今後30年間の食の需要とバイテクは中国が主導する――アメリカ穀物協会が「FOOD 2040」を発表
戦術・戦略
FWJ編集部 2012年4月18日
アメリカ穀物協会(USGC。トーマス・C・ドール会長)は、今後2040年までの東アジアの食と農業の動向について調査し、4月18日「FOOD 2040――Infinite Opportunities」として発表した。報告書では、東アジアがバイオサイエンスをリードすることや、世界の食糧供給システムが中国の中産階級向けに再編されることなど6つの将来予測を提示している。
6カ国75名による将来予測
調査はアメリカ穀物協会が米国の将来予測コンサルティング会社Foresight Alliance社に委託し、消費者行動の分析で実績のある研究者クリストファー・ケント氏がプロジェクト総括責任者を務めた。
4月18日、駐日米国大使館と経団連が共催で発表会見を行い、食品、外食関連企業経営者らと報道機関に対して説明を行った。
調査は日米をはじめとする6カ国75名の専門家によってデルファイ法※で行った。報告書は、6つの洞察を柱としてレポートする内容となっている。
洞察1「生物科学は東へと進行」
中国をはじめとする東アジア諸国がバイオサイエンスをリードする。
現在、中国をはじめとする東アジア諸国はバイオテクノロジーに莫大な投資を行っている。この背景には、膨張する食糧需要がある。とくに中国がバイオサイエンスのリーダーシップを取りつつある。
一方、バイオテクノロジーの利用については、日本をはじめとする国々に根強い抵抗感があるが、これは今後現実のニーズの中、安全性の証明によって拭い去られていく。
洞察2「中国の欲するままに」
中国経済の成長と、莫大な人口による圧倒的な食糧需要により、世界の食糧供給システムが、中国の中産階級向けに再編される。
将来的には人口はインドが中国を上回るとされているが、この先30年間の期間では、中国が旺盛な需要を維持する。
世界の食品産業に関わるすべての企業と各国政府は、この状況への対応を迫られていく。日米両国が、これにどのように影響力を維持できるかは大きな課題になる。
洞察3「信用の獲得」
世界の食料品は、生産地と成分に関する情報の検証可能性が商品価値を大きく左右するようになる。東アジアの食品市場では、製品の安全性、品質、アイデンティティを実証できる企業が消費者の信頼を獲得し、主役を演じるようになる。
これを支えるのは、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、IT、流通システムである。
日本企業は、食品の安全基準が未発達な中国との取引の中でこれを実現してきた実績があり、この面で優位に立っている。


