「デスノート」シリーズのスイーツとりんご

今回は昨秋最新作「デスノート Light up the NEW world」が公開された「デスノート」シリーズに登場する食べ物について述べていく。

 本シリーズは「週刊少年ジャンプ」に連載された大場つぐみ・作、小畑健・画の漫画の映画化で、2006年に公開された第1作「DEATH NOTE デスノート」と第2作「DEATH NOTE デスノート the Last name」は前後編連続公開という興行形態のはしりとなるヒット作になった。

 ストーリーは、法律を学ぶ大学生の夜神月(やがみ・らいと、藤原竜也)が、ある日死神のリューク(中村獅童)から名前を書いた人間を殺すことができるデスノートを手に入れ、凶悪事件の犯人を次々に自らの手で処刑し「救世主 キラ」(Killer)として崇められる存在になっていくというところから始まっていく。

 これに対し警察は、月の父で刑事部長の総一郎(鹿賀丈史)を捜査本部長に起用し、インターポールから名探偵と呼ばれるL(松山ケンイチ)を招聘してキラ検挙に乗り出す。このLとキラ=月の知恵比べが全編にわたっての見どころとなっている。主人公が死神と契約するところはゲーテの「ファウスト」、主人公が独善的な理屈で殺人を犯すところはドストエフスキーの「罪と罰」等、西洋の古典文学の影響を受けた作品でもある。

頭を使えば太らない?

数種のドーナツにエクレア、シュークリーム、マシュマロ、バームクーヘンの串刺し。Lの甘いもの好きを象徴するスイーツである。
数種のドーナツにエクレア、シュークリーム、マシュマロ、バームクーヘンの串刺し。Lの甘いもの好きを象徴するスイーツである。

 名探偵と呼ばれているLだが、その外見は一張羅の白い長袖シャツとジーパンにボサボサの髪、ガリガリに痩せて顔色は青白く目の下には隈、猫背で爪を噛む癖があるという“引きこもり”的なもので、総一郎たちを当惑させる。またキラ逮捕という目的のためには死刑囚の命も犠牲にする非情な一面も持っている。

 そして最も印象的なのは異常なほどの甘党だということ。チュッパチャプス、板チョコ、キャラメル味のポップコーン、プリンアラモード、ショートケーキ、ドーナツの串刺しに果ては殉職警官の仏前に供えられたおはぎまで、痩せているのが不思議なくらいいつも何か甘いものを親指と人差し指でつまんで食べており、愛飲する紅茶に入れる角砂糖の数も半端ではない。第1作・第2作に続いて公開されたLが主演のスピンオフ作品「L change the WorLd」(2008)の中で助けた少女に「何で甘い物ばっかり食べてるの?」と聞かれて彼は「糖分は脳に最も必要なエネルギー源です」と答えているが、素人考えでもメタボリックシンドロームに陥るリスクは高いと思われるので、くれぐれも彼の真似をしないようご注意されたい。

コンソメ味のポテチ対決

Lは第1作のラストシーンで、月がデスノートの偽装工作に利用したコンソメ味のポテトチップスの袋を持って現れる。
Lは第1作のラストシーンで、月がデスノートの偽装工作に利用したコンソメ味のポテトチップスの袋を持って現れる。

 Lはメディアを使ってキラに罠を仕掛けたり、卓越したプロファイリング能力と推理力で捜査の綱を徐々に狭めていき、遂には月も容疑者として絞り込まれ、自宅に盗聴器と隠しカメラを仕掛けられる監視体制におかれる。もし月がキラであればこの状況でデスノートに殺す相手の名前を書くことは不可能だ。しかしそれでも凶悪犯の処刑は“執行”され、月への監視はいったん解除される。

 実は月はコンソメ味のポテトチップスの袋を利用したあるトリックによって監視の目を逃れながら凶悪犯の逮捕を知り、その犯人の名前をデスノートに書き込むことに成功していたのである。しかしLも前編のラスト、月との初対面のシーンでコンソメ味のポテチをこれ見よがしに食べて見せながら、“お前のやることはすべてお見通しだ”といったオーラを醸し出している。

 また、2016年10月29日公開となった最新作「デスノート Light up the NEW world」で、このコンソメ味のポテチは死んだはずの月と共に印象的な再登場を果たしている。これからご覧になる方は是非チェックされたい。

死神は果物がお好き?

