至福なるガッツリ洋食「キッチン Oh! Way」(東京・池袋)の牛スジシチューかけハンバーグステーキ

「キッチン Oh! Way」(東京・池袋)
「キッチン Oh! Way」(東京・池袋)
「キッチン Oh! Way」(東京・池袋)
「キッチン Oh! Way」(東京・池袋)

ちょっと仕事で慌ただしくなっていて、会社に泊まり込むことが多くなり、自転車通勤もちょっとおあずけ。こういう時期もある、ということで。そうなると、満腹になってやる気が失せないように、意図的に食事を最低限のものにするようになる。でも、ちょっと体力的にも、気持ち的にも、疲れがピークで折れそうになったときに……ガッツリしたものでエネルギーをしたくなった。

ガッツリ食べたい

 こういうときに思いつくのが、ズバリ、洋食!

 それもガッツリした上で、美味なる豪華なハンバーグが頭をぐるぐるして……。

 漫画の世界では、牛次郎&ビッグ錠コンビの永遠の名作「包丁人味平」のスタートが洋食っぽいそういうレストランだったし、寺沢大介先生のこれまた傑作「ミスター味っ子」の食堂だってそういうところがある。「洋食」って、もはや日本の国民食というか、日常食に近い、なくてはならないものであるかもしれない。

 こんなときに思いつく店は数店あるけれど、交通の便や、出てくる早さ、そして味!……と頭の中で思い切りシミュレーションして出てきたのが、池袋の「キッチンOh! Way」さんだった。

 こちらのお店は池袋の六ツ又交差点の近くにあって、この一円のおいしいもの好きな面々から秘かに愛されている名店。とくにハンバーグが素晴らしいのである。

 今回は、ガツッと元気も注入したいこともあって、超贅沢に、こちらの“ゴールデン・メニュー”とも言うべきものを重ねていった――つまり、看板メニューの「牛スジシチューかけハンバーグステーキ」(1300円)に、なんと、エビフライをトッピングし、シーザーサラダを添えて、ポタージュスープまで付けたのだった!

喜ばしい……

商品
牛スジシチューかけハンバーグステーキにエビフライにシーザーサラダにポタージュに、どうする!

 注文してほどなく、その心から喜ばしい皿が運ばれてきた。

 こちらは、ただでさえしっかりした自家製のハンバーグを出してくれる。それが牛すじシチューをソース代わりにかけるなんて……もう、喜ばしいこと、この上ないのである。

 見よ! すべてのオーダーが並んだこの雄姿。

「池袋に近い洋食屋」と言うと(語弊があるかもしれませんが)、学生街によくある「味も見てくれもまあそのなんですがボリュームはど~ん!」みたいな店かと思っちゃう向きもあるかしれない。だが、こちらのお店は根本的に違うのだ。

 まず、店内の設えが、オーナーシェフである大上敏郎さん(49)のこだわりが随所に見られる。カトラリーを入れる容器も独特で気が利いていて……。ご本人は「うちはどこにでもある街の洋食屋だから……」などと謙遜するが、料理も店舗も、相当のこだわりをもっていらっしゃるとお見受けしている。7年前に脱サラをして始めたとのことで、こちらの店名「Oh! Way」は名前の大上(おおうえ)から名付けたとのことである。

  • 客席
    ナチュラルなイメージの客席
  • カトラリー
    こだわりを感じさせる演出のカトラリー

カリカリ、ジュワ、ブリブリ

 さて、実際の料理に話を移したい。

 こちらは看板メニューのハンバーグがとにかく素晴らしい。

 外はカリカリ、とてもクリスピーなのに、中を割ると、ほどよく肉汁が溢れてくるが、しっかり火が通っている。あまり内側がレアなハンバーグは好きではないので、この焼き加減は大好きなのだ。使っているお肉もいいのだろう。ハンバーグの肉の焼けている匂いがたまらなく食欲をそそる。

 このステキなハンバーグにソース代わりにかかっているのが、ずっと煮込みに煮込まれてトロトロになった「牛スジシチュー」。デミグラスソースが絡まって一口なめるだけでうっとりする。

 ここはフォークとナイフではなく、洋食屋さんぽくはしでいってみた。またこれが大正解!

