科学・法令

地方分権一括法下の国と自治体の責務

地方分権一括法(2000年施行)で地方分権が進んでいるにもかかわらず、食品衛生や家畜伝染病対策等に関する事務や責任が国のものと誤解されている例が多い。相手を間違えた意見や報道は力を発揮せず、混乱のもとにもなっている。
Maryanskiのバイテクと食品安全考

「過去は序章に過ぎない」―― バイテク食品安全性評価について思うこと/”What’s Past is Prologue:” Thoughts on Ag Biotech Food Safety Assessment

今月末、日経BP 社の「FoodScience」が休刊となる。寄稿のお誘いを受け、過去2年に渡って記事を書かせてもらった。実に光栄なことであった。日経BP社の宮田満氏と中野栄子氏そしてスタッフの方々に大変お世話になった。緒明俊氏には何かにつけ激励を頂いた。妻の飯島みどりは記事の和訳を全て引き受けてくれた。協力いただいたすべての諸氏に、そしてお付き合いくださった読者のみなさんに、この場を借りて、心か […]
うねやま研究室

科学的に評価したリスクに基づいて対策

3月9日付で消費者庁から「トランス脂肪酸の表示に向けた今後の取組について」という発表があり、大臣記者会見をもとにメディアでも報道されたようです。渡辺宏さんのブログに報道各社の見出し比較が掲載されていておもしろかったので参考までに。http://www.kenji.ne.jp/blog/index.php?itemid=702
うねやま研究室

「環境ホルモン」問題はどうなった?BPAの評価を巡る世界の動向その2

2008年5月、「『環境ホルモン』問題はどうなった? ビスフェノールAの評価を巡る世界の動向『その1』」を書いてから、2年弱がたちました。この間、この「環境ホルモン」という言葉もほとんど聞かれなくなりましたが、実際にビスフェノールAの問題がどうなったのか、まとめてみます。
読み書きバイオ

市民の力って何だろう――ユーコープ事業連合の取り組み――

2009年は遺伝子組換え技術を用いた青いバラが、日本の商業栽培第1号となりましたが、日本で研究・開発されている遺伝子組換え作物が畑におろされる気配はありません。植物バイオの技術開発に多くの税金が投入され、使える技術があると聞こえてくるのに、成果が利用されない現状こそ「MOTTAINAI」と感じるこのごろです。生活協同組合連合会ユーコープ事業連合(神奈川県)が、リスクコミュニケーション委員会(前食品 […]
うねやま研究室

豆乳の憂鬱~BPAと類似の評価結果なるもメディアの扱いがまるで違う

2009年12月16―18日、米国国家毒性プログラム(NTP)のヒト生殖リスク評価センター(CERHR)の豆乳ベースの乳児用ミルクの評価専門委員会が会合を行い、豆乳に含まれるイソフラボンが発育に悪影響があるかどうかについての評価を行いました。これは06年に開始されたプログラムで、今回初めて最終段階に差し掛かっています。この段階での結論は、豆乳ベースの乳児用ミルクの有害健康影響については、12人中1 […]
Maryanskiのバイテクと食品安全考

開発途上国はバイテク作物の安全性評価をどう成し遂げるのか?/How Can Developing Countries Accomplish Food Safety Assessments for Biotech Crops?

食料安全保障は広く認められた21世紀の課題の一つである。国連食糧農業機関(FAO)は現代バイオテクノロジーを、農業生産を向上させる重要な手段の一つと位置付けている。しかし、多くの国々が現代バイオテクノロジーの受け入れに悪戦苦闘している。バイオテクノロジーを巡る絶え間ない社会政治的な議論はさておき、現行の指針の下での食品安全性評価は、多くの開発途上国にとって技術的に困難であるか、全く力の及ばないもの […]
読み書きバイオ

国内初の遺伝子組換え商業栽培なるも、規制は続く

 2009年11月3日、国内で栽培された遺伝子組換えの青いバラ、アプローズの販売が開始され、同月22日には、鳩山由紀夫首相から米国Obama大統領にも贈られた。アプローズはテレビや新聞で取り上げられ、人気も高く、今も入手しにくい状況が続いている。しかし、09年は国内での遺伝子組換え作物の栽培が拡大することはなかった(10月19日付け「百聞は一見にしかず――遺伝子組換え作物展示栽培の意義」1参照)。 […]
うねやま研究室

トランス脂肪酸の表示に潜む問題

このたび消費者庁でトランス脂肪酸の表示についての検討が始まったようです。これは、トランス脂肪酸の表示について検討するように福島瑞穂消費者担当大臣から指示があったためであり、福島大臣が指示した理由は消費者からの要望に応え、今までとは違う、目に見える成果を出したいためであるようです。昨年トランス脂肪酸のリスク評価と各国のリスク管理について説明をしましたが、今回はその後の状況についてまとめました。
Maryanskiのバイテクと食品安全考

やはり目を引くのはパッケージ前面の任意表示? 食品パッケージ前面表示に目を光らせるFDA/It’s What’s Up Front that Counts: Front of Food Package Label (FOP) Gets FDA Scrutiny

米国の食料品店では、スナック菓子や加糖シリアルなど様々な食品がそれらの栄養特性を表わすことを目的とする絵や数値があしらわれて販売されている。この表示は生産者側の任意表示であり、店頭表示と呼ばれるものの一つである。米国食品医薬品局(FDA)は、消費者や連邦議会議員から食品表示、特に「パッケージの前面」表示の内容についての問い合わせを受け、注意を払うようになった。パッケージ前面表示の新しいタイプの一つ […]
うねやま研究室

「エコナ」問題の本質はどこにある?

FoodScienceで「エコナ」関連記事が多く出ています。「エコナ」問題の課題は、新たに発見されたハザードへの対応と、特定保健用食品(トクホ)という制度がはらむものとの2つに分類できます。新たに発見されたハザードについてはこれまでもトランス脂肪酸やアクリルアミドという事例があったのですが、グリシドール脂肪酸エステルだけがこれだけの騒動になったのはなぜなのでしょうか。トクホについては国際的に認めら […]