洋酒文化の歴史的考察[33]VI 女性バーテンダーのさきがけ(2)戦前日本編
エイダ・コールマンの例にならい、日本の当時の一流ホテルに女性バーテンダーの名を探す。もしそこに名前が見つからなければ、探索は一挙に難しくなる。年号が昭和に変わって全盛期を迎えたカフェー、そこでおぼつかない手つきでシェーカーを振っていた「女給」という存在があるからだ。それでも見つかったある女性は、確かな腕を持つ名バーテンダーであったはずだが、その後の消息はつかめなくなってしまう。
今日、洋酒もカクテルも飲もうと思えば当たり前に飲める。しかし「これはいつごろから?」「昔はみんな何を飲んでいた?」と考えると、実はわからないことばかり。かと思えば、まことしやかな説を唱えて疑わない人も多い。その本当のところを知れば、今をもっと楽しめるはず。洋酒研究に血道を上げる筆者が、杳として見えない過去の扉を順に開いていきます(毎週水曜連載)。

エイダ・コールマンの例にならい、日本の当時の一流ホテルに女性バーテンダーの名を探す。もしそこに名前が見つからなければ、探索は一挙に難しくなる。年号が昭和に変わって全盛期を迎えたカフェー、そこでおぼつかない手つきでシェーカーを振っていた「女給」という存在があるからだ。それでも見つかったある女性は、確かな腕を持つ名バーテンダーであったはずだが、その後の消息はつかめなくなってしまう。

1961年北海道生まれ。周囲の誰も興味を持たないものを丹念に調べる楽しさに魅入られ、学生時代はロシアの文物にのめり込む。その後、幻に包まれた戦前の洋酒文化の調査に没頭し、大正、明治、さらに江戸時代と史料をあたり、行動は図書館にバーにと神出鬼没。これまでにダイナースクラブ会員誌「Signature」、「男の隠れ家」(朝日新聞出版)に誰も知らない洋酒の話を連載。研究は幻の酒アブサン(Absinthe)にも及び、「日経MJ」に寄稿したほか、J-WAVE、FM静岡にも出演。こよなく愛する酒は「Moskovskaya」。