージなど多種多様である。ほとんどは店番が一人で、閑散とした状態が一般的だ。それでも、流行っている店舗を見かけることも確かである。

 消費者はどうやってよい店舗を見つけるのだろう。中国ではほとんどの人がスマホを使っているから、ネット検索で発見している可能性が高い。日本では、ネットからわかる店舗の評判は“やらせ”があるため信用できないとする指摘がある。中国でも同様な背景はあるだろう。それでも、ネットの使い方は日本より進んでいるように思う。真贋を見極めるコツをつかんでいるに違いない。普段から実物の買い物で、鍛えている能力とも言えそうだ。

 なお、スマホは代金決済時にも欠かせないツールである。露店であっても、普通に使用されているのは驚きである。露店も、改めて紹介したい。

開業医は少数だが薬局は多い

 一方、広い区画の店舗では薬局が目立つ。その数はかなり多く、また、チェーンが大部分を占めているように思う。

 医療では、筆者が見たところ中国で個人の開業医は少数である。その代わり、自治体経営の大きな病院が目立つ。そして、大病院は受付から診察まで時間がかかるのが常である。大変だから、普段は薬局で済ますということがあるのかもしれない。

 筆者も薬局を使ったことがある。消炎鎮痛用の貼付薬が切れたので、中国の薬を求めたのだ。有名な薬が「タイガーバーム」であり、貼付薬の他に塗り薬もある。貼付薬はかなり高額だったと記憶する。日本の通常サイズの4倍だったので、切り分けて使用した。肩に貼ったが、香りがきつめでよく効いた。

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About 横山勉 99 Articles
横山技術士事務所 所長 よこやま・つとむ 元ヒゲタ醤油品質保証室長。2010年、横山技術士事務所(https://yokoyama-food-enngineer.jimdosite.com/)を開設し、独立。食品技術士センター会員・元副会長(http://jafpec.com/)。休刊中の日経BP社「FoodScience」に食品技術士Yとして執筆。ブログ「食品技術士Yちょいワク『食ノート』」を執筆中(https://ameblo.jp/yk206)。