グルメ手帳をやめた理由とは

前回に引き続きの年末恒例企画。年間1000本以上の鑑賞本数を誇る私rightwideが、今年公開された映画の中から印象的な食べ物や飲み物が出てきた作品を厳選したベスト10を発表する。今回は邦画編である。

【選定基準】

2016年1月1日〜2016年12月31日に公開(公開予定)の作品で、

  • 食べ物や飲み物の「おいしそう度」
  • 食べ物や飲み物の作品内容への関連性
  • 作品自体の完成度

の3点を加味して選定した。

★=1.0点、☆=0.5点
順位タイトルおいしそう度作品との関連性作品の完成度合計
1続・深夜食堂★★★★★★★★★★★★★★14.0
2築地ワンダーランド★★★★★★★★★☆★★★☆13.0
3カンパイ★★★★☆★★★★☆★★★☆12.5
4湯を沸かすほどの熱い愛★★★★★★★★★★★★12.0
5君の名は。★★★★★★★★★★★☆11.5
6俳優 亀岡拓次★★★★★★★☆★★★☆11.0
7この世界の片隅に★★☆★★★☆★★★★☆10.5
8永い言い訳★★★★★★★★★★10.0
9葛城事件★★★★★☆★★★★9.5
10ヒメアノ〜ル★★★★★★★★★9.0

第10位

「ヒメアノ~ル」のカレーライスと麦茶

「ヒミズ」(2011年に園子温監督で映画化)の古谷実の漫画が原作。

 清掃員の岡田(濱田岳)と安藤(ムロツヨシ)の凸凹コンビによる前半のコメディタッチが後半は一転、高校時代にいじめられて人生を狂わせた森田(森田剛)が、自分がストーキングしていたカフェの店員ユカ(佐津川愛美)を元同級生の岡田に奪われたことがきっかけで連続殺人に手を染めていくサイコスリラーと化してゆく。

 その一場面、自転車で帰宅したサラリーマンが玄関先でカレーの匂いを認めるがどうも様子がおかしい。中に入ってみると妻は殺されていてその傍らで森田が黙々とカレーを食っているという描写は「復讐するは我にあり」(1979、今村昌平監督)を彷彿とさせる。

 また、詳述は控えるが森田が正気を失っていく中でいじめられる前の幸せな記憶を蘇らせる「お母さん、麦茶ふたつ持ってきて」という声は観終わった後もしばらく耳から離れなかった。

公式サイト:http://www.himeanole-movie.com/

第9位

「葛城事件」のコンビニ弁当

「劇団THE SHAMPOO HAT」を主宰する赤堀雅秋の「その夜の侍」(2012)に続く監督2作目。

 近年実際に起きたいくつかの無差別殺傷事件に着想を得た自らの舞台の映画化で、事件の犯人として逮捕され死刑判決を受けた葛城稔(若葉竜也)の育った家庭環境を回想を交えて描いたアンチ・ホームドラマである。

 彼の父、清(三浦友和)が、稔の兄・保(新井浩文)夫婦と嫁の両親と行った中華料理店で麻婆豆腐が今までの味と違うとクレームを付けるシーンに代表されるモンスターぶりに、妻の伸子(南果歩)や子供たちは萎縮してしまう。本作では一家団欒の食事とは対照的な家族それぞれのコンビニ弁当の孤食を繰り返し映し出すことで、食事を意図的に楽しくない不味いものとし、崩壊していく家族の象徴として見せている。

 家を出た伸子と稔を保が迎えに来たアパートで、コンビニ弁当のパスタを食べながら地球最後の日に何が食べたいか語り合う場面に微かに一家団欒の再生の兆しが見えるのだが、そのわずかな希望もやかんの湯が沸くけたたましい音と共に登場する清にかき消されてしまう。この“飯テロ”とは真逆の状況が映画の最後まで続き、嫌な後味が残りつつも目の離せない作品となっている。

公式サイト:http://katsuragi-jiken.com/

第8位

「永い言い訳」のひよこちゃんカレーと冷凍みかん

 デビュー作「蛇イチゴ」(2002)や「ゆれる」(2006)、「ディア・ドクター」(2009)、「夢見るふたり」(2012)等の作品で知られる西川美和が第153回直木賞候補作となった自作を自ら脚色・監督。