 シチューとハンバーグが、すばらしく合う! その上からクリームがかかっているところも大好きで、外見がまた実に豪華に見えるのだからたまらない。

 通常メニューとしてある「海老フライと目玉焼きのせハンバーグステーキ」(1700円)の目玉焼きの代わりに牛すじ肉シチューを組み合わせてもらったのだが、これが大正解だった。

 それだけでも食欲爆発なのに、ここにあるエビフライがまた、サイコーで。

 ファミリーレストランなどでよくある申し訳程度に添えられているエビフライ(個人の印象です)ではなく、一本一本が、しっかり存在を主張している、文字通りブリブリのエビがカリカリの衣によろしく鎮座ましましている。これを、ガブリ! とやるのだが、まぁ、たまらないこと。コロモのサクサクとエビの身のブリブリが口の中で踊るのだ。

  • 海老フライと目玉焼きのせハンバーグステーキ
    「海老フライと目玉焼きのせハンバーグステーキ」(1700円)の目玉焼きを牛スジシチューに替えてもらった
  • はしで食べるのが正解
    はしで食べるのが正解。シチューとハンバーグがからんで、クリームがかかった見た目もまた喜ばしいこと

脇役なしのオールスター

  • シーザーサラダ
    プラス300円で付けられるシーザーサラダ
  • ポタージュスープ
    同ポタージュスープ
  • 付け合わせ
    付け合わせにも大満足

 そうそう、シーザーサラダも忘れちゃならない。これも「セットだからこれくらいね」なんていう程度じゃなく量もたっぷり。レタスはシャキシャキ。とてもしっかり作られたサラダ。「プラス300円で」という値段が信じられないほど食べごたえがあるサラダなのだ。

 その上、ポタージュスープ(これもプラス300円)がまたよくて……。コーン主体のものだけれど、ドロドロしすぎず、さっぱりしながら、それでいてコクがあって。クルトンとして浮いてるスナックの食感もよくて気が利いていて、このスープからして、「おぬし、やるな」っと思わせてくれる一品なのだ。

 そうやって、サラダ→ポタージュ→エビフライ→ハンバーグと幸せのうちに食べていくと、ふと気づくことになる。ハンバーグの付け合せが、実に立派なことに。

 ポテト、ニンジン、トマト。すべてがきちんと仕事をされていながら、ゴロン、ゴロン、と存在感たっぷりに添えられている。これがまたいいのだ。野菜本来の味をしっかり残していながら、ちゃんとグリルされていて。ほうばるだけで、その仕事の確かさに、「うん、うん」とつい、うなずいてしまう。それだけ、すごい洋食屋さんなのだ。

 また、シチューのデミグラとハンバーグの絶妙な味は、ご飯を進めてしまって仕方ない。ハンバーグ→ご飯→ハンバーグ→ご飯→エビフライ→ご飯→ハンバーグ→ご飯→エビフライにちょっとデミグラソースつけて、ご飯→……ってもう、最高の至福。案の定と言うか、ご飯が足りなくなっておかわりをしてしまったほどだ。

まだまだなんて、そんな

 このぐらいのボリュームと味と工夫の洋食屋さんは、銀座あたりにあって、けっこうなお値段を取ったりするものだ、と思う。それが、池袋で、味とボリュームを考えるとそれでも十分安い価格で、こうして堪能できるのは……はっきりいってとても貴重なお店だと思う。

 夢中になって、食べ終わると、頭も身体もものすごくエネルギーに満ちている。それだけ味もボリュームも居心地のいいお店なのである。

 大上さんは「本当にまだまだ。とにかく地道に、しっかり、小さくやっていくしかないから」とおっしゃるが、これからも、知る人ぞ知る名店として、我々のお腹と気持ちを満たしてほしい、と切に思う。


●「キッチン Oh! Way」

東京都豊島区東池袋2-57-2 コスモス東池袋1F
Tel.03-5951-3665
営業時間:
11:30~14:30(L.O.)、18:00~21:00(L.O.)
定休日:日曜日

About 上荻吾朗 40 Articles
編集者 かみおぎ・ごろう 1964年生まれ。北海道出身。週刊誌記者、漫画編集者を経て、WEB製作会社で勤務。震災後、通勤困難を経験して、メタボ対策のためにも、自転車通勤をするようになる。おいしいものを食べることが何より好きな健康チューネン。いかにも飲めそうなヒゲ面のくせに下戸。