死神のリュークは人間界のりんごが大好物。
死神のリュークは人間界のりんごが大好物。

 退屈しのぎからデスノートを人間に与え、この騒動の発端を作った死神のリュークはりんごが大好物で、月に協力したのも人間界のおいしいりんご欲しさからであった。りんごは旧約聖書でアダムとイブが食べてしまったためにエデンの園を追われた禁断の果実であるなど特別な意味を持つ果物で、死神の好物としては相応しい感じがする。

 また最新作ではLの後継者である竜崎(池松壮亮)にデスノートを与えたアーマ(沢城みゆき)という女性の死神が出てくるが、彼女の好物はマスカットで、ブドウもまた聖書で扱われる特別な意味を持つ果物と言える(本連載第52回「ジョン・スタインベックとアメリカ農業(2)『怒りの葡萄』のブドウ「怒りの葡萄とは何か」参照)。

 最後に、映画の本編とは関係ないが、先頃YouTubeの週間再生ランキングで日本人として初めて世界1位を記録して話題となったピコ太郎の「ペンパイナッポーアッポーペン」を死神のリュークが演じたパロディが最新作のプロモーションとしてYouTube(https://youtu.be/5Ens7TZzgG0)で公開されている。本家と異なるのはペン、りんご、パイナップルといった小道具が歌詞だけではなく実際に登場することで、それぞれのアイテムがどう使われるのか、興味のある方はご覧いただきたい。


【DEATH NOTE デスノート】

「DEATH NOTE デスノート」(2006)
公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/deathnote/
作品基本データ
製作国:日本
製作年:2006年
公開年月日:2006年6月17日
上映時間:126分
製作会社:集英社/ホリプロ/読売テレビ/バップ/KDE-J/松竹/日活
配給:ワーナー
カラー/サイズ:カラー/アメリカンビスタ(1:1.85)
スタッフ
監督:金子修介
脚本:大石哲也、金子修介
原作:大場つぐみ、小畑健
製作指揮:三浦姫
エグゼクティブプロデューサー:奥田誠治
企画:鳥嶋和彦、佐藤敦
製作:山路則隆、堀義貴、西垣慎一郎、平井文宏、北上一三、松本輝起、大澤茂樹
プロデューサー:佐藤貴博、福田豊治、小橋孝裕
撮影監督:高瀬比呂志
撮影:石川稔
美術:及川一
音楽:川井憲次
録音:岩倉雅之
照明:上保正道
編集:矢船陽介
キャスティング:吉川威史
ラインプロデューサー:大塚泰之
助監督:山口晃二、井原眞治、大津是
CGプロデューサー:豊嶋勇作
キャスト
夜神月:藤原竜也
L/竜崎:松山ケンイチ
南空ナオミ:瀬戸朝香
秋野詩織:香椎由宇
FBI捜査官レイ:細川茂樹
弥海砂:戸田恵梨香
松田刑事:青山草太
宇生田刑事:中村育二
相沢刑事:奥田達士
模木刑事:清水伸
佐波刑事:小松みゆき
松原:中原丈雄
渋井丸拓男:顔田顔彦
恐田奇一郎:皆川猿時
夜神幸子:五大路子
夜神粧裕:満島ひかり
佐伯警視庁長官:津川雅彦
ワタリ:藤村俊二
夜神総一郎:鹿賀丈史

【DEATH NOTE デスノート the Last name】

「DEATH NOTE デスノート the Last name」(2006)
作品基本データ
製作国:日本
製作年:2006年
公開年月日:2006年11月3日
上映時間:140分
製作会社:集英社/ホリプロ/読売テレビ/バップ/KONAMI/松竹/日活
配給:ワーナー
カラー/サイズ:カラー/アメリカンビスタ(1:1.85)
スタッフ
監督:金子修介
脚本:大石哲也、金子修介
原作:大場つぐみ、小畑健
製作指揮:三浦姫
エグゼクティブプロデューサー:奥田誠治
企画:鳥嶋和彦、佐藤敦
製作:山路則隆、堀義貴、西垣慎一郎、平井文宏、北上一三、松本輝起、大澤茂樹
プロデューサー:佐藤貴博、福田豊治、小橋孝裕
撮影監督:高間賢治
撮影:石川稔
美術:及川一
音楽:川井憲次
録音:岩倉雅之
照明:上保正道
編集:矢船陽介
キャスティング:吉川威史
ラインプロデューサー:大塚泰之
助監督:山口晃二、井原眞治、大津是
CGプロデューサー:豊嶋勇作
キャスト
夜神月:藤原竜也
L/竜崎:松山ケンイチ
弥海砂:戸田恵梨香
高田清美:片瀬那奈
出目川:マギー
西山冴子:上原さくら
佐伯警視庁長官:津川雅彦
松田:青山草太
宇生田:中村育二
相沢:奥田達士
模木:清水伸
佐波:小松みゆき
吉野綾子:前田愛
日々間数彦:板尾創路
夜神幸子:五大路子
夜神粧裕:満島ひかり
リューク:中村獅童
レム:ピーター
ワタリ:藤村俊二
夜神総一郎:鹿賀丈史

