[文]食べづらいがうまいレトロ菓子/三星本店「よいとまけ」

「よいとまけ」(550円)
ごろん、べた、ざらり、うまい
「よいとまけ」(550円)
ごろん、べた、ざらり、うまい

 北海道の地方銘菓の中で、地味なのになぜか気になるのが三星(みつぼし)の「よいとまけ」。道外の人に説明する時は「北海道の酸っぱい果実、ハスカップ入りのロール菓子」というべきでしょうが、それだけではこのお菓子の不可思議さは伝えきれません。

 箱を開けるとゴロンと現れるのは、何の飾りもない赤紫色のロールです。外側にたっぷりのハスカップジャム、その上にグラニュー糖がかかってザラリと独特の口あたり。さらにジャムのべたつきを何とかしようと、オブラートで包んでしまった大胆さ。ハスカップとは、日本では北海道だけに自生していた小指の先ほどのベリーです。青紫に熟した実は目が覚めるほど酸っぱくて、摘むにも手がかかるため出荷量の少ない「幻の果実」で、よいとまけはそれを使ったお菓子の草分けです。

●「人気の北海道スイーツ完全ガイド」(深江園子 著、まうのすけ まんが)所収「食べづらいがうまいレトロ菓子/三星本店(苫小牧)より(改訂版制作中です)。

深江園子
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ジャーナリスト ふかえ・そのこ 札幌出身のライター。東京で食と旅の専門誌で編集者を務めたあとUターンし、地元北海道の食と農産物を追いかける。レストラン、パン、お菓子のガイドブックを多数編集。食生活の一部はブログ「slowfood + sweet tooth」で公開中。北海道スローフードフレンズ会員。著書に「人気の北海道スイーツ完全ガイド」(深江園子・まうのすけ著、香雪社)ほか。