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殺生物活性物質のリスク推定

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食品安全情報(化学物質)No.09(2016.04.27)

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.09(2016.04.27)を発表した。

注目記事

【EFSA】新規食品、伝統食品――EFSAは関係者にガイダンス文書について解説

 新規食品に関する新しいEU規則が2015/2283が2018年1月に発効するにあたり、EFSA(欧州食品安全機関)が新規食品の販売認可と第三国の伝統食品の届出について、各々の準備方法と関連書類に関する二つのガイダンス案を作成した。ブリュッセルで関係者が意見を出し合うための会議が開催されるとともに、2016年4月21日までパブリックコメント募集を行っている。ガイダンス案は2016年9月までに最終化される予定である。

※ポイント:EUでは第三国の伝統食品も新規食品の一つと見なされます。従って、販売前に安全性を確認するために、申請者は、組成データ、25年以上の安全な食経験があること、製造工程、安定性、誰がどのように食してきたか、懸念される取扱い、アレルギー等の可能性がある集団に関することなど、多様な情報を提出する必要があります。この「新規食品」の規制の考え方は、EUと日本で大きく異なることの一つでしょう。

【BfR】食品中の残留殺生物剤への消費者暴露を推定するためのBfR計算機

 EU規則No.528/2012では、殺生物活性のある物質を含む製品のリスク評価を求めている。その評価には食品および飼料中の残留評価が含まれる。一般の使用者が家庭内で殺生物剤を使用することで、食品が殺生物剤に暴露されることがある。これは、食品への直接的暴露、あるいは表面に殺生物剤が付着したものが食品と接触することで起こりうる。

 ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)と欧州化学庁(ECHA)の作業部会は「食品への殺生物活性物質の移行による食事リスク推定に関するガイダンス案―― 一般使用者」を作成した。またBfRは、その暴露推定を容易に行うために、さまざまなシナリオでの暴露を計算するためのエクセルツールを開発した。

※ポイント:殺生物剤とは殺虫や殺菌目的に使用される消毒剤などのことで、作物に使用される農薬とは別の分類として考えられています。欧州では2013年に殺生物剤(バイオサイド)に関するEU規則(No.528/2012)が施行され、BfRが中心となってEFSAやECHAとともに食品中の殺生物剤について議論を続けています。これまで、最大残留基準(MRL)設定方法に関する議論も行われています。そのような状況の中で、今回、リスク評価で暴露推定に用いる計算ツールが開発されたのは画期的なことと思われます。

【FDA】FDAはマレーシア半島の輸入エビや小エビに輸入警告を発表

 米国食品医薬品局(FDA)は、2016年4月14日、出張所が物理的検査無しにマレーシア半島からの輸入エビと小エビを留置する可能性があると発表した。検査でマレーシア半島産輸入品の約1/3がニトロフランおよび/またはクロラムフェニコールを含むことが判明したためである。この措置は、2014年10月1日から2015年9月30日の残留検査の結果に基づく。該当の輸入業者を輸入警告対象にしたが、マレーシアのSabahと Sarawak州についてはこの輸入警告の対象ではない。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.09(2016.04.27)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2016/foodinfo201609m.pdf

今号の目次

【EC】
1. 委員会スタッフワーキング文書 小さい子ども用ミルク:背景情報
2. 肥料としてのカルシウムシアナミド使用によるヒト健康と環境へのリスクについてのSCHERの最終意見
3. 子どもが飲み込むおもちゃ材料の推定量についての最終意見
4. 食品および飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 亜硫酸塩の安全性を「十分確認」するにはさらなるデータが必要
2. シガトキシン食中毒との闘い―欧州の科学者は協力する
3. 新規食品、伝統食品―EFSAは関係者にガイダンス文書について解説
4. 遺伝子組換え関連
5. インフォグラフィック:リスク評価vsリスク管理 -何が違う?-

【PHE】
1. 放射線:PHE-CRCE報告書シリーズ
2. 化学ハザードと中毒報告:記事の目次
3. 化学ハザードと中毒報告

【NHS】
1. Behind the headlines:研究が、バターを捨てて植物油にすることは心疾患を予防しないと主張する

【BfR】
1. 内分泌撹乱物質:ホルモン系に影響する物質の評価のための基本原則についての科学的議論
2. リスク評価への参加-欧州リスク評価とリスク管理機関のリスクガバナンス方式
3. 食品中の残留殺生物剤への消費者暴露を推定するためのBfR計算機

【RIVM】
1. オランダのポリ臭化ジフェニルエーテルの食事暴露
2. 情報目録報告書2016:オランダの国境を越える大気汚染物質1990-2014

【FSAI】
1. ニコチン酸過剰使用のリスクのためMusclepharm Assaultハイブリッドシリーズサプリメントリコール

【FDA】
1. FDAは例外乳児用調製乳の生産についての最終ガイダンスを発表
2. FDAはトウモロコシマサ粉に葉酸強化を認可
3. FDAはマレーシア半島の輸入エビや小エビに輸入警告を発表
4. リコール
5. 警告文書

【USDA】
1. USDAは家禽の生活条件を含むオーガニック家畜家禽服務規程の改定案を提案し意見を募集する
2. USDAは食品安全訓練、アウトリーチ、技術的援助のために470万ドルが利用可能だと発表
3. USDAの、食品廃棄を減らし病気を予防するためのコツ

【CFIA】
1. 食品リコール警告更新(アレルゲン)-SoyspringブランドのLadies’ 豆乳が表示されていない乳成分のためリコール

【FSANZ】
1. 食品基準ニュース 2016年4月

【APVMA】
1. パーキンソン病と農薬規制
2. 国際データ、評価、基準、決定の使用についての二つのユーザーガイドに関係者の意見募集
3. データガイドライン

【TGA】
1. 安全性助言

【NSW】
1. NSW北部中部沿岸の漁師へのシガテラ助言

【MPI】
1. 公衆衛生警告-貝のマリンバイオトキシン
2. 健康警告– Hawkes 湾–貝のマリンバイオトキシン

【MFDS】
1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 食肉加工品の肉含有量の表示義務化など、消費者の情報提供を強化
3. 私たちが食べる団体給食、ベンゾピレンは心配しないでください!

【その他】
・(ProMED-mail)鉛、水 米国:(第4報):学校
・(ProMED-mail)化学物質中毒-中国:児童
・(EurekAlert)診断された甲状腺がん発生率は横ばいになっているかもしれない
・(EurekAlert)バターはぬれぎぬを着せられた?
・(EurekAlert)コメ、コメ製品を食べる乳児の尿中ヒ素濃度は高い
・(EurekAlert)新しい研究は洗剤パックが他のタイプの洗剤より危険であることを発見
・(EurekAlert)科学者が世界で最も重要な3つの作物の疾患耐性に進歩
・(デンマーク工科大学国立食品研究所)食品中無機ヒ素の量を測定する新しい方法
・(デンマーク工科大学国立食品研究所)ビスフェノールAは低用量で生殖系と行動に影響を与える可能性がある

執筆者

FWJ編集部
FWJ編集部
Food Watch Japan の運営および取材、執筆、編集を行っています。