トピックス

カンピロバクター3人に1人

FacebookTwitterHatenaLineYahoo BookmarksMixiLinkedInShare

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.12(2015.06.10)を発表した。

注目記事
【US FDA】家畜への抗生物質の適切な使用

 米国食品医薬品局(US FDA: US Food and Drug Administration)は、食料生産動物への抗菌剤の適切な使用を確保するという全体的な方針の重要な一段階として、「動物用飼料に関する指示(VFD:Veterinary Feed Directive)」の最終規則を公表した。

 この方針では、抗菌剤が動物衛生の確保に必要な場合にのみ使用されるように、それらの使用は獣医師の監督下で行うことになる。VFD最終規則は、VFD医薬品(資格を有した獣医師の監督が必要で、飼料に混ぜて使用する動物用医薬品)の使用を許可する手続きを説明するとともに、特定の動物疾患の治療の際に飼料に混ぜて使用する医学上重要な抗菌剤を許可するための根拠を全米の獣医師に付与している。

【UK FSA】3人に1人がカンピロバクター食中毒を発症する

 英国食品基準庁(UK FSA: Food Standards Agency, UK)の発表によると、最多で国民の3人に1人が一生のうちにカンピロバクター食中毒を発症する可能性がある。この数値は、現在のカンピロバクターの年間の感染者数が25万人以上であることにもとづいている。

 カンピロバクターは生の鶏肉から最も頻度高く検出され、英国における食中毒の最大の原因である。FSAは、2015年の食品安全週間と「Chicken Challenge(鶏肉安全へのチャレンジ)」の開始を強調してこの数値を発表した。FSAは「Chicken Challenge」で、生産業者から消費者にいたるフードチェーン全体に対し、2015年末までにカンピロバクター食中毒患者数を半減させることへの協力を呼びかけている。

「Chicken Challenge」は、鶏肉を喫食する人々に対し、自分自身と家族を守るために以下の事項を守ることを呼びかけている。

  • 生の鶏肉を保存する際は他の食品と別にして覆いをし、冷蔵庫の最下段に置く。
  • 菌が飛散するため、生の鶏肉は洗わない。
  • 生の鶏肉に接触した器具や手指などはすべて石けんと湯で洗う。
  • 鶏肉は、全体から湯気が出てピンク色の部分がなくなり、肉汁が透明になるまで完全に加熱する。
【Evira】過渡期にある食品安全関連の検査業務

 フィンランド食品安全局(Evira: Finnish Food Safety Authority)の報告書によると、フィンランド地方自治法(Finnish Local Government Act)が2015年に改正された結果、食品検査機関の多くは民間企業となった。このように民営化とそれに伴う地方自治体の検査業務の競争入札が進むと、食品安全に関連する様々な検査業務が需要に過度に左右され、頻度の低い検査の実施能力が低下する状況に至る可能性がある。

 食品または水の汚染による疾患の流行があった場合、原因食品が不明のことが多い。疾患の流行の際に自治体の保健当局が頼りにする検査機関は、様々な基本的分析技術を用いた検査を行うことが可能でなければならない。

 自治体の保健当局は、健康保護法(Health Protection Act)および食品法(Food Act)にもとづき緊急時対応策を整備しておく必要がある。より多くの検査機関が民営化され市場のニーズに従うようになると、緊急時に必要性が高い検査の実施が困難になる可能性がある。また検体を国外に送付することも不可能になるかもしれない。

 ほとんどの検査機関は営利企業として運営されているため、各検査機関が行う食品検査の種類は主に需要によって決まる。自治体による検査機関の選択には入札価格が極めて重要となる。

 状況の変化にしたがい、必要な検査業務について基準を設定することが自治体にとってますます重要になってきている。検査業務が少数の検査機関に集中した場合、または利用する検査機関が遠方になった場合、検査依頼者は今までのやり方を変更することが必要になる場合もある(依頼者が独自に検査結果を解釈するなど)。このことは、検体の採取、包装および送付をより緻密に計画しなければならないことを意味する。

(注目記事のまとめ:Food Watch Japan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(微生物)No.12(2015.06.10)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2015/foodinfo201512m.pdf

今号の目次

【米国食品医薬品局(US FDA)】
1. 食料生産動物への抗生物質の適切な使用を確保するためのFDA規則

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 米国で複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Paratyphi B var. L(+)tartrate(+))感染アウトブレイク(2015年6月5日付更新情報)

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知-生きた家禽のヒナとの接触に関連して発生しているサルモネラ感染アウトブレイク(初発情報および2015年6月3日付更新情報)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. 疫学更新情報:リガ(ラトビア共和国)のジュニアアイスホッケー大会に参加した複数国の選手の間で発生したサルモネラ(Salmonella Enteritidis)感染アウトブレイク(2015年5月22日付)

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. EFSAを開かれた機関へと転換させるための暫定的な実施計画

【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 最多で国民の3人に1人が一生のうちにカンピロバクター食中毒を発症する可能性がある
2. 小売鶏肉のカンピロバクター汚染調査:全12カ月間(第1~4四半期)の結果の集計
3. 英国食品基準庁(UK FSA)の職員がブロイラー農場を視察
4. 食鳥処理場でのカンピロバクター汚染の低減を目指すキャンペーン活動

【フィンランド食品安全局(Evira)】
1. 過渡期にある食品安全関連の検査業務

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報

執筆者

FWJ編集部
FWJ編集部
Food Watch Japan の運営および取材、執筆、編集を行っています。