食品安全情報(化学物質)No.26(2011.12.26)

国立医薬品食品衛生研究所が月2回発表している「食品安全情報」(化学物質)。ECの科学委員会は、リスク評価者とリスク管理者の対話、リスク評価でのコスト考慮が必要と指摘している。オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)は、妊婦や授乳中の女性のヨウ素過剰摂取に注意を喚起している。韓国食品医薬品安全庁(KFDA)の調査によれば、日本人の摂取量が多い重金属はカドミウムと総ヒ素。

注目記事

【EC】リスク管理者にとっての必要性の観点からのリスク評価改善に関する予備的意見に対し、パブリックコメントを募集

 ECの科学委員会(食品以外)が行っている「リスク評価」が、リスク管理者にとって有用なものになっているかの評価が行われた。リスク評価に必要なのは、「政策の妥当性についての評価」「リスク管理の様々な選択肢についての評価」「リスク管理者との対話」「コスト/ベネフィット分析」「リスク評価に用いた仮説や不確実性の明確化」等であると指摘している。

※ポイント:この評価は食品以外の科学委員会を対象にしたものだが、食品の場合でも「リスク評価者」と「リスク管理者」との関係については同様のことが言える。リスク分析での「独立的立場で」というのは、専門分野の違いから役割を分担するということで、対話をしないようにするということではない。この評価で強調しているのは、「リスク管理者」がよりよい政策を選択するためには、「リスク評価者」と多く対話することが必要だということである。また、リスク評価ではコストも考慮すべきで、経済専門家の意見が必要なことも強調している。

【FSA】印刷用インクとミネラルオイルの調査結果

 英国食品基準庁(FSA)が、印刷されたカートン用板紙から食品に移行する印刷用インク成分についての調査結果を発表した。

【FSANZ】食品サーベイランスニュース-2011年春号
(海藻と海藻製品のヨウ素濃度調査)

 オーストラリアで販売されていたコンブ添加豆乳(Bonsoy豆乳)の摂取により生じた甲状腺機能障害(原因はヨウ素の過剰摂取)の報告を受けて、国内で販売された海藻と海藻製品のヨウ素濃度調査が行われた。オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)は、消費者、とくに妊婦や授乳中の女性は、ヨウ素の含有量が多い褐藻を過剰に摂取しないよう助言している。

※ポイント:普段食べている食品でも、偏って過剰に摂取すれば健康影響が出ることに注意を呼びかけている。自分も反省しなければならないが、「いろいろなものを、バランスよく」が食事の基本で、その方がリスクも分散する。

【KFDA】食品の重金属の実態調査および危害評価結果

 韓国食品医薬品安全庁(KFDA)は、2000~2009年に実施した食品中の重金属実態調査およびリスク評価の結果を発表した。

※ポイント:韓国の重金属摂取量を他の国と比較している。日本も比較対象に入れており、日本が他の国よりも摂取量が多いのはカドミウムと総ヒ素だということがよくわかる。

食品安全情報へのリンク

「食品安全情報」
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(化学物質)No.26(2011.12.26)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2011/foodinfo201126c.pdf

今号の目次

【EC】
1. リスク管理者にとっての必要性の観点からのリスク評価の改善に関する予備的意見に対しパブリックコメントを募集
2. 食品および飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EUROPOL】
1. 国際刑事警察機構-欧州警察組織による作戦で何tもの違法食品が欧州各地で押収された

【EFSA】
1. 食品中のテトラブロモビスフェノールA(TBBPA)とその誘導体についての科学的意見
2. 食品や飼料中にT-2とHT-2トキシンが存在することに関する動物と公衆衛生リスクについての意見
3. 現在食用油脂の許容される前荷として指令96/3/ECのAnnexのリストにある物質の評価についての科学的意見– Part I
4. 遺伝子組換え除草剤耐性トウモロコシGA21の食品や飼料としての使用、輸入、加工、栽培のための市販申請についての科学的意見
5. 既存のものとして通知されたMON 1445綿由来綿実油、食品添加物、飼料、飼料添加物の販売継続認可更新のためのEFSA-GMO-RX-MON1445申請に関する科学的意見
6. 香料グループ評価
7. EFSA文書

【FSA】
1. 印刷用インクとミネラルオイルの調査結果
2. 全ての人に無料で

【EVIRA】
1. 魚の餌の純度は重要:ダイオキシンやPCBの濃度は規制値以下

【FDA】
1. 警告文書(2011年12月13日、20日掲載分)

【EPA】
1. EPAは初めての発電所からの水銀汚染全国基準を発表

【USDA】
1. USDAは除草剤耐性大豆の規制解除決定を発表
2. USDAはバイオテクノロジー規制対応を発表

【FSANZ】
1. 主任科学者のデスクから
2. 食品基準通知
3. 食品サーベイランスニュース-2011年春号

【NZFSA】
1. 生鮮作物の残留農薬調査の結果を発表

【香港政府ニュース】
1. ダイオキシンについての食事に関する助言を発表
2. 香港の2011年12月13日時点での日本産食品の検査状況
3. 痩身用製品に警告
4. 禁止薬物に警告

【KFDA】
1. 食品医薬品安全庁、食品中の新しい勃起不全治療剤類似物質、またみつける!
2. 食品添加物の基準•規格再整備
3. クリスマスに向けてケーキ類の安全性確保のための衛生点検実施
4. 食品の重金属の実態調査および危害評価結果

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(ProMED-mail)メタノール中毒、致死的 インド

登田美桜
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国立医薬品食品衛生研究所安全情報部第三室室長 とだ・みおう 農学博士。国立医薬品食品衛生研究所は、医薬品、食品、その他生活環境中に存在する物質について、品質、安全性、有効性を評価するための試験、研究、調査を行う機関。 安全情報部の「食品安全情報」は、食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報を伝える。