 妻・夏子(深津絵里)をバス転落事故で失った小説家・衣笠幸夫(本木雅弘)が、妻と共に亡くなった親友の夫で留守がちなトラック運転手の陽一(竹原ピストル)の代わりに2人の子供の面倒を見ることで不仲のまま永遠の別れを迎えてしまった亡き妻への思いを見つめ直そうとする物語である。

 幸夫が陽一親子と初めて行ったフレンチレストランで、陽一の娘でアレルギー体質の灯(白鳥玉季)がカニ味噌入りのパテを食べてアナフィラキシーショックを起こしてしまい病院に担ぎ込まれる事件や、帰りのタクシーで幸夫が灯の兄・真平(藤田健心)にお母さんの作った料理で好きなものを聞いたところ、春巻きの具がモヤシとニラで夏子のものと一緒だったことからくる親近感等が幸夫をにわかイクメンに変身させることになる。

 しかし育児経験のない幸夫にとってイクメンは生やさしいものではなく、子供特有の奔放さに翻弄されるばかり。駄々をこねる灯のために「ひよこちゃんカレー」なるものを再現しようとレトルトカレーを使って灯と一緒に悪戦苦闘する場面はシリアスな展開の中にあって微笑ましく映る。

 また地方で交通事故を起こした陽一を幸夫と真平が迎えにいく列車の場面では、名門中学を目指す受験生でガテン系の父を軽蔑している真平に対し、自分は作れなかった家族の大切さを切々と説く幸夫の演技を、冷凍みかんの皮を剥いて手渡すまでの動きにシンクロさせて絶妙の間を作り出している。

公式サイト:http://nagai-iiwake.com/

第7位

「この世界の片隅に」の野草料理と楠公飯

 2016年日本映画界最大のニュースは「君の名は。」が「千と千尋の神隠し」(2001、本連載第79回参照)に次ぐ邦画歴代2位の興収を挙げたことだと思うが、本作「この世界の片隅に」はクラウドファンディングによって製作費を調達し、小規模な公開でスタートしながらSNS等の拡散によってヒットしたソーシャル・マーケティングの成功例である。

 内容も素晴らしいもので、乱暴な例えになるが、「君の名は。」がポスト宮崎駿とするなら本作は「火垂るの墓」(1988、本連載第72回参照)等のポスト高畑勲。“ジブリロス”状態だったアニメ界に新風を吹き込んだと言える。

こうの史代原作の漫画「魔女の宅急便」(1989)の演出補で、「アリーテ姫」(2001)、「マイマイ新子と千年の魔法」(2009)等の片渕須直が監督した本作は、戦前・戦中の広島と呉を舞台に、一人の女性・すず(声:のん)の生き様を、緻密な取材によって忠実に再現された当時の街並みの中で描きながら、絵心のあるすずの空想の世界を描いた戦火の下のファンタジーとしての側面もある作品である。

 すずが広島・江波の実家から呉鎮守府(海軍の拠点)の書記官である夫・北條周作(声:細谷佳正)に嫁入りしたのが終戦前年の1944年。食糧事情の悪化で米の配給が滞る中、彼女はジャガイモやサツマイモといったイモ類に近所に生えているスミレ、ハコベ、スギナ、カタバミ等の野草を摘んできて加えた我流のレシピで料理を作る。有川浩の小説を映画化した「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」(本連載第129回参照)でも野草を使った現代の料理が登場するが、本作の場合は戦時中の生活に直結した“節米料理”である。しかし、また板と包丁をヴァイオリンのように動かして刻んだ野草を鍋に落としていくすずの姿はどこか微笑ましく映る。戦争を描いた作品ながらこうしたすずの“天然”とも言える性格が映画の前半を明るいものにしていて、後半に訪れるむごさを際立たせている。

