食品安全情報(化学物質)No.14(2011.07.13)

国立医薬品食品衛生研究所が月2回発表している「食品安全情報」(化学物質)は、食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報を提供している。本欄では、実際にその情報収集・執筆を担当している研究官に、FoodWatchJapan読者へのおすすめの記事を紹介してもらう。No.14(2011.07.13)で注目の話題は、アルミニウムの暫定耐容週間摂取量、化学物質を混合状態で摂取した場合の毒性、「一般機能」の健康強調表示の妥当性、スマホでの情報発信、などだ。

注目記事

【FAO/WHO】JECFA 74回会合 要約と結論
 アルミニウムの暫定耐容週間摂取量(PTWI)が2mg/kg体重/週へ変更された。他に、青酸配糖体の急性参照量(ARfD)や暫定最大耐容一日摂取量(PMTDI)が設定されている。

【EC】化学物質混合物の毒性及び評価に関する予備的意見について意見募集
 化学物質を混合状態で摂取した場合の毒性について、ECのいくつかの科学委員会が共同で予備的意見を発表した。以前から、化学物質を混合したときに毒性はどうなるのかについて様々な議論が交わされてきたが、今回まとまった意見が出された。今後、募集した意見をもとに最終的な意見が公表される予定である。

【EFSA】「一般機能」強調表示の5番目の一連の評価を発表
 新たに536件の申請についての評価結果が公表された。これは、EFSAが、申請された内容について「一般機能」の健康強調表示が妥当かどうか科学的根拠をもとに評価した結果である。申請の大部分は必要データの不足や科学的な根拠がないとの理由で否定的な評価結果を出している。今回は健康強調表示の評価プロジェクトの一環で、今月中に残りの35件についての評価結果が公表される予定である。

【KFDA】食品の基準・規格をモバイルで解決
 韓国の食品医薬品安全庁(KFDA)は、スマートフォンの使用者が急増しているということで、食品の基準及び規格を誰もが簡単に探せるスマートフォン用アプリを開発して普及すると発表した。
 時代の流れとともに、情報の伝え方も色々と検討しなければいけないのかなと考えさせられたという意味で個人的に注目した記事。

食品安全情報へのリンク

「食品安全情報」
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(化学物質)No.14 (2011.07.13)

http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2011/foodinfo201114c.pdf

食品安全情報(化学物質)No.14 (2011)別添
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2011/foodinfo201114ca.pdf

今号の目次

【FAO】
1.JECFA 74回会合 要約と結論

【EC】
1.化学物質混合物の毒性及び評価に関する予備的意見について意見募集
2.食品獣医局(FVO)視察報告書:インド アフラトキシン汚染 スパイス
3.GMOについてのルール:管理のハーモナイゼーション
4.食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. EFSAは「一般機能」強調表示の5番目の一連の評価を発表
2.「虫歯予防」ジュース飲料についての声明
3.物理化学的データ、定量的構造活性相関(QSAR)および毒性学的懸念閾値評価からの読みとりの適用可能性
4.EFSAの食品と飼料の安全性危機準備と対応についての年次報告書2010
5.EFSAはアスパルテームに関するデータ要請の結果オリジナル研究のデータを入手
6.エディトリアル:農薬についての結論
7.アルファアミラーゼ遺伝子を組換えたBacillus licheniformis 及びAspergillus nigerの試験的記述の評価
8.EFSAはまるごとの食品及び飼料の90日間混餌投与試験ガイドラインにパブリックコメント募集
9.飼料添加物に関する科学的意見等
10.香料グループ評価

【FSA】
1.FSAは土を食べることについて警告

【DEFRA】
1.600万ポンドの動物用医薬品の密輸で13人が有罪判決

【MHRA】
1.ハーブ安全性警告
2.消費者に対し勃起不全用に販売されているAfrica Black Ant、Rock Hard Weekend、PandoraおよびThe Bestを使用しないよう警告
3.MHRAは危険な「ハーブ」治療薬に警告

【RIVM】
1.エンドスルファン:世界での使用の段階的禁止に反対する主張の精査

【ANSES】
1.食事からの化学物質暴露:ANSESは第2回フランス人トータルダイエットスタディの結果を発表

【FSAI】
1.94%の予防的食物アレルゲン表示は信頼できない

【EVIRA】
1.ヒ素分析の新しい可能性

【FDA】
1.ニューヨークのダイエタリーサプリメント会社が同意判決
2.FDAは密輸対策戦略と新しい食品成分についてのガイドライン案を発表

【EPA】
1.EPAは侵襲的カメムシコントロールのために2つの殺虫剤を認可

【CDC】
1.高ナトリウム、低カリウム食が死亡リスクと関連

【USDA】
1.USDAは遺伝子組換え大豆の環境評価案にパブリックコメントを募集
2.USDAは昆虫耐性遺伝子組換え大豆の環境評価案にパブリックコメントを募集
3.USDAは遺伝子組換えトウモロコシ種子の規制解除を決定
4.USDAは昆虫及び除草剤耐性遺伝子組換え綿の環境評価案にパブリックコメントを募集

【NIH】
1.スクープ:消費者向けニュースレター

【Health Canada】
1.Deltaと Surreyの販売店から回収された”Man Up Now”はカナダ人の健康に重大なリスクとなる可能性がある
2.さらに14の未承認健康製品検査:重大な健康リスクになる可能性

【CFIA】
1.決定文書:モンサントカナダの大豆(Glycine max (L.) Merr.) Event MON 87701の安全性について
2.国際協定によりカナダの消費者にオーガニック食品の選択肢が増加
3.Syngenta Seeds Canada社からのEvent 5307トウモロコシの新規食品、家畜飼料、環境放出認可申請の通知

【FSANZ】
1.企業向け食品基準サービス
2.食品基準通知
3.食品基準改定No.124 (FSC 66)

【APVMA】
1.オーストラリアのレギュラトリーサイエンスは他国のそれとどう比較されるのか
2.APVMAのエンドスルファン規制は遅かったのか?
3.レビューの知見にもとづきアジンホスメチルの使用法表示更新
4.表示改訂についての意見募集開始

【TGA】
1.安全性助言 清脂3天

【香港政府ニュース】
1.12食品が安全性検査に不合格
2.台湾産お菓子リコール
3.99%の食品は表示計画に準拠

【KFDA】
1.日本原子力発電所関連食品医薬品安全庁対応及び管理動向 [11]
2.グリーンフードゾーン子供食生活安全管理改善推進
3.食品の基準・規格をモバイルで解決
4.夏期食中毒予防のためのユッケの特別収去検査を実施

【AVA】
1.フタル酸汚染のため輸入停止やリコールされた製品のリスト

登田美桜
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国立医薬品食品衛生研究所安全情報部第三室主任研究官 とだ・みおう 農学博士。国立医薬品食品衛生研究所は、医薬品、食品、その他生活環境中に存在する物質について、品質、安全性、有効性を評価するための試験、研究、調査を行う機関。 安全情報部の「食品安全情報」は、食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報を伝える。