グリホサートのハザード評価

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.07(2017.03.29)を発表した。

注目記事

【ECHA】欧州化学品庁(ECHA)はグリホサートを発がん物質とは分類しない

 ECHAのリスク評価委員会(RAC)は、グリホサートを目に傷害性があり水棲生物に有害であるという現在の統一分類を維持することに合意した。RACはCLP規則に準じて、入手可能な科学的根拠はグリホサートを発がん物質、変異原性物質あるいは生殖毒性と分類する基準に合致しないと結論した。この分類は物質のハザードのみに基づくものである。暴露の可能性は考慮せず、従って暴露リスクについても考慮しない。認可を更新するかどうかは暴露によるリスクも考慮される。

※ポイント:グリホサートについてEUでも「発がん物質とは分類しない」という結論がでました。しかも今回は国際がん研究機関(IARC)と同じく暴露を考慮していないハザード評価での結論という点が重要ポイントです。今回のECHAの発表を受けて、現在延期されている認可に関する議論が再開されるでしょう。

【APVMA】APVMAはグリホサートを公式に再検討する理由はないことを発見

 オーストラリア農薬・動物用医薬品局(APVMA)は、オーストラリアでのグリホサートの使用はヒトがんリスクとはならず、グリホサートを含む製品はラベルの指示に従って使えば安全であると結論し、完全再検討は必要ないと決定した。

【EU】公的コントロールに関する規制採択についてのAndriukaitisコミッショナーの声明

 欧州議会が、欧州委員会の提案した各国のヒト、動物、植物へのリスクを排除あるいは減らす能力を強化する新しい公的管理規制(Regulation on Official Controls)を採択した。この規制はアグリフードチェーン全体の健康と安全基準の執行を強化する対策のパッケージを提供する。

※ポイント:ここ数年、諸外国では食品安全規制が大幅に見直されています。これは2013年に欧州委員会で採択された規則で、既存の欧州議会及び理事会規則(EC)No 882 /2004に代わるものです。必要のない内容は削除し、よりリスクに基づきITシステムを利用するなど、現代の状況に合わせたものとなります。

【EFSA】農薬評価への新しい道筋

 欧州食品安全機関(EFSA)は、疫学研究をリスク評価により効果的に利用できるようにするための新しいアプローチとして有害性転帰経路(AOP)の採用を検討している。

※ポイント:AOPは、経済協力開発機構(OECD)が取り組んでいるアプローチで、ある化学物質に暴露した時の最初の細胞レベルでの初期影響から様々な段階を介して最終の有害影響が発現するまでの、その一連の複雑な経路(メカニズム)を明らかにするというものです。EFSAは、AOPを確立することで、疫学研究で得られた結果の生物学的妥当性を検討しようとしています。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.07(2017.03.29)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2017/foodinfo201707c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. 国際がん研究機関(IARC):グリホサートはECHAにより発がん性とは分類されない
2. モノグラフ会合予定

【EC】
1. 欧州化学品庁(ECHA):ECHAはグリホサートを発がん物質とは分類しない
2. 公的コントロールに関する規則採択についてのAndriukaitisコミッショナーの声明
3. GM食品及び飼料認可申請に関するパブリックコメント募集
4. 食品ロスと廃棄に関するEUプラットフォーム会合
5. アルコール表示
6. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1.「パーキンソン病と小児白血病に関連する可能性がある農薬の、実験毒性学的性質の調査」PPRパネルの科学的意見案についてのパブリックコメント募集
2. 農薬評価への新しい道筋
3.「複数の化学物質への複合暴露のヒト健康と生態学的リスク評価方法論の統一」に関するガイダンス文書の開発権限についてのパブリックコメント募集結果
4. 発育神経毒性の試験と評価のための統合アプローチに関するワークショップの報告書
5. EFSAの科学的評価の改訂を検討する科学的動機と基準
6. 食品添加物としてのグリセロール(E 422)の再評価
7. 食品添加物としての大豆ヘミセルロース(E 426)の再評価
8. 香料グループ評価:香料グループ評価57改訂1(FGE.57Rev1)についての科学的意見:JECFA(第55回会合)で評価されたイソプレゴンと3つの香料物質の検討
9. 遺伝子組換え関連

【FSA】
1. 2017年3月15日のFSA理事会の議事録
2. Cleone Foodsは不正確な表示のためパテをリコール

【FSS】
1. スコットランド食品基準庁はスコットランド市民に不健康な間食習慣をやめるよう呼びかける
2. スコットランド食品基準庁は自宅の外で食べる食品への対応を呼びかける

【HSE】
1. PRiF:残留農薬モニタリング報告書
2. グリホサートと同時調整剤POE獣脂アミンを含む植物保護製品

【BfR】
1. 農薬の累積評価:認可プロセスの一部となるBfRの概念
2. 実験動物のよりよい保護

【RIVM】
1. NANoREG結果リポジトリ

【FSAI】
1. 未認可販売者からのアルコール飲料購入に関する警告

【EVIRA】
1. 食品の使用制限

【FDA】
1. コロラドの未承認医薬品とダイエタリーサプリメントメーカーが連邦法違反で操業停止を命令される
2. 警告文書

【EPA】
1. FIFRA科学助言委員会会合議事録と最終報告書:EPAのグリホサートの発がん性評価に関して

【USDA】
1. Lakes Farm Raised Catfish社はナマズ製品を異物混入の可能性のためリコール
2. 汚染ブラジル産食肉について:米国には入っていない、100%再監視されている

【NIH】
1. ファクトシート
2. 衛生専門家向け

【FTC】
1. FTCとの合意でダイエット錠剤事業者による根拠のない減量宣伝とスパム電子メールマーケティングを禁止

【CFIA】
1. ダイオキシン汚染による飼料成分の自主回収

【FSANZ】
1. 食品基準通知

【APVMA】
1. ジメトエート化学物質レビュー
2. 申請者向けガイド-国際データ、基準、評価の提出
3. APVMAはグリホサートを公式に再検討する理由はないことを発見
4. 汚染された農業獣医用製品が調査と自主回収されている

【TGA】
1. 安全性警告:Change Me Herbal Slimming 錠剤

【MPI】
1. ニュージーランドの2016年のミツバチコロニー消失はポジティブな結果
2. ミラクルウォーターはバイオセキュリティリスクとなる

【香港政府ニュース】
1. ブラジル産食肉関連

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. ブラジル産鶏肉の輸入段階の検疫・検査強化
3. ブラジルの腐敗鶏肉の国内輸入はない
4. 海外インターネット直輸入食品購入の注意!
5. 食品中のアクリルアミドの低減実現
6. 食品医薬品安全処、国民と直接コミュニケーションします
7. 食品用ガラス器具・容器の正しい使い方!
8. 食品医薬品安全処「危害食品販売遮断システム」の拡大に安心なショッピング環境づくり
9. 食品医薬品安全庁、国内・外の流通粉ミルク製品の放射能検査の結果発表
10. コーデックス抗生物質耐性の特別委員会の議長任命式及び第1次専門家諮問会議の開催

【AVA】
1. AVAはブラジルからの食肉の輸入を監視している

【FSSAI】
1. シナモンとカシアについてのガイダンス
2. プレスリリース:食用油業界と強化について

【その他】
・(ProMED-mail)有毒茶 アコニチン 米国:(カリフォルニア)
・(EurekAlert)知見は出産前のDHAサプリメントは子どものIQに利益がないことを示す
・(EurekAlert)エネルギードリンクはアルコールの影響をマスクし怪我のリスクを増やす

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