 また、当時奨励された節米料理の一つとして、南北朝時代の武将・楠木正成が考案したとされる“楠公飯”が登場する。玄米を炒って3倍の水に一晩浸けて膨張させ炊き上げたものだが、その味については本編をご覧いただきたい。

公式サイト:http://konosekai.jp/

第6位

「俳優、亀岡拓次」のプルポ・ア・フェイラと寒天の刺身

 大泉洋ら北海道出身俳優の演劇ユニット「TEAM NACS」の安田顕の初主演作を「ジャーマン+雨」(2006)、「ウルトラミラクルラブストーリー」(2009)の横浜聡子が監督。戌井昭人の小説を原作としているが、“TV、映画、Vシネマ等でお呼びがかかればどんな現場でも駆けつけ、どんな役回りも要求通り忠実にこなす上にプラスアルファの演技をしてみせる37歳独身の脇役専門俳優・亀岡拓次”の姿は、安田への当て書き(その役を演じる俳優を想定して脚本を書くこと)のように映る。

 そんな彼が映画の地方ロケで訪れた長野・諏訪。撮影後にふらりと入った居酒屋「ムロタ」で、現場の疲れからうたた寝をしてしまう。目覚めると店のテレビではスペイン・ガリシア地方の港町の中継映像が流れていて、プルポ・ア・フェイラ(タコ祭り)なるうまそうな名物料理が紹介されている。夢うつつの中で亀岡が思わずをタコを注文すると、寝落ちするまでカウンターにいたおやじに代わって30過ぎの美女・安曇(麻生久美子)が「(テレビを指して)食べたくなりました? うちのはただのタコぶつですけどね」と声をかける。

 それをきっかけに話が弾み、安曇がサービスで出したのがご当地名物の寒天の刺身。長野県が出荷量日本一という寒天は、食物繊維の多い健康食材だが、それ自体に味がないのは食の名物としてはビミョーなところである。「別にどうってことないでしょ」という彼女に「そうですね」と相槌を打ってしまい後悔する亀岡。しかしお礼に勧めた酒を1杯、2杯といい飲みっぷりで傾けながらほろ酔い加減になっていく彼女の姿を亀岡の見た目でとらえたカメラは、タコぶつや寒天に包丁を入れていく安曇の白く細い手の指のアップとあわせて、彼の恋愛感情の芽生えがはっきりと伝わるシーンになっている。

 諏訪のロケが終わり東京に戻った亀岡は、数々の撮影現場と並行して大女優と共演の舞台の稽古や、スペインの巨匠アラン・スペッソ監督に呼ばれて次回作のオーディションを受ける等多忙な日々に追われていくが、安曇への想いは募るばかりで、ついに思い切った行動に出るのだが……。

 諏訪のホテルでの撮影でギャングに扮した亀岡が行方を聞き出そうとする男の名前はラズロ・コバックス(別名:ミシェル・ポワカール)。これはゴダールのデビュー作「勝手にしやがれ」(1959)でジャン・ポール・ベルモンドが演じた主人公の名前である。また、安曇が台所で独りお茶漬けをすするシーンは小津安二郎の「麦秋」(1951、本連載第3回参照)調であったりと、名作からの引用が楽しめる作品である。

公式サイト:http://kametaku.com/

第5位

「君の名は。」の口噛み酒

 先にも触れた通り2016年最大のヒット作となった新海誠監督作品。監督、演出、脚本、原案、作画、美術に加え主人公の声まで一人で担当したデビュー作「ほしのこえ」(2002)から一貫している時間と空間に引き裂かれる男女のすれ違いというテーマは、「オンエアの時間は銭湯の女湯が空になった」という伝説を持つラジオドラマを映画化した「君の名は」3部作(1953~1954)に通じるものがある。それに加え、思春期の男女の身体が入れ替わる大林宣彦監督の「転校生」(1982)を思わせる設定と、キャラクターデザインに「心が叫びたがってるんだ」(2015)の田中将賀、作画監督に「もののけ姫」(1997)、「千と千尋の神隠し」等の安藤雅司、音楽に人気ロックバンドのRADWIMPSを起用した現代性が加味されて、幅広い層に“刺さった”のがヒットの要因と言えるだろう。

