米国でもパン粉付き食品汚染

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.15(2015.07.22)を発表した。

注目記事

【USDA FSIS / US CDC】米国でもパン粉付き冷凍食品でサルモネラ汚染

 ミネソタ州保健局(MDH)および農業局(MDA)は、米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)および米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)と協力し、詰め物をした生の鶏肉にパン粉を付け、軽く焦げ目をつけた(pre-browned)冷凍製品に関連して発生している2件のサルモネラ(Salmonella Enteritidis)感染アウトブレイクを調査している。

 米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS: Department of Agriculture, Food Safety and Inspection Service)は、 Aspen Foods社(Koch Poultry社の一部門、イリノイ州シカゴ市)が、サルモネラ(Salmonella Enteritidis)汚染の可能性により約1,978,680ポンド(約897.5トン)の詰め物入り・パン粉付きの冷凍生鶏肉製品を回収していると発表した。

 生の冷凍鶏肉は、冷凍の食品・肉料理・前菜などに含まれるものを含め、食中毒防止のため生の生鮮鶏肉と同様に取り扱う必要がある。

  1. 外箱の表記を注意深く読む
  2. 記載されている調理方法に正確に従う
  3. 食品(内部)温度計を使用して加熱温度が十分か確認する(鶏肉の場合74℃以上)
  4. 生の鶏肉製品が触れた調理器具や調理台の表面はよく消毒する
  5. 生の鶏肉製品を取り扱った後は石けんと水を使用して手指を洗う

【US CDC】生マグロのサルモネラ感染

 米国疾病予防管理センター(US CDC)によると、米国で冷凍の生のマグロに関連して複数州にわたりサルモネラ(Salmonella Paratyphi B var. L(+)tartrate(+))感染アウトブレイクが発生している。

 疫学調査および検査機関での検査の結果は、冷凍の生のマグロが感染源である可能性が高いことを示している。患者に対し、発症前1週間の食品喫食歴およびその他の曝露歴に関する聞き取り調査が実施された。情報が得られた患者46人のうち43人(93%)が発症前1週間以内の寿司の喫食を報告した。

【EFSA】エビデンスを選択・使用する際の基本原則

 欧州食品安全機関(EFSA: European Food Safety Authority)は、科学的評価においてデータやエビデンスを使用する際にEFSAがとるべき方法をさらに改善し、また、EFSAがいかにして科学的成果を挙げるかという問題に新たな見解を加えるために新しい科学報告書を発表した。

 本報告書は、科学的評価のためにエビデンスを選択・使用する際のEFSAの基本原則として、不偏性、卓越性(方法論的に)、透明性、公開性および応答性(目的適合性)を強調している。報告書はまた、これらの基本原則を守るために必要な手順について詳細に記載している。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(微生物)No.15(2015.07.22)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2015/foodinfo201515m.pdf

今号の目次

【米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)】
1. サルモネラ汚染の可能性によりAspen Foods社が詰め物入り・パン粉付きの冷凍生鶏肉製品を回収

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 詰め物入り冷凍生鶏肉製品に関連して発生している2件のサルモネラ(Salmonella Enteritidis)感染アウトブレイク(7月8日付初発情報、7月14日付更新情報)
2. 米国で冷凍の生のマグロに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Paratyphi B var. L(+)tartrate(+))感染アウトブレイク(2015年7月15日付更新情報)

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:パン粉付き冷凍生鶏肉製品に関連したサルモネラ感染アウトブレイク(2015年7月16日付更新情報)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. 欧州疾病予防管理センター(ECDC)の2014年次報告書

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. エビデンスの選択と使用における原則と手順:欧州食品安全機関(EFSA)がその厳密性と一貫性を強化

【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 鳥インフルエンザと食品に関するアドバイス