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豚肉からのE型肝炎感染問題

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国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.07(2016.03.30)を発表した。

注目記事

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所】豚肉等によるE型肝炎に関するQ&A

 ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR : Bundesinstitut für Risikobewertung)およびその他の研究機関が最近行った調査によると、ドイツ国内の飼育ブタの40〜50%、およびドイツで射殺されたイノシシの2〜68%がE型肝炎ウイルス(HEV)に以前に感染したことがあるか、現在もこれを保有している。

 特徴的なこととして、ブタおよびイノシシはHEVに感染しても臨床症状を呈さない、すなわち肝炎を発症しないということが挙げられる。しかし、ヒトはHEVに感染すると肝炎(E型肝炎)を発症するリスクがある。

 近年、ドイツのE型肝炎の報告患者数は急増している。2014年は計670人、2015年は計1,246人の患者の届け出があった。報告患者数の増加の正確な原因は現時点では不明である。

 HEVは、以前は、主に衛生管理が不十分なため飲用水および食品がHEVに汚染されている可能性があるアジア、アフリカおよび中米の一部の国への旅行中に感染すると考えられていた。しかし近年では、ドイツで報告されるE型肝炎患者の多くは国内で感染していることが明らかになっている。

 感染経路として、HEV感染動物との直接接触、感染動物から製造された食品の喫食、感染動物の排泄物によって汚染された食品の喫食、環境中の汚染物質を介した間接的感染などの複数の可能性が考えられる。また、輸血よる感染、患者との接触による直接感染の可能性もある。

 飼育ブタおよびイノシシの肝臓と筋肉の検体からHEV RNAが検出されている。このため、BfRは、ブタおよびイノシシの生の食肉・内臓を介してHEVが伝播する可能性があると考えている。このような食品も煮る・揚げる・焼くなどの調理で十分に加熱すればHEVは不活化(死滅)し、消費者が感染する可能性は低い。

 フランスで、ブタの生レバーを使用して一部の地域で製造されるソーセージを介してE型肝炎に罹患した複数の事例が報告されている。このような種類の製品は喫食前に十分に加熱すべきである。ドイツで広く販売されているレバーソーセージは製造過程で加熱されており、HEVは不活化されているとBfRは推定している。

(注目記事のまとめ:Food Watch Japan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.07(2016.03.30)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2016/foodinfo201607m.pdf

今号の目次

【米国食品医薬品局(US FDA)】
1. 米国食品医薬品局(US FDA)が2017会計年度に向けて食品安全法の実施および医薬品の安全性・品質向上などのための予算計51億ドルを要求

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. Miller’s Organic Farm社が製造した生乳に関連して複数州にわたり発生しているリステリア症アウトブレイク(初発情報)
2. Garden of Life社製のサプリメント製品「RAW Meal Organic Shake & Meal」に関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Virchow)感染アウトブレイク(3月24日付更新情報)

【カナダ食品検査庁(CFIA)】
1. 2014年に米国農務省(USDA)が実施した食肉、家禽肉および卵に関するカナダの検査システムの監査について

【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. 14種類の食品および水由来疾患に関するデータが欧州疾病予防管理センター(ECDC)のサーベイランスアトラスから入手可能

【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 市販鶏肉のカンピロバクター汚染に更なる改善の兆し
2. 信頼できる食品を供給するための科学の利用
3. 食品との関わりが希薄になりつつあるのか

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. イノシシや飼育ブタおよびそれらに由来する食品を介したE型肝炎ウイルス伝播に関するQ&A

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報

執筆者

FWJ編集部
FWJ編集部
Food Watch Japan の運営および取材、執筆、編集を行っています。