 物語のカギとなるのが、ヒロインの宮水三葉(声:上白石萌音)の飛騨糸守町の巫女の家に代々伝わる神事に使われる「口噛み酒」である。米を噛んで唾液と混ぜて糖化させた米から醸す日本最古の酒。これを宮水神社の豊穣祭の神楽の後で公衆の面前でやらされるのは思春期の少女にとって屈辱以外の何物でもなかった。それに加え、狭い山奥の田舎町での生活に嫌気がさしていた彼女は都会への憧れを空に向かって叫ぶ。

「来世は東京のイケメン男子にしてくださ~い」

 この彼女の願いが1年年上の東京の男子高校生・立花瀧(声:神木隆之介)との時空を越えた身体の入れ替わりを誘発することになる。

 その後口噛み酒は、此岸と彼岸の狭間にあるという祠に収められ、身体の入れ替わりが止まって三葉を探しに飛騨に来て衝撃の事実を知った瀧が、時間を越えて彼女と再び会うために使われることになる。

 平時に飲むにはハードルの高い口噛み酒だが、本作では三葉の東京への憧れを象徴するイタリア料理やスイーツ、飛騨に向かう瀧たちが列車内で食べる味噌カツ弁当や飛騨名物の高山ラーメン等、うまそうな食べ物がいくつも登場している。

公式サイト:http://www.kiminona.com/

第4位

「湯を沸かすほどの熱い愛」のしゃぶしゃぶとタカアシガニ

 自主製作の「チチを撮りに」(2013)が好評を博した中野量太監督の商業長編映画デビュー作。

 末期がんで余命2〜3カ月と宣告された銭湯「幸の湯」の女主人・幸野双葉(宮沢りえ)が、家を出ていた夫・一浩(オダギリジョー)を連れ戻して休業中の銭湯を再開し、学校でいじめられている長女・安澄(杉咲花)には逃げずに立ち向かうよう試練を与え、一浩の連れ子でいなくなった実母のことが忘れられないでいる次女・鮎子(伊東蒼)には優しく接する等、日々やせ衰えていく身体に鞭打って残された人生を猛スピードで突っ走っていく。中野監督の前作でも見られた家族の中心に位置する強い母親像がさらに推し進められたホームドラマである。

 この家族、諸々の事情で血のつながりはないに等しいのだが、双葉の母性が求心力となって絆を強固なものにし、さらには周囲の人々まで巻き込んで家族が拡大していくところがすごい。そのために使われるのが食事に関する種々のルールである。

ルールその1:誰かの誕生日は必ずしゃぶしゃぶ……しゃぶしゃぶは、誕生日ではないが一浩帰還の日の晩餐と、鮎子の実母が迎えに来ると約束した鮎子の誕生日の翌日に登場。バラバラだった家族の再生と、実母への思いからいま一つ打ち解けられなかった鮎子が家族になる通過儀礼としての意味を持たせている。ここで重要なのはすき焼きではなくしゃぶしゃぶだということ。煮立ったお湯に肉をくぐらせる様子はどこか銭湯のお湯の温もりを思わせる。そして鍋の灰汁とり等の仕切りは母の仕事。しゃぶしゃぶという語感も中野監督の前作“チチ”と同様に母的なものを連想させると共に、ある重要なシーンへの伏線になっている。

ルールその2:毎年4月25日に送られてくるタカアシガニのお礼の手紙は必ず安澄が書く……これは前述の家庭の事情に関わってくるのだが、その真相は双葉が2人の子供と西伊豆に最後の旅行に出かけた際に明らかになる。安澄にとっては第二の試練となるが、この日のために双葉が彼女に仕込んだ“あること”が感動を呼ぶ。それはともかく、世界最大の節足動物で“生きた化石”と呼ばれているタカアシガニは本作で2回登場。10本ある長い脚をバキっと割ってかぶりつく姿はいうまでもなくうまそうだった。

 本作では双葉が好きだとういう赤が重要な意味を持つ。双葉のエプロン、旅行に使った車、しゃぶしゃぶの牛肉、茹でたタカアシガニ、すべて赤である。赤は情熱をイメージさせるとともに火の色でもある。それらは、黒澤明の「天国と地獄」(1963)も思い出させるあるシーンへとつながっていく。

