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エリザベトキンギアの感染症

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国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.08(2016.04.13)を発表した。

注目記事

【米国疾病予防管理センター】エリザベトキンギア・アノフェリス感染アウトブレイク

 米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)、ウィスコンシン州保健局(WDHS)、およびミシガン州保健福祉局(MDHHS)は、通常は環境中に存在するエリザベトキンギア・アノフェリス(Elizabethkingia anophelis)と呼ばれる細菌による感染症のアウトブレイクを調査している。

 本アウトブレイクの確定患者は、2016年3月30日までに、ウィスコンシン州から56人(うち死亡者17人)、およびミシガン州から1人(死亡)が報告されている。現在までに特定された感染患者の大多数は血流感染であるが、呼吸器系や関節などその他の部位からElizabethkingiaが分離された患者も何人かいる。

 本アウトブレイクのElizabethkingia感染患者の大多数は65歳以上であり、全員が重篤な基礎疾患に罹患していた。本アウトブレイクに関連した死亡の原因が、Elizabethkingia感染、患者の基礎疾患、またはその両方であるかについてはまだ明らかではない。

 Elizabethkingia属は環境中(水や土壌)に広く存在する細菌であるが、ヒトの感染症の原因になることはまれである。CDCは、医療用品、水源、環境など、可能性があるさまざまな感染源由来の検体の検査を支援しているが、感染源はまだ特定されていない。

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所】肥育家禽中の抗菌剤耐性病原菌を低減させるためのプロジェクト研究

 ドイツ連邦食糧農業省(BMEL)は、共同研究プロジェクト「肥育家禽中の抗菌剤耐性病原菌に対する包括的な低減策の開発(EsRAM)」への資金援助が承認されたことを発表した。

 Free大学が統括する共同研究プロジェクトEsRAMにおいて、ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR : Bundesinstitut für Risikobewertung)は、肥育家禽における抗菌剤耐性菌の汚染率を低下させるため、研究コミュニティおよび家禽業界の共同研究者と協力して解決策を確立する予定である。この共同研究プロジェクトは、ドイツ連邦議会の議決にもとづきBMELから計246万ユーロの資金援助を受けることになった。

 家禽肉での抗菌剤耐性病原菌の検出率は、牛肉および豚肉よりもはるかに高い。本プロジェクトでは、研究者コミュニティおよび家禽業界に所属する計10チームが研究を分担しており、家禽業界の慣習にもとづく解決策の確立に携わっている。

 この共同研究プロジェクトでBfRは2つの研究テーマに重点を置いている。

 最初のテーマでは、BfRの研究者は家禽の食鳥処理・解体・加工の現行の工程を分析する予定である。家禽肉生産過程における細菌の拡散を最小限に抑えるために、具体的な行動を伴う多様な対策を創出することが目的で、とくに、家禽の食鳥処理・解体・加工、洗浄・消毒システム、および細菌数が減少するような生産・包装方法の技術的改善に重点が置かれている。

 BfRは2番目のテーマで、家禽生産者、食鳥処理場、および加工施設向けに、データベースにもとづく書類作成および評価用の電子的システムを開発する。

【米国疾病予防管理センター他】リステリアおよびその感染リスクの低減策

 Dole社の加工施設(オハイオ州Springfield)で製造された包装済みサラダ製品に関連して複数州にわたり発生したリステリア症アウトブレイク(食品安全情報 微生物 No.03 2016.02.03参照)は終息したと考えられる。

 カナダ公衆衛生局(PHAC: Public Health Agency of Canada)は、連邦および各州の公衆衛生当局、米国疾病予防管理センター(US CDC)および米国食品医薬品局(US FDA)と協力し、米国内の加工施設(オハイオ州Springfield)で製造されたDoleブランドおよびPC Organicsブランドの包装済みサラダ製品に関連して発生したリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイクを調査した。本アウトブレイクは感染源が特定され汚染製品が市場から回収されたため、アウトブレイク調査調整委員会は解散し、調査はまもなく終了する予定である。

カナダ食品検査庁(CFIA)が行った検査の結果により、回収対象の包装済みサラダ製品と5州にわたり発生したリステリア症アウトブレイクとの間に関連が確認された。また、PHACが行った検査および解析の結果より、カナダと米国のリステリアアウトブレイク株の間に高度な遺伝学的関連が確認された。

 米国ではリステリアが生命を脅かす重篤なヒト疾患の重要な原因となっていることに変わりはない。リステリアおよびその感染リスクの低減策に関する詳細情報は、米国疾病予防管理センター(US CDC)のWebサイト(http://www.cdc.gov/listeria/definition.html)から入手可能である。

(注目記事のまとめ:Food Watch Japan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.08(2016.04.13)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2016/foodinfo201608m.pdf

今号の目次

【汎アメリカ保健機構(PAHO)】
1. コレラの流行に関する更新情報(2016年3月9日付)

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 複数州にわたり発生しているエリザベトキンギア・アノフェリス(Elizabethkingia anophelis)感染アウトブレイク(初発情報)
2. Dole社の加工施設(オハイオ州Springfield)で製造された包装済みサラダ製品に関連して複数州にわたり発生したリステリア症アウトブレイク(最終更新)

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知-Dole社の加工施設(米国オハイオ州Springfield)で製造された包装済みサラダ製品に関連して発生したリステリア感染アウトブレイク(最終更新)

【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. 欧州疾病予防管理センター(ECDC)および欧州食品安全機関(EFSA)による合同迅速リスクアセスメント:溶血性尿毒症症候群(HUS)を伴い複数国にわたり発生している志賀毒素産生性大腸菌(STEC)感染アウトブレイク

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. 清浄化または移送が行われないクラスBおよびC採捕水域産の活二枚貝に適用される病原微生物除去のための熱処理について、現行の欧州連合(EU)規則とは異なる方法の評価

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)における研究:肥育家禽中の抗菌剤耐性病原菌を低減させるためのプロジェクト研究がスタート

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報

執筆者

FWJ編集部
FWJ編集部
Food Watch Japan の運営および取材、執筆、編集を行っています。