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母乳のグリホサート検出せず

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国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.04(2016.02.17)を発表した。

注目記事

【MHRA】プレスリリース 予防的リコール-6バッチのセントジョーンズワート錠剤

【BfR】BfRの100 秒:消費者用新オンライン映像

 英国医薬品・医療製品規制庁(MHRA)は、セントジョーンズワート錠剤の製品について、ハーブ医薬品委員会(HMPC)の推奨する閾値を超える濃度のピロリジジンアルカロイド(PA)が含まれるため6バッチをリコールすると公表した。

 PAはヒトに肝臓障害を誘発することで知られている。セントジョーンズワートそのものにはPAは含まれない。この汚染は収穫の時に雑草が混入した可能性が高いとしている。一方、ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)は、消費者向けのオンライン映像を通じて、茶とハチミツ中のピロリジジンアルカロイドに関する情報を提供した。

※ポイント:ピロリジジンアルカロイド類(PAs)は一部の構造が異なる600種以上が知られ、約6000種の植物に含まれていると言われています。そのため、サラダやハーブ製品、ハチミツへの混入が懸念されています。以前にハーブ製品として人気のあったコンフリーの国内販売が禁止されたのは、海外でコンフリーに含まれるPAsによる重度の肝臓障害が複数報告されたためです。PAは多種の植物に含まれる天然成分ですので、原料の厳密な管理がなされていないハーブ製品にはPAを含む植物が混入することがあるだけでなく、PAを含む植物を主原料として使用している製品があることもこれまで報告されています。

※編集部註 セント・ジョーンズ・ワート:一般に和名セイヨウオトギリソウを指す。

【BfR】BfRの研究が確認:母乳にグリホサートは検出されない

 2015年6月にメディアが母乳16検体からグリホサートを検出して「非常に心配なこと」と報道したことを受けて、BfRは2つの認証検査機関に委託して高感度分析法の開発と母乳の検査を行った。その結果、いずれの母乳検体からもグリホサートは検出されないことを確認した。このBfRの研究はJ. Agri. Food Chem.(January 25, 2016)に発表された。BfRおよび全国母乳委員会は消費者に向けて、母乳は安全で乳児にとってベストの栄養であり、母親は不安になる必要はなくこれまで同様に母乳を与えるようにと伝えている。

※ポイント:これはメディア報道を聞いて心配した母親たちからの問い合わせを受けてBfRが実施した検査です。IARC 評価が発端となった発がん性の有無に関する騒動と同時期の報道ということもあって、BfRは報道当初からQ&Aを出すなどの迅速な対応をとるとともに、科学的にも非常にしっかりとした対応をしたなという印象です。

【ANSES】グリホサートのヒト発がん性についてのANSES の意見

 有効成分グリホサートの認可更新プロセスの一環として欧州レベルで行われた評価の結果が発表され、その結果がIARC の結論と矛盾していたことを受け、フランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)はグリホサートの健康影響について調べるよう要請された。その結果、根拠が限定的であることからCLP 規則のカテゴリー1Aあるいは1B(ヒト発がん性があることがわかっている(known)、あるいは想定されている(presumed))に分類することは提案できないとした。しかしカテゴリー2(ヒトへの発がん性が疑われている(suspected))には分類ができるとした。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.04(2016.02.17)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2016/foodinfo201604c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. IARC:世界がんデー2016 「私達はできる. 私はできる. 」、がんのエピジェネティクスと環境起源

【EC】
1. 食品獣医局(FVO)査察報告書:ギリシャ、ウルグアイ
2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 環境リスク:評価をハーモナイズし生物多様性を守る
2. EUで抗菌剤耐性が増加している、EFSA とECDCが警告
3. EFSA@EXPO再び
4. 飼料添加物関連

【FSA】
1. 我々の食の将来
2. チアシードについて2016年2月24日まで意見募集

【MHRA】
1. プレスリリース 予防的リコール-6バッチのセントジョーンズワート錠剤

【HSE】
1. 食品中残留農薬:2015年モニタリング結果
2. 食品中残留農薬:2015年学校野菜果物計画

【COC】
1. 2年間バイオアッセイの代替法

【COM】
1. アルコール(エタノール)とその代謝物アセトアルデヒドの変異原性

【NHS】
1. 食物繊維の多い食事をしている若い女性は乳がんリスクが低いかもしれない
2. ベリーのようなフラボノイドの多い食品が「体重増を防ぐ」
3. 科学者がジャンクフードの何が「ジャンク」なのか検討する

【BfR】
1. あなたの食べ物に入っているもの:食品関連リスクを簡単に確認できるようになる
2. BfRの100秒:消費者用新オンライン映像
3. エネルギードリンク:何時それがリスクとなるか?
4. BfRの研究が確認:母乳にグリホサートは検出されない

【RIVM】
1. 子どもの陰膳研究2014:最初の結果
2. ジーンドライブ:政策報告書

【ANSES】
1. ネオニコチノイドと授粉媒介者:ANSESはこれらの製品の利用条件の強化を支持する
2. グリホサートのヒト発がん性についてのANSESの意見

【FSAI】
1. アンフェタミン様物質存在のためDorian Yates NOXPUMP Pre-training Formulaリコール
2. FSAI相談ラインは2015年に2,739の食品苦情を受け取った

【FDA】
1. リコール情報
2. 公示
3. 警告文書
4. FDAは発酵および加水分解食品のグルテンフリー表示についての規則案に意見募集を再開する
5. バイオマーカーについて話すときに何を意味しているのかを明確にする:NIH/FDA協力

【FTC】
1. メイン州ポートランドの減量サプリメント販売業者はFTCとメイン司法長官の対応により詐欺的広告、違法請求を止める

【CFIA】
1. 企業向け通知 亜硫酸処理した生鮮野菜・果実の輸入
2. 食品リコール警告:特定ロットのネスレブランドGood Start 2濃縮液状乳児用ミルクが栄養素の生物学的利用度が減っている可能性があるためリコールされる

【FSANZ】
1. 食品基準ニュース

【TGA】
1. Amazon Tonic III:がん治療には使えず危険な可能性のある成分を含む
2. 安全性助言

【MFDS】
1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. お正月、正しい食・医薬品購入要領などの安全情報提供
3. 輸出国現地から通関・流通まで、三重の輸入食品安全網を構築
4. 海外のインターネットサイトの販売製品購入に注意
5. 食用昆虫、すべての事業者が使用できるように一般的な食品の原料に拡大!

【AVA】
1. シンガポールに輸入されるBak Kwa(ポークジャーキー)について出回っている電子メールメッセージについて

【HSA】
1. HSAは人々に対し表示されていない西洋薬成分を含む3つの健康製品について警告

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(ProMED-mail)鉛、水 米国(第2報):(MI)
・(EurekAlert)水銀摂取の答えを探る
・(EurekAlert)子どもの肥満、急速な成長は妊娠中の母親が多くの魚を食べることと関連
・(EurekAlert)世界中の海の魚に有害汚染物質を発見
・(EurekAlert)漢方薬からサイ、虎、ユキヒョウDNAが検出された
・(EurekAlert)包装表面への表示はその食品が健康的であることを意味しない
・(EurekAlert)NOAAとその共同研究者:アラスカの海洋ほ乳類に藻類毒素検出

執筆者

FWJ編集部
FWJ編集部
Food Watch Japan の運営および取材、執筆、編集を行っています。