抗菌剤販売量減るも耐性率上昇

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.02(2020.01.22)を発表した。

注目記事

【フィンランド】抗菌剤耐性菌対策にはさらなる取り組みが必要

 フィンランド食品局(FFA: Finnish Food Authority)、フィンランド医薬品庁(FIMEA:Finnish Medicines Agency)およびヘルシンキ大学が共同で、フィンランドにおける動物用抗菌剤の使用量および動物由来分離株の抗菌剤耐性モニタリングの結果について報告書「FINRES-Vet 2018」を発表した。

 それによると、フィンランドにおける食料生産動物用の抗菌剤の販売量は近年減少している。動物のみまたは動物・ヒトの両方に病原性を示す細菌の抗菌剤耐性率は比較的良好な状況が続いているが、その一方で、一部の抗菌剤耐性率の上昇もまた観察されている。

【米国】生鮮パパイヤ関連のサルモネラ

 米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)、複数州の公衆衛生・食品規制当局および米国食品医薬品局(US FDA)は、Agroson’s社により供給されたCaviブランドの丸ごとの生鮮パパイヤに関連して複数州にわたり発生したサルモネラ(Salmonella Uganda)感染アウトブレイクを調査した。

 患者の発症日は2019年1月14日〜7月16日であった。患者の大多数が2019年4月以降に発症した。

 FDAおよび複数州の食品規制当局は、患者がパパイヤを購入した食料品店舗からパパイヤに関する記録類を収集した。これらの記録類は、Agroson’s社(ニューヨーク州ニューヨーク市Bronx)により供給されたCaviブランドのパパイヤが、患者がパパイヤを購入した複数の食料品店舗で販売されたことを示した。

 2019年9月12日時点で、本アウトブレイクは終息したと考えられる。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.02(2020.01.22)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2020/foodinfo202002m.pdf

今号の目次

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. ペット店の子犬との接触に関連して発生している多剤耐性カンピロバクター(Campylobacter jejuni)感染アウトブレイク(初発情報)
2. Caviブランドの丸ごとの生鮮パパイヤに関連して発生したサルモネラ(Salmonella Uganda)感染アウトブレイク(最終更新)

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)、欧州食品安全機関(EFSA)】
1. 欧州連合(EU)域内の人獣共通感染症に関してOne Healthの観点からの報告書(2018年)

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 疾患アウトブレイクを説明するための病原体の遺伝物質の比較解析

【オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)】
1. 欧州連合サルモネラリファレンス検査機関(EURL-Salmonella)主催の第24回年次ワークショップ(2019年5月28〜29日、オランダAmersfoort)

【フィンランド食品局(FFA)】
1. 食料生産動物への抗菌剤使用量は減少しているが抗菌剤耐性菌対策にはさらなる取り組みが必要