食の損得感情

不祥事前夜。批判されない危険

トヨタ自動車社長が米国議会下院の公聴会に出席する半日前、元ハーレーダビッドソンジャパン社長の奥井俊史氏にお会いしていた。奥井氏はトヨタ出身でトヨタのことをよく知っている人だ。その日は、今回の一件をどう見ているかという奥井氏から私への質問で話が始まった。
北海道よもやま話

日米の食洗機とGM、機能と文化の比較に想う

北海道の一農村に住むダイズ、コムギ生産者であっても、しっかりした農政のおかげで、冬期間には3週間ほど米国に行くことができる。そのようなことを25年ほど続けていると、やはり米国料理と日本料理の違いを肌で感じることができる。実は料理そのものの話ではなく、今回は器であるお皿と食に関する話をしたい。
食の損得感情

捕鯨を続けるナショナリズム以外の理由は何か?

トヨタ自動車のリコールについて、一部ではまたぞろ“アメリカの陰謀”とのささやきが湧いている。グローバル化した分野では、ビジネスの競合関係や種々の問題を国同士の敵対関係に置き換えて語られることが起こりやすい。しかも、陰謀論となると、舞台裏でどのような力が働いているかは見えない世界の話なので尾ひれが付きやすく、ブレーキはかかりにくい。
うねやま研究室

「環境ホルモン」問題はどうなった?BPAの評価を巡る世界の動向その2

2008年5月、「『環境ホルモン』問題はどうなった? ビスフェノールAの評価を巡る世界の動向『その1』」を書いてから、2年弱がたちました。この間、この「環境ホルモン」という言葉もほとんど聞かれなくなりましたが、実際にビスフェノールAの問題がどうなったのか、まとめてみます。
読み書きバイオ

市民の力って何だろう――ユーコープ事業連合の取り組み――

2009年は遺伝子組換え技術を用いた青いバラが、日本の商業栽培第1号となりましたが、日本で研究・開発されている遺伝子組換え作物が畑におろされる気配はありません。植物バイオの技術開発に多くの税金が投入され、使える技術があると聞こえてくるのに、成果が利用されない現状こそ「MOTTAINAI」と感じるこのごろです。生活協同組合連合会ユーコープ事業連合(神奈川県)が、リスクコミュニケーション委員会(前食品 […]
食の損得感情

〆アジがすたれたのはコールドチェーンのせいではなかろうという話

レストランを経営している友人に誘われて、すしを食べに行った。私はグルメではないので、高価な食事をすることなど年に何回もないのだけれど、「魯山人にもすしをにぎった80過ぎのSさんが現役で握ってくれる店。1万円程度でお願いしますって言ってあるから」と誘ってくれたので、同道することにした。贅沢な食事は不得手ながら、人生のベテランの話を聞くのは大好きだからだ。
うねやま研究室

豆乳の憂鬱~BPAと類似の評価結果なるもメディアの扱いがまるで違う

2009年12月16―18日、米国国家毒性プログラム(NTP)のヒト生殖リスク評価センター(CERHR)の豆乳ベースの乳児用ミルクの評価専門委員会が会合を行い、豆乳に含まれるイソフラボンが発育に悪影響があるかどうかについての評価を行いました。これは06年に開始されたプログラムで、今回初めて最終段階に差し掛かっています。この段階での結論は、豆乳ベースの乳児用ミルクの有害健康影響については、12人中1 […]
北海道よもやま話

4πr2が示唆する日本国産ダイズの将来

4πr2(よんぱいあーる2じょう)――この方程式に何度、悩まされたことか。たぶん皆さんも一度は覚えたことがある方程式ではないだろうか。この方程式は、ダイズの規格を大きく左右する“汚れ”について、ある一定の説明をしてくれる。今回は、日米のダイズの規格の違いを考えることによって、日本のダイズの将来を展望してみたい。
Maryanskiのバイテクと食品安全考

開発途上国はバイテク作物の安全性評価をどう成し遂げるのか?/How Can Developing Countries Accomplish Food Safety Assessments for Biotech Crops?

食料安全保障は広く認められた21世紀の課題の一つである。国連食糧農業機関(FAO)は現代バイオテクノロジーを、農業生産を向上させる重要な手段の一つと位置付けている。しかし、多くの国々が現代バイオテクノロジーの受け入れに悪戦苦闘している。バイオテクノロジーを巡る絶え間ない社会政治的な議論はさておき、現行の指針の下での食品安全性評価は、多くの開発途上国にとって技術的に困難であるか、全く力の及ばないもの […]
整備場の日航機。社員が「高い士気を維持」はいいが、“高いプライド”のありかはいったん疑ってみてはどうか
食の損得感情

プライドは“やり方”ではなく“やること”に

私の郷里と東京をつなぐ定期便は長らく全日空だけだったので、初めて日航機に乗ったのは就職してからだった。20年ほど前、金沢に出張したときだったと記憶している。飛んだと思えばもう降りるという距離だ。その客室に金モールの制服をまとった男性が現れたときには、ちょっと驚いた。何か不測の事態でもあって、パイロットが出て来たのかと思ったのだ。
食の損得感情

問答無用のドーピング禁止規定

今年は冬季オリンピックがある。これに関することをあれこれ読んでいたら、スキーウエアにも競技によって禁止される素材や形状があるということが分かった。以前、競泳で新しい素材や形状の水着について話題になったことと同様の動きや議論があるらしい。