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赤肉・加工肉問題のポイント

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国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.23(2015.11.11)を発表した。

注目記事
【WHO】加工肉と直腸結腸がんの関連

 世界保健機関(WHO)は、国際がん研究機関(IARC)が赤肉(red meat)および加工肉(processed meat)と直腸結腸がんを関連づける報告をして以降、懸念表明や説明要求に関する多数の問い合わせがあることを受けて声明を発表した。

 最新のIARCレビューは人々に加工肉を食べることを止めるよう求めてはいないが、摂取量を下げることが直腸結腸がんリスクを下げられることを示している。WHOには食事と疾患の関連を定期的に評価している常任専門家集団がいるため、来年早々に会合を開いて最新科学の公衆衛生上の意味と全体的な健康的食生活の文脈での加工肉と赤肉の立場について検討する。

※ポイント:IARCの報告が世間を賑わせていて、各国機関からも意見やQ&Aが出されています。

 それら記事にも書かれていますが、ポイントとしては、IARCは発がん性があるかどうかの根拠の強さを評価している、発がんリスクについては日本人の摂取量を考慮して判断することが重要、日本人の赤肉と加工肉の摂取量は多量ではない、栄養的に見ると赤肉・加工肉は重要なタンパク源でもある、もし心配であれば発がんリスクはタンパク源として毎日赤肉・加工肉を食べるのではなく鶏肉や魚、豆など色々なものを食べることで減らすことができる、発がん要因としてはタバコや飲酒の方が問題は大きい、食品に含まれる発がん物質は他にもある(例:無機ヒ素)、がん予防は一つのことだけでなく食生活や生活全体で考えることが大切、などです。

 今号には英国国営保健サービス(NHS)、フランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)、アイルランド食品安全局(FSAI)の関連記事も掲載していますので、それらも合わせて読んでいただくと、より詳しくご理解いただけるでしょう。以下、日本語での参考記事です。

内閣府食品安全委員会blog
「red meat」と加工肉に関するIARCの発表について(2015年11月4日)
http://ameblo.jp/cao-fscj-blog/entry-12091820790.html
国立研究開発法人 国立がん研究センター
赤肉・加工肉のがんリスクについて(2015年10月29日)
http://www.ncc.go.jp/jp/information/20151029.html
公益財団法人 がん研究振興財団
がんを防ぐための新12か条
http://www.fpcr.or.jp/pdf/p21/12kajyou_2015.pdf
【FSA】主任科学アドバイザーのアクリルアミドについての報告書発表

 英国食品基準庁(FSA)が2番目となる主任科学アドバイザーの科学報告書を発表した。主要テーマはアクリルアミドで、現時点での知見をまとめている。また家庭での調理の際のアクリルアミドの生成についての新しい研究結果も発表した。

※ポイント:今回の報告で画期的なのは、今までよくわからなかった家庭調理による影響についての知見が得られたことでしょう。トーストの焼き加減による濃度の違いなどが写真で出ているので興味深いです。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク
食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.23(2015.11.11)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2015/foodinfo201523c.pdf
今号の目次

【WHO】
1. 加工肉と直腸結腸がんの関連
2. サーモンに予防接種をする:ノルウェーが如何にして漁業の抗生物質を避けているか
3. 国際がん研究機関(IARC)
4. インフォグラフィクス:抗生物質耐性
5. コーデックス委員会

【EC】
1. 中国、EU、米国の食品安全について歴史的合意
2. 内分泌撹乱物質定義の影響評価-JRC方法論についての技術的会合
3. 食品獣医局(FVO)査察報告:ポーランド、ベトナム
4. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 農薬への労働者と近傍にいる人の食事以外の暴露についての農薬ガイダンス文書付属計算ツールについてのウェブセミナー

【FSA】
1. 放射能報告書発表
2. 食品法起訴データベース発表
3. 主任科学アドバイザーのアクリルアミドについての報告書発表

【DEFRA】
1. 未承認GM種子のリコール
2. 新しい授粉媒介者プロジェクトによりミツバチを増やそう

【NHS】
1. Behind the headlines:加工肉は「がんの原因」とWHO報告が警告

【ASA】
1. ASA裁定

【BfR】
1. 農業での抗生物質の使用減少、抗生物質耐性は停滞

【ANSES】
1. 赤肉、加工肉、がん:IARCによる新しい分類について更新

【FSAI】
1. IARC報告:赤肉、加工肉、がん
2. FSAIの2016-2018戦略計画:関係者への事前意見募集
3. FSAI と Varadkar(大臣)は食品事業者向けにアレルゲンツールを発表

【EVIRA】
1. フィンランドの子ども達の重金属の食事からの摂取量は減少傾向

【FDA】
1. 中国に輸出する乳業業者に新しい要求
2. リコール情報
3. 警告文書
4. 世界の食品安全に向かう道のりを作り上げる
5. 栄養成分表示:ラベルを読もう、若者へのアウトリーチキャンペーン
6. 公示:Power Khanには表示されていない医薬品成分が含まれる
7. FDAは食品の強化についてのガイダンスを発表

【USDA】
1. 食品安全のギャップ(GAP)を埋める
2. カボチャについて話す

【NIH】
1. ダイエタリーサプリメントラベルデータベースについて意見募集

【NYC DOHMH】
1. 製品警告:「Stone」と呼ばれる違法催淫薬は重大な中毒や死を誘発しうる

【FSANZ】
1. オーストラリアの食品にどれだけナトリウムが入っているか
2. 11月8~15日はオーストラリア食品安全週間

【APVMA】
1. 作物グループ分けプロジェクト

【TGA】
1. 安全性警告
2. 医薬品の副作用を報告して
3. 毒性基準
4. 消費者向け情報:ニセ医薬品や医療機器

【MPI】
1. 雑草を殺すゾウムシ発表

【香港政府ニュース】
1. 米国産カニ製品禁止
2. 飲料水に関係した鉛の血液検査

【MFDS】
1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 食薬処、街路銀杏などの重金属調査の結果はすべて安全なレベル
3. 新規の勃起不全治療薬類似物質の究明
4. 韓国国民の加工肉・赤肉の摂取レベルは懸念するほどではない
5. コーヒー、バナナの農薬残留許容基準の強化
6. 回収措置

【AVA】
1. TAN POH HONG AVA長官のAVA の食品企業大会開会スピーチ

【その他】
・(ProMED-mail)カドミウム、ヒト暴露-中国
・(ProMED-mail)キシリトール中毒、犬 米国:(ノースカロライナ)
・(ProMED-mail)汚染ビール、致死、モザンビーク(第2報):(TE)
・(ProMED-mail)汚染ビール、致死、モザンビーク(第3報):(TE)Burkholderia gladioli pv cocovenenans毒素
・(ProMED-mail)毒物流出 ブラジル
・(EurekAlert)一部の市販のコーヒーには高濃度のマイコトキシンが含まれる
・(EurekAlert)ネオニコチノイドがミツバチにどう影響するのかについて我々が知っていることを探る研究
・(EurekAlert)エネルギードリンクは血圧、ノルエピネフリン濃度を上げる
・(EurekAlert)今週のBMJ症例報告
・(EurekAlert)肉の摂取量増加、特に高温で調理した場合、は腎臓がんリスク増加と関連する

執筆者

FWJ編集部
FWJ編集部
Food Watch Japan の運営および取材、執筆、編集を行っています。