運転代行は中国式がおすすめ

どの国であっても飲酒運転は禁止されており、罰則がある。ただし、国民性や飲酒の捉え方により、飲酒運転の頻度や罰則には差異がある。

 車で出掛けて、出先で飲んだ場合、運転代行を利用したいが、その形態も各国で多様である。

日本の運転代行

 2020年も12月である。コロナ禍による大混乱の一年だった。例年であれば、忘年会で盛り上がるに違いない。都会であれば、公共交通機関が充実しているため、飲酒後の帰宅は問題ない。万一、終電を逃しても、タクシーをつかまえるのは容易であり、鉄道始発までカラオケボックスなどで過ごすことも可能だ。

 一方、地方都市の場合は勤務に自家用車を使うことが少なくない。ただし、飲酒運転は法律違反であるだけでなく死傷事故の危険は大きい。しかも、事故を起こした場合、厳しい罰則がある上に保険は無効である。懲戒解雇になる可能性も高い。運転代行が地方都市を中心に発展してきたゆえんである。

 日本の場合、運転代行は運転手2人1組で対応することが普通である。指定場所まで1台の車(随伴車)で移動し、指定地で1人の運転手が依頼者の車に移り、目的地まで運転する。随伴車はその後に続く。帰宅して依頼者の車を車庫に戻したら、運転手は随伴車に移って営業所まで戻る。

 料金はまちまちだが、東京の例を示す。基本料金が2,300円(税込、以下同)で、10kmで6,300円、20kmで10,300円である。地方の例として、沖縄の状況を見てみよう。多くの運転代行業者が存在し、料金も安価である。那覇市では4km以下が1,000円、その後200円/kmの追加になる。

中国式運転代行

日本の運転代行は2人1組で自動車で駆けつけるが、中国の運転代行は1人で、電動バイクで駆けつける。
日本の運転代行は2人1組で自動車で駆けつけるが、中国の運転代行は1人で、電動バイクで駆けつける。

 さて、中国の人々は飲酒運転の罪悪感が乏しいようである。飲酒運転による事故が後を絶たないのだ。罰則が軽すぎるという指摘があり、2011年に強化されている。その効果があったことは確かだが、まだまだ世界レベルに比べて高頻度と言えそうである。更なる罰則強化が議論されている。

 数人程度の飲食の場合、酒を飲まない人がいれば、その人に送迎を頼むことができる。これが難しい場合、運転代行を利用すればよい。中国のシステムは日本と異なり、極めて効率的で安価である。ただし、利用には一つだけ条件がある、後部トランクを空けておかねばならない。

 運転代行者は小型の電動バイクでやって来る。電動バイクは折りたためるため、後部トランクに収納できる。目的地に着いたら、移動距離を確認する。料金をスマホで精算すれば、業務完了である。運転代行者はトランクからバイクを取り出して営業所に戻る。

 一般的な料金はその地域におけるタクシーの2倍とされるが、そもそも中国のタクシー料金は極めて安価である。北京は初乗り15.35元/km(約230円)+2.35元/km(約35円)である。上海は少し高価だが、初乗り17元/km(約255円)+3元/km(約45円)である。

 中国式運転代行は、財布の心配をすることなく、安心して酔うことができる。日本も冬の雪国でなければ中国式を導入できればよいと思う。現行システムに比べはるかに低料金で対応できる。公道を走行可能な折りたたみの電動バイクは日本でも販売されている。

About 横山勉 90 Articles
横山技術士事務所 所長 よこやま・つとむ 元ヒゲタ醤油品質保証室長。2010年、横山技術士事務所(https://yokoyama-food-enngineer.jimdosite.com/)を開設し、独立。食品技術士センター会員・元副会長(http://jafpec.com/)。休刊中の日経BP社「FoodScience」に食品技術士Yとして執筆。ブログ「食品技術士Yちょいワク『食ノート』」を執筆中(https://ameblo.jp/yk206)。