ワサビ使用偽装を韓国が摘発

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.18(2021.09.01)を発表した。また、「【BfR】ヘンプを含む食品の健康リスクに関するよくある質問」を食品安全情報(化学物質)No.18(2021.09.01)別添として発表した。

注目記事

【BfR】PFAS工業化学物質:BfRはEU全体での制限提案に参加している

 ドイツ政府は、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)の支援を受け、2021年7月15日に他のEU加盟国4カ国とともに、欧州化学品庁(ECHA)に対しすべてのパーおよびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)の制限案を提出する意向があることを表明した。その目的は、EUのほぼすべての適用分野にわたってPFASの製造・販売・使用を制限することである。現在、制限の適用除外の検討に向けて、業界団体と企業にアンケートを行っている。その回答を踏まえ、最終化された制限案を1年以内にECHAに提出する予定。

※ポイント:PFASにはさまざまな炭素鎖の化合物が含まれ、その数は4,000以上に及ぶと言われています。これまでは、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約のもと、主に8炭素鎖のパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とパーフルオロオクタン酸(PFOA)の生産や使用が各国で制限されてきましたが、最近は他のPFASについても制限対象に含めようとする傾向が見られます。食品分野ではとくに調理器具や容器・包装への利用を制限する取組が進められています。

【EFSA】新規食品としての丸ごとのイエローミールワーム(Tenebrio molitor larva)の冷凍および乾燥品の安全性

 欧州食品安全機関(EFSA)は、EU規則2015/2283に従い、イエローミールワーム(チャイロコメノゴミムシダマシ幼虫)の冷凍およびフリーズドライ品を新規食品として丸ごとまたは粉末状で使用することについて意見を出すよう欧州委員会から要請された。

※ポイント:EFSAは以前にもイエローミールワームについて新規食品の評価を実施しています。ただし、その時の対象は「乾燥品」で、今回は「冷凍品」と「フリーズドライ品」についてです。EUの新規食品規制では、たとえ原料が同じであっても製造方法や加工方法が異なるものは別の物と判断されて、個々にリスク評価と販売のための認可が必要となります。

【EPA】クロルピリホス

 農薬クロルピリホスは、1965年の最初の登録以来、米国環境保護庁(EPA)によって何度も見直されてきた。EPAは最新の評価をもとに、2021年8月、食品に認められていたクロルピリホスのすべての「トレランス」(最大残留基準)を取り消す最終規則を発表した。その決定に至った経緯を紹介する。

【MFDS】食品に使用していない原料を使用したかのように表示した9業者摘発・措置

 韓国の食品医薬品安全処(MFDS)は、安価な「カラシダイコン」(西洋ワサビ)を使用した製品を、より価格の高い「ワサビ」を使用していると見せかける表示をした9業者を摘発して「食品等の表示・広告に関する法律」に違反した疑いで行政処分し捜査を依頼した。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.18(2021.09.01)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2021/foodinfo202118c.pdf
食品安全情報(化学物質)No.18(2021.09.01)別添
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2021/foodinfo202118ca.pdf

今号の目次

【FAO】
1. 世界のリーダーや専門家が世界のフードシステムでの抗菌剤使用を相当減らすよう呼びかける

【WTO】
1. 衛生植物検疫措置の適用に関する協定(SPS 協定)2020年の10大結果

【EC】
1. 査察報告書
2. 食品安全:RASFF年次報告は警報通知の件数が相当増えたことを示す
3. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. アレルゲン性評価に関するワークショップ―予測
2. EU 法の安全性要件を満たす可食部位の生産を目的としたドウモイ酸に汚染されたある種のホタテガイの shucking の評価
3. EU 法の安全性要件を満たす可食部位の生産を目的とした脂溶性貝毒に汚染されたある種のホタテガイの shucking の評価
4. 今すぐ登録:受粉媒介者のための新しい政策
5. 農薬関連
6. 遺伝子組換え関連
7. 新規食品関連

【FSA】
1. ネコの汎血球減少症の増加を受け、FSA および FSS の最新情報
2. スモークフレーバーの認可ガイダンス

【FSS】
1. スコットランドの消費者を守るため、直販用の包装済み食品の表示改訂が法制化される

【COT】
1. COT 会議:2021年9月7日

【BfR】
1. 国際 BfR トレーニングは記録的数の登録
2. PFAS 工業化学物質:BfR は EU 全体での制限提案に参加している
3. パーフルオロブタン酸(PFBA):ヒト肺と腎臓組織への高濃度蓄積はない
4. 健康影響の可能性のある化学物質の組み合わせを同定するための新しい BfR コンセプト

【FSAI】
1. リコール情報

【NFSA】
1. 第三国からノルウェーに輸入されたシーフード製品の獣医学的管理監視計画-2020の結果
【FDA】
1. 着色料はどの程度安全か?
2. FDA In Brief: FDA は汚染されたペットフードと数百件の有害事象に関連する企業に対し、全社規模の警告文を発行する
3. FDA とメキシコ当局が食品安全パートナーシップの進捗状況と次の段階を報告
4. FDA は加工食品の最初の調査の PFAS 検査結果を利用可能にした
5. 警告文書
6. リコール情報

【EPA】
1. クロルピリホス

【CDC】
1. 自家製アルカリ性ダイエットミルクを与えられた乳児のビタミン D 欠乏くる病と重症低カルシウム血症-3州、2020年8月-2021年2月

【USDA】
1. 遺伝子組換えを使って開発した大豆の規制解除申請のための環境文書案入手可能
2. APHIS はメキシコ産生鮮イチジクの輸入用件を改定

【CFIA】
1. カナダ政府は魚介類製品の船から皿までのトレーサビリティに関する協議を開始する

【FSANZ】
1. 食品基準通知

【TGA】
1. リスト収載医薬品のアコニットアルカロイド
2. SAS でオーストラリアに供給されている小児医療用大麻製品の検査
3. SAS B でオーストラリアに供給されている医療用大麻製品の毒素検査
4. 安全性警告

【MPI】
1. ニュージーランド産及び製造のカボチャミルクがアジアで販売される

【香港政府ニュース】
1. ニュースレター
2. よくある質問
3.日本食品の輸入規制に関する最新情報(2021年)
4. プレスリリース
5. 違反情報

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 亜硝酸ナトリウム、取扱上の注意書き表示義務化
3. 食薬処・地方自治体、SNS 不当広告行為の合同点検を実施
4. 黄耆(キバナオウギ)、当帰(トウキの根)などの輸入農林産物の残留農薬検査結果
5. 食品に使用していない原料を使用したかのように表示した9業者摘発・措置
6. 学用品、生活化学製品と誤認する食品表示・広告禁止

【SFA】
1. 清潔な食器とトレーの要件に関する注意事項
2. ザルガイ、カキ、アサリ、ムール貝、ホタテなどの二枚貝の安全性について

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から3件
・ProMED-mail1件
・Eurekalert4件

別添

【BfR】ヘンプを含む食品の健康リスクに関するよくある質問
●国連食糧農業機関(FAO:Food and Agriculture Organization of the United Nations) http://www.fao.org/