スプラウト生食にリスクあり

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.02(2019.01.23)を発表した。

注目記事

【米国】生のスプラウトに関連のサルモネラ

 米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)、複数州の公衆衛生・食品規制当局および米国食品医薬品局(US FDA)は、複数州にわたり発生したサルモネラ(Salmonella Montevideo)感染アウトブレイクを調査した。

 患者の発症日は2017年12月20日~2018年1月28日であった。患者の年齢範囲は26~56歳、年齢中央値は42歳で、全員が女性であった。入院患者および死亡者はいずれも報告されなかった。

 疫学的エビデンスは、生のスプラウトが本アウトブレイクの感染源である可能性が高いことを示した。患者に対し、発症前1週間の食品喫食歴およびその他の曝露歴に関する聞き取り調査が行われた。その結果、患者10人のうち8人(80%)がレストランチェーンJimmy John’sの複数の店舗のうちのいずれかで食事をしたことを報告した。この8人全員がイリノイ州またはウィスコンシン州の当該レストランの店舗で生のスプラウトを含むサンドイッチを喫食していた。

 提供または販売される場所に関係なく、生および軽く加熱しただけのスプラウトは、食品由来疾患およびアウトブレイクの感染源になることが知られている。スプラウトを喫食する場合は、罹患リスクを低減させるため完全に火を通すべきである。

【カナダ】生の七面鳥肉および生の鶏肉に関連のサルモネラ

 カナダ公衆衛生局(PHAC: Public Health Agency of Canada)は、複数州の公衆衛生当局、カナダ食品検査庁(CFIA)およびカナダ保健省(Health Canada)と協力し、サルモネラ(Salmonella Reading)感染アウトブレイクを調査している。

 現在までの調査結果にもとづき、可能性が高い感染源として生の七面鳥肉および生の鶏肉製品への曝露が特定されている。患者の多くが、発症前に様々な種類の七面鳥肉・鶏肉製品を喫食したことを報告した。本アウトブレイクは継続していると考えられる。

 2018年12月21日までに、本アウトブレイクに関連して計22人のS. Reading感染確定患者が報告されている。患者の発症日は2017年4月~2018年11月中旬で、5人が入院し、1人が死亡した。患者の年齢範囲は0~93歳で、患者の64%が女性である。

【ドイツ】食品中のウイルスおよび抗菌剤耐性菌

 ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR: Bundesinstitut für Risikobewertung)は、「食品関連のウイルス」(2018年11月7日)および「フードチェーンにおける抗菌剤耐性菌」(11月8~9日)に関する2件のシンポジウムを主催した。

食品関連のウイルス

 ウイルスによる食品由来疾患患者数の増加が続いている。このような疾患の例としてはE型肝炎が挙げられ、ウイルスに感染した飼育ブタおよび野生ブタから製造された食品を介して伝播する。食品由来のノロウイルスおよびA型肝炎ウイルスの患者数も増加している。このようなウイルスの重要性の増加に対応するため、食品由来ウイルスに関する欧州リファレンス検査機関が設立された。食品中のウイルスの検出方法については近年大幅に進歩しているが、これらのウイルスの感染経路およびその伝播の防止策についてはさらなる包括的な研究が必要である。

フードチェーンにおける抗菌剤耐性菌

 近年、ドイツでは畜産における抗生物質の使用量が激減している。獣医師に販売された抗菌性動物用医薬品の量が2011年から記録されている。抗菌性動物用医薬品の販売量は2011年には1,706tであったが、2017年には食肉生産量が増加したにもかかわらず約733tと57%減少した。また、BfRのVetCAb(獣医学分野での抗生物質の使用)調査プログラムによると、ドイツ国内で家畜の治療に抗生物質を使用する頻度が低下している。

 同期間に、フードチェーンにおいて複数種類の細菌に抗菌剤耐性率の低下が見られる。鶏肉および七面鳥肉生産に関連した大腸菌汚染について2009~2016年に行われた調査で、試験を行った抗生物質の大部分に対し、これらの大腸菌の耐性率は顕著に低下した。とくに、家畜に対して高頻度にまたは大量に投与される抗菌剤については、使用量および大腸菌の耐性率のいずれにも低下傾向がみられる。

 しかし、この調査によると鶏肉および七面鳥肉の生産チェーンにおいて耐性率はまだ高く、このことは、ヒトでの耐性菌および耐性遺伝子の由来としてこれらの家禽肉が非常に重要であることを意味している。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.02(2019.01.23)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2019/foodinfo201902m.pdf

今号の目次

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 生のスプラウトに関連して複数州にわたり発生したサルモネラ(Salmonella Montevideo)感染アウトブレイク(最終更新)

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:生の七面鳥肉および生の鶏肉に関連して発生しているサルモネラ感染アウトブレイク(2019年1月8日付更新情報、2018年12月21日付初発情報)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. アウトブレイクの探知および疫学報告書の作成に役立つ公衆衛生専門家向けの新しいツール

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. 欧州連合(EU)域内の人獣共通感染症、その病原体および食品由来アウトブレイクの傾向と感染源に関する年次要約報告書(2017年)

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 食品中のウイルスおよび抗菌剤耐性菌

【デンマーク国立血清学研究所(SSI)】
1. 2017年にレジオネラ症患者数が増加

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報2019(2)(1)