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グリホサート発がん性ある?

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国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.07(2015.04.01)を発表した。

注目記事
【WHO-IARC/BfR】5つの有機リン殺虫剤および除草剤のIARC評価について

 世界保健機関(WHO)の一機関である国際がん研究機関(IARC)が、除草剤グリホサート、殺虫剤マラチオン、ダイアジノン、テトラクロルビンホスおよびパラチオンの発がん性に関する定性評価を行い、評価の結論とその根拠に関する簡単な説明がThe Lancet Oncologyでオンライン発表された。評価の結論は次の通り。詳細はIARCモノグラフ112巻として発表される予定である。

  1. 除草剤グリホサート、殺虫剤マラチオン、ダイアジノンは、ヒトに対しておそらく発がん性がある(Group 2A)
  2. 殺虫剤テトラクロルビンホス、パラチオンは、ヒトに対して発がん性のある可能性がある(Group 2B)

 この評価の結論について、とくにグリホサートがGroup 2Aに分類されたことに多くの疑問が投げられている。EUの農薬再評価においてグリホサートの評価書作成を担当しているドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)は、この結論に驚きを示し、EUの再評価、FAO/WHO合同残留農薬専門家会議(JMPR)や米国環境保護庁(EPA)の評価ではグリホサートには発がん性はないと結論していることを述べるとともに、結論の根拠についてのBfRの考えを発表した。

※ポイント:このニュースは、信頼性が高い評価機関の一つであるIARCの発表であったこと、グリホサートは世界中で大量に使用されている除草剤であること、他の信頼性が高いJMPRやEU等の評価ではすべてがヒトへの発がん性はない(動物での発がん性、標準試験の遺伝毒性がないことに基づく)と判断していることから大きな話題になっています。

 グリホサートに関する毒性資料は製造企業の試験報告も含めて他の農薬と比べると非常に多く存在するにもかかわらず、その一部しか評価に用いられていないのではないかと指摘されています。IARCの結論の根拠について、現時点でどのような点に疑問が持たれているのかはBfRの記事を読んでいただくと理解しやすいと思います。

 評価内容の詳細がまとめられたIARCモノグラフ112巻が公表された後にはさらに大きな議論が巻き起こると予測されるので、現時点では今回のIARCの発表だけでグリホサートの発がん性を単純に決めつけずにモノグラフの発表とその後の議論を待った方がよさそうです。

【FDA】FDAはArctic リンゴとInnate ポテトは食べても安全と結論

 米国食品医薬品局(FDA)は、Okanagan Specialty Fruits社の2つの遺伝子組換えリンゴとJ. R. Simplot Company社の6つの遺伝子組換えジャガイモの評価を完了し、これらの食品は通常のものと同程度に安全で栄養があると結論した。

※ポイント:切った後に褐変しないリンゴと、黒い斑点状の変色が少なくアクリルアミドの生成源となるアスパラギンや還元糖の量が少ないジャガイモです。実際に販売されるのかは表示の仕方などの問題を解決した上で企業の判断によりますが、食品安全上の問題については現時点ではこれ以上疑問はないとFDAは述べています。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(化学物質)No.07(2015.04.01)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2015/foodinfo201507c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. 国際がん研究機関(IARC)

【EC】
1. 内分泌撹乱物質:委員会は関係者との対話を強化する
2. 食品添加物に関する規制(EC)No 1333/2008の付属文書IIパートEの食品分類説明のガイダンス文書
3. 食品獣医局(FVO)査察報告書:ロシア、マルタ、オーストラリア
4. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. スモールハイブビートルの診断とリスク管理の選択
2. キノリンイエロー(E104)についての詳細暴露評価

【FSA】
1. アスパルテームの研究知見発表
2. 地方当局向け評価ガイダンス
3. 英国複数年次全国コントロール計画の延長発表
4. FSA理事会の様子がオンラインで提供された

【NHS】
1. Behind the headlines:研究がアスパルテーム過敏症に疑問を投げかける

【BfR】
1. ナノ物質の安全性はどのように確認できるのか?
2. 2015年3月2日のREACH登録におけるデータの利用可能性に関するワークショップのプレゼンテーション概要
3. オミクス法:物質のごく低用量での影響をよりよく予測するために
4. グリホサートに発がん性?

【RIVM】
1. 食品汚染物質のエピゲノム修飾影響を調べるための二つのモデルの可能性:ゼブラフィッシュ胚と間葉幹細胞

【ANSES】
1. 銀ナノ粒子への暴露:知識更新
2. ANSESは2015年の作業の優先順位を提示

【FDA】
1. FDAはArctic リンゴとInnate ポテトは食べても安全と結論
2. 消費者向け情報:「ラテックスフリー」に騙されないで
3. FDAはFSMA履行戦略についての公聴会を開催する
4. 食中毒の寄与推定の改善方法についてのウェブキャスト記録公開
5. 公示
6. 警告文書

【EPA】
1. EPAは塗料やコーティング除去に使用されている化合物の最終リスク評価を発表
2. EPAは市販されているナノスケール物質について報告と記録要求を提案/EPAは既に使用されているナノスケール化合物の健康と安全性情報を収集するために初めてTSCA権限をつかう

【FTC】
1. FTCはLane Labの AdvaCALカルシウムサプリメントを購入することでお金を失った消費者に約955,000ドルの返金小切手を送付している

【CFIA】
1. 企業向け通知 食品部門の表示コンプライアンスを支援するウェブベースの企業向け表示ツール
2. 食品リコール警告(アレルゲン)-表示されていないアーモンドによる挽いたクミンリコール

【FSANZ】
1. 食品基準通知

【香港政府ニュース】
1. 禁止された日本食品の輸入調査

【MFDS】
1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 食用タール色素、食品中の使用量を制限する
3. ペットボトル移行懸念の有害物質の安全なレベル
4. カドミウムが基準超過で検出された輸入「ワラビ」回収措置

【HSA】
1. HSAは人々に対しオンラインで販売されていた強力な西洋薬成分を含む8つの違法健康製品について警告

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(ニューヨーク司法長官プレスリリース)A.G. SchneidermanはGNCと、重要なハーブサプリメント改革を実施する合意を発表
・(EurekAlert)農薬はミツバチのコロニー減少の単一原因ではない
・(ProMED-mail)食中毒 インド(第2報):(アッサム), RFI
・(ProMED-mail)食中毒 ナイジェリア:(EB)キャッサバ疑い

執筆者

FWJ編集部
FWJ編集部
Food Watch Japan の運営および取材、執筆、編集を行っています。