公式サイト:http://atsui-ai.com/

第3位

「カンパイ!世界が恋する日本酒」の“酒テロ”

 本連載第131回参照。

 和食と並んで世界に市場を広げている日本酒。多種多様な文化を持つ世界の人々に受け入れられるには何が必要なのか。それぞれのポジションで独自の取り組みを行う3人のキーパーソンを通してそのヒントを示すと共に、一度は飲んでみたいと思わせる名酒や新酒が登場する“酒テロ”なドキュメンタリーである。

公式サイト:http://kampaimovie.com/

第2位

「築地ワンダーランド」の旬の魚介類

 本連載第137回参照。

 未だ収束の見えない築地市場の移転問題だが、このドキュメンタリーに登場するような売り手と買い手を結ぶ“食のマネージメント役”がいればどこに移ってもそこはワンダーランドになり、一流の料理人にかかれば魔法のように姿を変える旬の魚介類を供給し続けることだろう。

公式サイト:http://tsukiji-wonderland.jp/

第1位

「続・深夜食堂」の“グルメ手帳”

 本連載第139回参照。

 前作に続いて「焼肉定食」「焼うどん」「豚汁定食」の3編からなるオムニバス映画だが、3編を通して登場するのが常連の忠さん(不破万作)の“めしやグルメ手帳”である。卵焼き、インゲンの胡麻和え、サンマの塩焼き……。メインディッシュの3品だけでなく、こうした常連たちの食べるものも手抜きなく描かれ“飯テロ”効果を増幅させている。

 彼曰く、この年であと何回食べられるかわからないから忘れないように、書いておけば一回一回の晩飯を大事にしようと思えるからとのことだが、書いたところで翌日には忘れてしまうという。そして大晦日、常連の皆と年越しそばを食べながら、忠さんが手帳につけるのは止めたと打ち明けるときの言葉が身に染みる。記録ではなく記憶こそが一番のご馳走なのだと感じた。

公式サイト:http://www.meshiya-movie.com/

“飯テロ”vs.映画(総評)

 改めて、このランキングは私rightwideの主観で選んだものであり、客観的なものではないことをお断りしておく。

 選定基準もあって、食べ物の露出が多い作品が上位にランキングされる傾向にあるが、今回は連載で紹介している作品はベスト3以外は除外した。以下の作品が該当するが、これらの得点はベスト10入り級のものであったことを申し添えておく。

 また、以下は選に漏れたものの食べ物が映画の内容に大きく関わっていた作品である。

 今回ベストワンとなった「続・深夜食堂」に象徴される“飯テロ”ドラマや、2位、3位に入ったグルメ系ドキュメンタリーは今後も増えてくると思われる。「スクリーンの餐」の執筆者としては喜ばしい状況だが、一方で“三度の飯より映画が好き”なrightwideとしては、作品の内容を重視したいのが本音。そこで「葛城事件」のような食事を意図的に不味そうに見せる作品も紹介させていただいた次第である。

 それでは皆さん、よいお年をお迎えください。また来年お会いしましょう。

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映画ウォッチャー 埼玉県出身。子供のころからSF映画が好きで、高校時代にキューブリックの「2001年宇宙の旅」を観たところ、モノリスに遭遇したサルの如く芸術映画に目覚め、国・ジャンルを問わない“雑食系映画ファン”となる。20~30代の一般に“青春”と呼ばれる貴重な時をTV・映画撮影現場の小道具係として捧げるが、「映画は見ているうちが天国、作るのは地獄」という現実を嫌というほど思い知らされ、食関連分野の月刊誌の編集者に転向。現在は各種出版物やITメディアを制作する会社で働きながら年間鑑賞本数1,000本以上という“映画中毒生活”を続ける“ダメ中年”である。第5回・第7回・第8回の計3回、キネマ旬報社主催の映画検定1級試験に合格。第5回・第6回の田辺・弁慶映画祭の映画検定審査員も務めた。