サッポロビール共同研究でビール原料からRSウイルス感染予防成分を発見

 サッポロビールは、札幌医科大学医学部の澤田典均教授、小島隆准教授と共同研究を行い、ビール原料のホップに含まれる苦味成分フムロン(※1)にRSウイルス感染(※2)の予防効果、およびRSウイルス感染による炎症の緩和効果があることを発見したと発表した。

 今後、サッポロビールはフムロンのRSウイルスに対する効果メカニズムの検証を行い、食品や飲料への利用を検討していく。

 RSウイルスは、主に乳幼児に感染率が高く、秋から春にかけてウイルス感染が流行することが知られている。予防のためのワクチンや効果的な治療法がない上に、重篤な呼吸器疾患に至るケースもある。一方、成人の場合は感染しても軽い風邪の症状で治まるため、RSウイルスの感染に気づきにくいと言われている。

 このような背景から、同社は食品成分の摂取による有効なRSウイルス感染予防効果発見を目指していた。ホップには鎮静効果や消化改善効果などさまざまな機能を持つ成分が含まれていることから、サッポロビールはホップ成分の新しい機能性について研究を進めており、ホップの苦味成分フムロンのRSウイルス感染に対する予防効果を研究していた。

 さらに、ビール原料の成分によるさまざまな健康機能についての研究開発を進め、健康食品市場における新たな提案につなげたいとしている。

※1 フムロン:ビール原料のホップに含まれる苦味成分でアルファ酸とも呼ばれる。

※2 RSウイルス(respiratory syncytial virus)感染:RSウイルスは気管支炎や肺炎など、呼吸器疾患の原因となる病原性ウイルスで、乳幼児の大半が感染すると言われ、重症を引き起こす恐れもある。

●発表の詳細
http://www.sapporobeer.jp/news_release/0000020465/pdf/rsvirus.pdf