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乳児用ホメオパシー製品問題

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国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.22(2016.10.26)を発表した。

注目記事

【TGA】安全性警告 ホメオパシー生歯製品

 オーストラリアTGAは、米国食品医薬品局(FDA)がホメオパシー生歯製品(錠剤、ゲル)による乳幼児へのリスクについて安全性警告を出したことを受けて、消費者や医療従事者に助言した。TGAは国内で販売されている製品の緊急検査を行っている。

※ポイント:前号でご紹介した米国FDA警告に関連した記事です。このホメオパシー製品は、赤ちゃんの乳歯が生えかけの時のむずかりをなだめることを目的に販売されています。FDAは2010年にもHyland’s生歯錠剤の子どもへの使用について警告を出しており、その際は製品に含まれるベラドンナが原因と考えていました。今回問題になっている製品についてはまだ原因は特定されておらず、FDAが2010年以降の有害事象報告を解析しているところです。

 ホメオパシー製品やダイエタリーサプリメントによる有害事象報告について、海外では米国FDAのMedWatchやヘルスカナダのMedEffect™ Canada、フランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)のニュートリビジランスシステムのように、消費者や医療従事者から報告を収集するためのシステム作りが行われています。日本にはそのようなシステムがないために、実際に何によってどの程度の有害事象が発生しているのかを検証できない状況で、海外に比べて消費者の健康被害の発生予防につながる取り組みが遅れている印象があります。

【BfR】ピロリジジンアルカロイド:食品中の濃度はできるだけ低く維持すべき

 ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)はここ数年、1,2不飽和ピロリジジンアルカロイド(PAs)による食品汚染問題に取り組んでいる。PAsは捕食者を回避するために植物が産生する二次代謝物である。それらは肝臓への毒性影響や動物実験で変異原性と発がん性があるため食品には好ましくない。紅茶、緑茶、ハチミツと同様にルイボスティーを含む汚染されたハーブティーが、消費者がPAsを摂取する可能性のある主な摂取源である。ある種の植物ベースの食品サプリメントもPAsの摂取源となりうる。消費者の総PA摂取量は可能な限り低くするべきである。

※ポイント:海外では食品中のPAsが注目されています。下記URLのpdfファイルで食品安全情報の過去記事をまとめてご紹介しておりますので参考にして下さい。

「ピロリジジンアルカロイドについて」
その1 http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/chemical/pyrrolizidine/pyrrolizidine.pdf
その2 http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/chemical/pyrrolizidine/pyrrolizidine-2nd.pdf

【EFSA】ビスフェノールA:新しい免疫系の根拠は有用ではあるが限定的

 欧州食品安全機関(EFSA)は、ビスフェノールA(BPA)に関する2016年RIVM報告書の結論の基となった最近の証拠について評価するようオランダ保健・福祉・スポーツ省から要請された。EFSAの専門家が新たにMénardらの二つの研究をレビューしたところ、BPAは動物の免疫系に影響する可能性があるというEFSAのこれまでの結論を確認したものの、その実験デザインと方法には重要な限界があり、ヒト健康について何らかの結論を出すには根拠はあまりにも少ないと結論した。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.22(2016.10.26)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2016/foodinfo201622c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. 抗菌剤耐性とは? オンラインQ&A
2. ファクトシート:ダイオキシンとそのヒト健康影響
3. 国際がん研究機関(IARC):ペンタクロロフェノールといくつかの関連化合物の発がん性

【FAO】
1. 農業は温室効果ガス排出削減に大きな役割を果たす

【EC】
1. ヒトと動物の健康:抗菌剤耐性行動計画の評価は欧州の行動の明確な付加価値を示す
2. 食品獣医局(FVO)査察報告:ドイツ
3. 食品および飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. ビスフェノールA:新しい免疫系の根拠は有用ではあるが限定的
2. 2015年新興リスクについてのEFSAの活動
3. 食品と接触する物質関連
4. 健康強調表示関連
5. 遺伝子組換え関連
6. 新規食品関連

【FSA】
1. FSA長官が我々の将来の規制について語る
2. 将来の食品規制についてのFSAの声明
3. Milegate社はMystry 乾燥Pangash魚を化学汚染のためリコール

【FSS】
1. スコットランド食品基準庁はスコットランドでの外食に緊急対応を呼びかける
2. FSSの消費者追跡調査ではスコットランド人の多くが健康的食事助言に従っていないことが確認された

【PHE】
1. ガイダンス文書更新

【NHS】
1. Behind the headlines

【BfR】
1. 化学物質による消費者の安全性を高めるための暴露モデルとより良いデータ収集
2. BfR MEAL Studyのインフォグラフィクス
3. ピロリジジンアルカロイド:食品中の濃度はできるだけ低く維持すべき
4. 食品チェーンの安全性を高めるデジタルツール
5. 母乳育児―持続可能な進展へのカギ
6. 内分泌撹乱化学物質の同定のための科学的基本原則:コンセンサス声明

【ANSES】
1. 3才未満の子ども用のプラスチックのおもちゃや道具の安全性に関するANSESの意見

【FSAI】
1. FSAIは食品事業者にアレルゲンの同定とカロリー計算の補助のためにMenuCalを使うよう再度確認する

【FDA】
1. 最初の大きなFSMA遵守日を迎えて、何がおこるか
2. 警告文書

【CFIA】
1. 食品リコール警告 ソイレントブランドフードバーが病気の報告のためリコール

【FSANZ】
1.年次報告書2015-2016
2. 消費者表示調査2015

【APVMA】
1. 規制上の立場:グリホサートの公式再検討のための根拠の検討

【TGA】
1. 安全性警告 ホメオパシー生歯製品

【MPI】
1. 公衆衛生警告-貝のマリンバイオトキシン
2. 食品安全規則に意見募集

【HSA】
1. HSAは表示されていない医薬品成分を含み患者に有害影響を引き起こした「LONGRED Oyster-x」および「LifeSparks 100% ナチュラル鎮痛サプリメント」について警告

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(ProMED-mail)有毒藻類 米国:(第9報):(マサチューセッツ、ロードアイランド)貝
・(ProMED-mail)中毒、ベラドンナ 米国:ホメオパシー生歯製品疑い
・(EurekAlert)米国でダイエタリーサプリメントの使用は変わらず;マルチビタミン使用は減少
・(EurekAlert)海洋生物への福島事故の影響、5年後
・(EurekAlert)エネルギードリンクとアルコールを混ぜることは青少年の脳にコカインのように影響する可能性がある
・(EurekAlert)カルシウムとビタミンDサプリメントの新しいガイドライン

執筆者

FWJ編集部
FWJ編集部
Food Watch Japan の運営および取材、執筆、編集を行っています。