カナダ産生カキのノロウイルス

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。カナダのブリティッシュ・コロンビア州産の生カキのノロウイルス感染アウトブレイクが3月に発生し、調査が継続している。イギリスではチョコレート製品に関連するサルモネラ感染アウトブレイクがあり、特定ブランドの製品について注意喚起が発出され、メーカーは回収を開始している。

注目記事

【カナダ/米国】生カキに関連して発生しているノロウイルス感染と胃腸疾患

 カナダ公衆衛生局(PHAC: Public Health Agency of Canada)は、連邦および複数州の公衆衛生当局、米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)、び米国食品医薬品局(US FDA)と協力し、5州(ブリティッシュ・コロンビア、アルバータ、サスカチュワン、マニトバ、オンタリオ)にわたり発生しているノロウイルス感染と胃腸疾患による1件のアウトブレイクを調査している。

 2022年3月31日付初発情報以降に報告された新規患者49人が本アウトブレイク調査の対象に追加された。ブリティッシュ・コロンビア州産のカキの喫食に関連したノロウイルス感染および胃腸疾患の患者が現時点で5州から計328人報告されている。

 現時点で得られている調査結果にもとづくと、本アウトブレイクはブリティッシュ・コロンビア州産の生カキの喫食に関連している。調査の一環として、本アウトブレイクの患者との関連が示されている同州の一部のカキ採捕地域は閉鎖されている。これは、新たな患者の発生を防止するための措置である。

 カナダ食品検査庁(CFIA)は、2022年2〜4月にかけて数件の食品回収情報を発表した。PHACはまた、食品由来疾患リスクの低減のため、生または加熱不十分のカキの喫食は避けること、食品の適切な取扱い慣行を実践すること、およびカキは内部温度が90℃(華氏194度)に達した状態で90秒以上加熱することを消費者に求めている。本アウトブレイク調査は継続しており、必要に応じて公衆衛生を保護するための追加措置が講じられる予定である。

 米国では2022年4月6日までに、少なくとも計103人のノロウイルス感染患者が13州から報告されている。FDAは、ノロウイルス汚染の可能性があるカナダ産の生カキを提供・販売しないよう飲食店および小売店に注意喚起している。

 米国では、州・地域・領土の保健部門には、ノロウイルス感染患者の発生を国のサーベイランスシステムに報告することは義務付けられていない。したがって、とくに医療機関を受診しない場合など、多くの患者の存在が把握されていない可能性がある。

【イギリス】サルモネラ感染アウトブレイクに関連しているチョコレート製品

 英国食品基準庁(UK FSA: Food Standards Agency, UK)はスコットランド食品基準庁(FSS)と連携して製品回収情報通知(PRIN)を発出し、Kinderブランドの一部の製品を喫食しないよう消費者に注意喚起している。この注意喚起は、当該製品がサルモネラ感染アウトブレイクと関連している可能性があることから発出された。本アウトブレイクの患者は多くが小児患者である。

 本アウトブレイクの調査の途中結果を受け、Ferrero社は、予防措置として実施していた製品回収の対象を拡大し、ベルギーのArlonの施設で製造されたすべての製品を対象に加えた。回収対象製品は、「Kinder Surprise(20g)」「Kinder Surprise(20g x3)」「Kinder Surprise(100g)」「Kinder Mini eggs(75g)」「Kinder Egg Hunt Kit(150g)」「Kinder Schokobons(200g)」である。

 調査は継続中であるが、同社は調査の途中結果を受け、予防的措置として回収対象を拡大した。

【スコットランド】狩猟動物肉に関するガイドとHACCP

 スコットランド食品基準庁(FSS: Food Standards Scotland)が狩猟動物肉に関するガイド(WGG:Wild Game Guide)の改訂版を発表した。これは、フードチェーンに入る狩猟動物肉の狩猟・加工・供給に関する食品衛生上の法的要件について、スコットランドの狩猟動物肉の食品業界および規制機関向けに作成されたガイダンスである。

 ガイドは2020〜2021年に詳細な見直しと改訂が行われ、2021年12月16日に本改訂版が発行された。改訂版ガイドはより使いやすいものとなり、狩猟動物肉が食用として供給されるまでの様々な状況で適用される法的要件がより明解に説明されている。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.08(2022.04.13)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2022/foodinfo202208m.pdf

今号の目次

【米国食品医薬品局(US FDA)】
1. 米国食品医薬品局(US FDA)が乳幼児用調製粉乳に関連して発生しているクロノバクター(Cronobacter sakazakii)感染に関する苦情を調査(2022年3月31日付更新情報)

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. カナダのブリティッシュ・コロンビア州産の生牡蠣に関連して複数州にわたり発生しているノロウイルス感染アウトブレイク(2022年4月6日付更新情報)

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:ブリティッシュ・コロンビア州産の生牡蠣に関連して複数州にわたり発生しているノロウイルス感染と胃腸疾患のアウトブレイク(2022年4月8日付更新情報、3月31日付初発情報)

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and
Feed)

【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 燻製魚に関連して発生しているリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイク
2. サルモネラ感染アウトブレイクに関連している Kinder ブランド製品(チョコレート製品)を喫食しないよう英国食品基準庁(UK FSA)およびスコットランド食品基準庁(FSS)が予防措置として消費者に注意喚起
3. 食品に関する消費者調査「Food and You2」の最新の結果を発表:消費者の食品供給チェーンへの信頼度は依然として高い
【スコットランド食品基準庁(FSS)】
1. 狩猟動物肉に関するガイドと HACCP(危害分析重要管理点方式)

【アイルランド保健サーベイランスセンター(HPSC Ireland)】
1. サルモネラ(Salmonella Typhimurium)感染アウトブレイクに関連して Ferrero 社製の Kinder ブランドのチョコレート製品を回収

【アイルランド食品安全局(FSAI)】
1. Ferrero 社が Kinder ブランドのチョコレート製品の回収対象を拡大(2022年4月6日付更新情報)

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. カンピロバクター感染予防のためのリーフレットを発行

【ProMED-mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報(13)(12)(11)(10)