【L change the WorLd】

「L change the WorLd」(2008)
作品基本データ
製作国:日本
製作年:2008年
公開年月日:2008年2月9日
上映時間:128分
製作会社:日本テレビ=集英社=ホリプロ=読売テレビ=バップ=松竹=ワーナー・ブラザーズ映画=日活
配給:ワーナー・ブラザース映画
カラー/モノクロ:カラー
スタッフ
監督:中田秀夫
脚本:小林弘利
共同脚本:藤井清美
DEATH NOTE原作:大場つぐみ、小畑健
製作指揮:小杉善信
エグゼクティブプロデューサー:奥田誠治
COエグゼクティブプロデューサー:神蔵克、鳥嶋和彦、鈴木基之、椋樹弘尚
プロデュース協力:高橋雅奈
企画プロデュース:佐藤貴博
製作:山路則隆、堀義貴、西垣慎一郎、平井文宏、松本輝起、小岩井宏悦、馬場清
プロデューサー:田中正、飯塚信弘、小橋孝裕
撮影:喜久村徳章
美術:矢内京子
音楽:川井憲次
主題歌:レニー・クラヴィッツ
録音:小松将人
音響効果:柴崎憲治
照明:中村裕樹
編集:高橋信之
衣裳:宮本まさ江
ヘアメイク:吉野節子
キャスティング:吉川威史
助監督:佐伯竜一
装飾:橋本朗
製作担当:毛利達也、大内裕
企画協力:茨木政彦、佐々木尚、東秀人、相田聡一、吉田幸司
キャスト
L:松山ケンイチ
九條希実子:工藤夕貴
二階堂真希:福田麻由子
松戸浩一:平泉成
BOY:福田響志
小西朝夫:正名僕蔵
吉沢保:金井勇太
三沢初音:佐藤めぐみ
F:波岡一喜
加賀見シン:石橋蓮司
駿河秀明:南原清隆
南空ナオミ:瀬戸朝香
弥海砂:戸田恵梨香
FBI捜査官レイ:細川茂樹
松田桃太:青山草太
タクシー運転手:田中要次
夜神月:藤原竜也
ワタリ:藤村俊二
二階堂公彦:鶴見辰吾
的場大介:高嶋政伸
リューク:中村獅童(声の出演)

【デスノート Light up the NEW world】

「デスノート Light up the NEW world」(2016)
公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/deathnote2016/
作品基本データ
製作国:日本
製作年:2016年
公開年月日:2016年10月29日
上映時間:135分
製作会社:日本テレビ放送網=集英社=ホリプロ=ワーナー・ブラザース映画=松竹=読売テレビ放送=バップ=日活=電通==Hulu=D.N.ドリームパートナーズ=STV=MMT=SDT=CTV=HTV=FBS=日本テレビ系全国21社)(企画・製作幹事 日本テレビ放送網/企画協力 週刊少年ジャンプ編集部/制作プロダクション 日活=ジャンゴフィルム)
配給:ワーナー・ブラザース映画
カラー/モノクロ:カラー
スタッフ
監督:佐藤信介
特撮監督:神谷誠
脚本:真野勝成
原作:大場つぐみ、小畑健:((集英社ジャンプコミックス刊))
エグゼクティブプロデューサー:門屋大輔
プロデュース:佐藤貴博
企画:佐藤貴博
製作:中山良夫、木下暢起、堀義貴、福田太一、大角正、薮下維也、沢桂一、永山雅也、永井聖士、長澤一史、熊谷宜和
ゼネラルプロデューサー:奥田誠治
プロデューサー:田中正、飯塚信弘、佐藤譲
撮影監督:河津太郎
美術:斎藤岩男
装飾:西尾共未
音楽:やまだ豊
音楽プロデューサー:志田博英
主題歌:安室奈美恵:(「Dear Diary」)
劇中歌:安室奈美恵:(「Fighter」)
録音:横野一氏工
GAFFER(照明):小林仁
編集:今井剛
衣装:宮本まさ江
製作担当:中山泰彰、竹上俊一、大谷弘
助監督:李相國
スクリプター:田口良子
VFX:デジタルフロンティア
CGプロデューサー:豊嶋勇作、鈴木伸広
CGディレクター:土井淳
テクニカルプロデューサー:大屋哲男
キャスト
三島創:東出昌大
竜崎:池松壮亮
紫苑優輝:菅田将暉
弥海砂:戸田恵梨香
青井さくら:川栄李奈
七瀬聖:藤井美菜
松田:青山草太
御厨賢一:船越英一郎
L:松山ケンイチ
夜神月:藤原竜也
リューク:中村獅童
アーマ:沢城みゆき
ベポ:松坂桃李

(参考文献:KINENOTE)

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映画ウォッチャー 埼玉県出身。子供のころからSF映画が好きで、高校時代にキューブリックの「2001年宇宙の旅」を観たところ、モノリスに遭遇したサルの如く芸術映画に目覚め、国・ジャンルを問わない“雑食系映画ファン”となる。20~30代の一般に“青春”と呼ばれる貴重な時をTV・映画撮影現場の小道具係として捧げるが、「映画は見ているうちが天国、作るのは地獄」という現実を嫌というほど思い知らされ、食関連分野の月刊誌の編集者に転向。現在は各種出版物やITメディアを制作する会社で働きながら年間鑑賞本数1,000本以上という“映画中毒生活”を続ける“ダメ中年”である。第5回・第7回・第8回の計3回、キネマ旬報社主催の映画検定1級試験に合格。第5回・第6回の田辺・弁慶映画祭の映画検定審査員も務めた。