外食市場規模7カ月連続拡大

ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査の2017年12月度調査結果では、外食市場規模が7カ月連続で前年超えとなった。業態別では、とくに「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」と「居酒屋」が好調だった。

2017年12月度の外食市場は前年比+129億円

 2017年12月の外食市場規模は、3圏域合計で4,213億円。前年同月比(以下、前年比)は+129億円と、7カ月連続して前年を上回った。

 3圏域合計の外食実施率が前年を下回ったものの、外食頻度が前年比+0.14回/月で、2014年1月(+0.18回/月)に次ぐ、前年比の算出がある2013年10月以降、史上2番目の上げ幅を記録した。また、単価も7カ月連続で前年を上回り、市場規模拡大の要因となった。2017年は前年よりも、外食実施率の高い日曜が1日多いカレンダーだったことも有利に働いた可能性がある。

 圏域別には、首都圏が好調で前年比で市場規模が+138億円。外食実施率は77.3%(前年比−0.8pt)と前年を下回ったが、外食頻度は4.72回/月(前年比+0.24回)、外食単価が3,005円(前年比+36円)と伸びて市場規模は大きなプラスとなった。

 関西圏は単価のダウンに引っ張られて前年比−5億円、東海圏は外食実施率がダウンして−4億円と、それぞれ市場規模が前年より縮小した。

2017年12月の外食実施率は77.8%

前月比増減+0.7pt、前年比増減−0.4pt。

2017年12月の外食頻度は4.46回/月

前月比増減+0.31回、前年比増減+0.14回。

2017年12月の外食単価は2,938円

前月比増減+407円、前年比増減+16円。

2017年12月の外食市場規模は4,213億円

前月比増減+863億円、前年比増減+129億円。

「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「居酒屋」などが好調

 業態別では、主要16業態中、10業態が前年比プラスで、とくに「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(前年比+32億円)、「居酒屋」(前年比+27億円)が市場規模の前年比増加額でトップ2業態となっている。

「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」は10カ月連続で市場規模が前年比プラス推移、「居酒屋」も2カ月連続で前年比プラスとなった。また、「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「居酒屋」の6業態では、延べ外食回数と単価の両方が前年比プラスであった。

前年比プラス業態

「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「居酒屋」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」

前年比±0の業態

「その他各国料理店」「ファストフード」

前年比マイナス業態

「アジアン料理店」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」

※ホットペッパーグルメ外食総研「外食市場調査」(2017年12月度)
https://www.hotpepper.jp/ggs/research/article/marketing/201712

ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査

 ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。

 この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。

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About 稲垣昌宏 56 Articles
ホットペッパーグルメ外食総研上席研究員 いながき・まさひろ 市場調査をメインに消費者動向から外食市場動向を分析・予測。また、観光に関する調査・研究、地域振興機関である「じゃらんリサーチセンター」研究員も兼務し、「食」と「観光」をテーマに各種委員会活動や講演などを行っている。肉より魚を好む、自称「魚食系男子」。