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2015年食の10大ニュース[3]

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遺伝子組換え技術を含む、バイオテクノロジーとリスクコミュニケーションを中心に考えてみました。

  1. 自治体では初の遺伝子組換えカイコの第一種飼育試験始まる
  2. 遺伝子組換え米を用いた腸管下痢症コメ型経口ワクチンの治験始まる
  3. 機能性表示商品制度始まる
  4. ミラノ博 日本館はデザイン部門で金賞受賞
  5. 外食等におけるアレルゲン情報の提供の在り方検討会中間報告が公表される
  6. 「新たな育種技術検討会」報告書公開される
  7. 国立科学博物館「ヒカリ展」開かれる
  8. 専門家と消費者の意識調査公開される
  9. 食の安全・安心財団意見交換会「検証:BSE発生から15年―その経緯と教訓」開かれる
  10. アメリカ大使館農務部などの企画で「女性と農業」セミナー開催される

1. 自治体では初の遺伝子組換えカイコの第一種飼育試験始まる

 群馬県蚕糸技術センターで、遺伝子組換えカイコの飼育試験が生産者を巻き込んで開始されました。遺伝子組換えカイコの研究は、高機能繊維や昆虫工場などの実用化に資するものとして一歩前進しました。

●遺伝子組換えカイコの第一種使用等に関する説明会開かれる(くらしとバイオプラザ21)
http://www.life-bio.or.jp/topics/topics617.html

2. 遺伝子組換え米を用いた腸管下痢症コメ型経口ワクチンの治験始まる

 東京大学医科学研究所附属病院で、文部省橋渡し研究加速ネットワークプログラムとして、医師主導治験「腸管下痢症コメ型経口ワクチンの健常人での二重盲検試験」が始まりました。

3. 機能性表示商品制度始まる

 4月から機能性表示食品制度が始まり、さまざまな食品が届け出られました。12月25日現在、その数は171になりました。

4. ミラノ博 日本館はデザイン部門で金賞受賞

 5月1日から10月31日までミラノ国際博覧会が開かれました。日本館の和食が注目され、展示デザイン部門で金賞を受賞しました。

5. 外食等におけるアレルゲン情報の提供の在り方検討会中間報告が公表される

 4月1日、中間報告が公表されました。本検討会では、事業者、患者団体らによる有意義な話し合いが行われました。

●外食等におけるアレルゲン情報の提供の在り方検討会情報(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/foods/index20.html

6. 「新たな育種技術検討会」報告書公開される

 9月11日、農林水産省は「ゲノム編集技術などの新たな育種技術(NPBT)を用いた農作物の開発・実用化に向けて」の検討会報告書を公開しました。

●「新たな育種技術(NPBT)研究会」報告書の公表について(農林水産技術会議)
http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/150911.htm

7. 国立科学博物館「ヒカリ展」開かれる

 2014年10月28日から2015年2月22日まで国立科学博物館で、国際光年(2015年、国連の光と光技術の国際年)にちなんだ展示が行われました。その中で遺伝子組換え技術を用いた「光る花」や「光るまゆ」が注目されました。

8. 専門家と消費者の意識調査公開される

 食品安全委員会が「健康への影響に気をつけるべきと考える項目の順位」についての意識調査を実施

 安全委員会専門委員(専門家)161名と全国の男女3,600名を対象に行いました。専門家と非専門家の意識の差が全国規模で明らかにされました。

●食品に係るリスク認識アンケート調査の結果について(内閣府食品安全委員会事務局)
http://www.fsc.go.jp/osirase/risk_questionnaire.data/risk_questionnaire_20150513.pdf

9. 食の安全・安心財団意見交換会「検証:BSE発生から15年――その経緯と教訓」開かれる

 2001年9月、日本でBSEが発見されて15年。全頭検査が行われなくなった今、リスクコミュニケーションを総括するようなシンポジウムが開催されたことは、今後のさまざまなリスクコミュニケーションにも大きな学びを提供するものになったと思います。

10. アメリカ大使館農務部などの企画で「女性と農業」セミナー開催される

 9月1日・2日・4日、元全米トウモロコシ生産者協会のパム・ジョンソンさんを迎え、札幌、東京、大阪で日本の生産者、市民団体、メディアなどが加わり、セミナーが開催されました。

●「女性と農業」セミナーレポート(くらしとバイオプラザ21)
http://www.life-bio.or.jp/topics/topics625.html

 このほかに、国立感染症研究所村山庁舎にある高度安全試験検査施設(BSL-4施設)が特定一種病原体等所持施設として大臣指定されましたが、それに至るプロセスはリスクコミュニケーションとしても重要な事例となりました。

●新読み書きバイオ〈22〉「村山市BSL-4指定の意義」
http://www.foodwatch.jp/science/readwritebio2/53664

 また、ヒトゲノム情報を用いた医療の実用化を進める動きにも進展がありましたが、これは機能性を持つ食品にも関係してくることでしょう。そうなると食品分野にも個人情報保護法が影響することになってくるかもしれません。

 著作物では「誤解だらけの遺伝子組換え作物」(小島正美編)は第2刷に入り、「有機野菜はウソをつく」(齋藤訓之著)も注目されました。科学的根拠に基づいた話題が読み物として登場したことも特記したいと思います。

執筆者

佐々義子
佐々義子
くらしとバイオプラザ21常務理事・主席研究員 さっさ・よしこ 1978年立教大学理学部物理学科卒業。1997年東京農工大学工学部物質生物工学科卒業、1998年同修士課程修了。2008年筑波大学大学院博士課程修了。生物科学博士。1997年からバイオインダストリー協会で「バイオテクノロジーの安全性」「市民とのコミュニケーション」の事業を担当。2002年NPO法人くらしとバイオプラザ21主席研究員、2011年同常務理事。「食の信頼向上をめざす会」幹事。