食品安全情報(化学物質)No.14(2012.07.11)

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.14(2012.07.09)を発表した。コーデックス委員会は動物用医薬品ラクトパミンの豚・牛への最大残留基準を採択した。欧州食品安全機関は、毒性学的懸念の閾値概念に基づく健康リスク評価についての意見を発表した。英国食品基準庁は、ミラクルミネラルサプリメント(MMS)は、摂取すると健康被害をもたらし得ると再度警告している。

注目記事

【WHO/FAO、EU、USDA】コーデックス委員会でのラクトパミンの基準採択

 2012年7月5日、コーデックス委員会総会において動物用医薬品ラクトパミンの豚および牛への最大残留基準(MRL)が採択された。これに対し、ラクトパミンの使用を認めていないEUは不当な採択だとのコメントを発表し、使用を認めている米国農務省(USDA)は長官が採択を歓迎するコメントを発表した。

※ポイント:ラクトパミンの採択については、反対派であるEUおよび中国等と賛成派の米国およびカナダ等の間で長い間対立してきました。今回、食品の安全性確保および貿易上の指標として重要となる国際基準の結着がついたことでこの問題は収束しそうに思われます。

 しかし、今回の採択が僅差だったことや、台湾でラクトパミンの残留を理由に米国産牛肉の輸入が政治問題になっていることなどを考えると、ラクトパミンの議論は今後も続く可能性があります。

 コーデックス委員会の総会では、他に液体乳児用調製乳のメラミン最大基準および乾燥イチジクのアフラトキシン最大基準などを採択しています。

【EFSA】毒性学的懸念の閾値(TTC)概念に基づくヒト健康リスクについて助言する際の選択肢についての科学的意見

 欧州食品安全機関(EFSA)による意見募集が終了し、毒性学的懸念の閾値(TTC)に関する最終意見が公表された。

※ポイント:TTCは、主に不純物や低濃度汚染物質について、化合物の化学構造や毒性学的特性をもとに、この程度なら食品中に存在していても明らかな健康影響はないだろうというレベル(閾値)を設定しようというものです。

 TTCを食品のリスク評価に取り入れることによって、食品中に低濃度に存在する化合物について必ずしも動物試験をする必要はなくなりますし、既存の毒性データの有効活用にもなります。食品分野では、EFSAおよびJECFAの香料評価に利用されていますが、その利用範囲は今後広がるものと思われます。

【FSA】FSAは塩素溶液に警告

 英国食品基準庁(FSA)がミラクルミネラル溶液(MMS)について再度警告している。

 MMSはミラクルミネラルサプリメントとも呼ばれ経口摂取用サプリメントとして販売されているが、28%亜塩素酸ナトリウム溶液であり、摂取すると健康被害をもたらす可能性がある。

※ポイント:MMSについては2010年に各国から警告が出されていますが、インターネットなどで販売が継続されているのか、再度警告が出されました。日本でも2010年10月26日付で注意が喚起れていますので参考にして下さい。

《厚生労働省》個人輸入において注意すべき医薬品等について
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1.html

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(化学物質)No.14(2012.07.11)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2012/foodinfo201214c.pdf

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