NOAELからBMDへ

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.04(2017.02.15)を発表した。

注目記事

【EFSA】改訂:リスク評価のベンチマーク用量アプローチの利用

 欧州食品安全機関(EFSA)は、2009年発表のリスク評価におけるベンチマーク用量(BMD: Benchmark Dose)アプローチの利用に関するガイダンスの改訂版を作成した。この改訂版には、BMD分析を段階的に行えるようにするためのフローチャートや報告に用いるテンプレートも含まれている。BMDアプローチについては、一つの数理モデルに限定するのではなく、すべてのモデルから得られた結果を考慮するという「モデルの平均化」を推奨するとともに、リスク評価の基準点(Reference Point)には従来の無毒性量(NOAEL)よりもBMDアプローチを用いる方が科学的により進んでいるとしている。

※ポイント:この改訂版を読むと、食品中化学物質のリスク評価が、動物試験の投与量をもとにしたNOAELから、より洗練されたBMDアプローチへと今後シフトして行くことがうかがえます。

【EFSA】動物の抗菌剤の使用を減らし、置き換え、考え直す時が来た

 EFSAと欧州医薬品庁(EMA)が、EU諸国による食料生産動物(food-producing animals)の抗菌剤の使用を減らすための措置と抗菌剤耐性(AMR)への影響についてレビューした共同報告書の公表を受けて、EFSAは今後の予定を含めた概説とインタラクティブインフォグラフィックを公表した。

※ポイント:EUは食料生産動物への抗菌剤使用とAMR対策の関係についてとても真剣に取り組んでいます。今年中に他にもいくつか報告書の公表を予定しているので注意しておくと良いでしょう。

【ANSES】ANSESはフランス人のための食品摂取ガイドラインを改訂する

 フランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)はフランスの成人のための食品摂取ガイドラインの改訂に関する意見と報告書を発表した。この作業では、初めて、食品中の特定の化学汚染物質の存在に関する課題を考慮したうえで、成人の栄養必要量を満たす主な食品グループ用摂取ガイドラインの作成を目的とした。

※ポイント:この食品摂取ガイドラインは、従来の各栄養素をどの程度摂取するのが良いのか、特定の汚染物質への暴露を低減するにはどうすべきか、という視点ではなく、複数の汚染物質への暴露を一緒に考慮して疾病リスクとの関連性も合わせて、どのような食品をどの程度食べるとよいのかまで検討している点が非常に斬新です。

【BfR】食品中のピロリジジンアルカロイドについてのFAQ

 ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)は、ピロリジジンアルカロイド(PA)の問題に関するQ&Aをまとめた。これまでにもBfRはPAのQ&Aを公表しているが、より詳しい内容に更新されている。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.04(2017.02.15)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2017/foodinfo201704c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. 国際がん研究機関(IARC)

【FAO】
1. コーデックス委員会

【EC】
1. 食品および飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 改訂:リスク評価のベンチマーク用量アプローチの利用
2. 2016年以降に出された情報向けの、EC指令 2003/99/ECに従う食品由来アウトブレイクに関する報告マニュアル
3. 2016年以降に出された情報向けの、EC指令 2003/99/EC および EU決定 2013/652/EUの枠組みにおける抗菌剤耐性に関する報告マニュアル
4. 動物の健康に関するリスク評価のためのデータ収集(頭字語:DACRAH):最終報告
5. 抗菌剤および殺虫剤として農薬に使用する塩(海塩)(塩化ナトリウム)の基本物質申請についての加盟国とEFSAの意見募集結果
6. 健康強調表示関連7. 飼料添加物関連

【FSA】
1. Great Northern Sandwich Coは汚染の可能性があるとして鶏肉6製品をリコール
2. 我々の将来を規制するニュースレター第3報

【MHRA】
1. MHRAは「DMAA 対策週間」を開始

【NHS】
1. Behind the headlines: 妊娠中にリコリス(甘草)を食べるとADHD疾患のリスクがあがる?

【ASA】
1. ASA裁定

【BfR】
1. 食品中のピロリジジンアルカロイドについてのFAQ
2. BfRで朝食を – 確実に!
3. 食品サプリメント―リスクのないトレンド?

【RIVM】
1. オランダの安全で健康的で持続可能な食事:政策に組み込む機会

【ANSES】
1. ANSESはフランス人のための食品摂取ガイドラインを改訂する
2. 2017:日々の暴露に直面し、新興リスクを未然に防ぐ

【FSAI】
1. FSAI相談ラインは2016年に3,202件の食品苦情を受け取った

【FDA】
1. 食品ガイダンス文書についてFDAと協力する方法
2. 本当に「FDA認可?」か
3. 公示
4. 警告文書
5. リコール
6. 連邦判事はカリフォルニアのダイエタリーサプリメント販売業者Regeneca Worldwideとの同意判決を承認

【USDA】
1. バイオテクノロジー規制改定案の意見募集期間を2017年6月19日まで延長

【CFIA】
1. 企業向け通知-ブリティッシュコロンビアにおけるナミガイのマリンバイオトキシンモニタリング

【FSANZ】
1. 食品基準通知

【TGA】
1. 安全性助言
2. 意見募集:補完医薬品規制枠組み改革:評価の経路

【MPI】
1. MPIはBay of Islands全体の貝に警告

【香港政府ニュース】
1. ダイエット商品に警告

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 調理・加工中に自然に発生するベンゾピレン!果物、野菜と一緒に食べると安心できます!
3. 2017年の健康機能食品の再評価はこのように実施されます!
4. 低価格の子供嗜好食品メーカーの特別点検の結果
5. 遺伝子組換え食品の表示、消費者情報提供範囲の拡大
6. ベンゾピレンが基準を超過して検出されたごま油などの回収措置

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(ProMED-mail)キャッサバ中毒 ベネズエラ
・(ProMED-mail)Haff病-ブラジル(第2報):(BAHIA)
・(ProMED-mail)Haff病-モデルになるかも
・(EurekAlert)専門家がサプリメントの背後に隠された危険を顕わにする
・(EurekAlert)グルテンフリー食はヒ素、水銀暴露リスクを増やすかもしれない

FWJ編集部
About FWJ編集部 1964 Articles
Food Watch Japan の運営および取材、執筆、編集を行っています。