電力がない(2)

農場格納庫の筆者(右)
農場格納庫の筆者(右)
農場格納庫の筆者(右)
農場格納庫の筆者(右)

農業でも、工場などのように3相200Vを利用している場合が多い。送電効率がよく、電気をたくさん使う場合は有利だ。しかし、これをさらに活用する裏ワザがあって、電力会社の反応もビミョー。ところで、日本の電力事情が悪いのはなぜか、そのそもそもを考えた。

3相200V活用の裏ワザ

“裏ワザ”というのがある。細かく話をすると、このコラムにびっしり書くことになるので簡単に書くのに留める。

 北海道の一般家庭では単相100V、単相200Vが使用され、北海道の生産者の倉庫には3相200Vが使われている。ここで、電気料金節約の裏ワザが登場するのだ。

 3相200Vの電気料金は基本料金は高めだが使用料(従量)は安めという設定で、単相100V、単相200Vの40%ほどになる。そこで、3相200Vから単相100Vに変換する怪しげな簡易型トランスが正々堂々とJAや普通の金物屋や量販店で、2万円~3万円くらいで販売されているのだ。

 安全性に関して、今まで火が出たといった話は聞いたことはないが、この簡易型トランスの安全基準ははっきりしないのであくまでも自己責任、というか、よい子は真似をしなしでくださいね♡

 もう一つの裏ワザ、3相200Vから単相200Vを使用するやり方は、いたって簡単。アース線を除いた3本の内、2本を使用したら簡単に単相200Vに早変わりする。

 すべての生産者がこのような契約違反行為をしているわけではないが、コストダウンの努力をしている事実という一面もある。

 北海道電力さんが来た時に、この件を聞いてみたところ、「確かに契約違反ですが、みなさんやっているようですね」と厳しい姿勢(?)を示すことになった。

フィリピンの方が電力事情はよい

 話は変わるが、今年の2月に遺伝子組換えナスとゴールデンライスを見にフィリピンに行ってきた。

 宿泊したホテルのシーツはきれいだし、トイレの水もしっかり流れる。東京のホテルの2倍は広いきれいなホテルの1泊料金は朝食付きで2000円だった。物価水準で考えれば1万円以上に相当するのだろうが、もっと驚いたことがあった。

 真冬であるが日中は25℃を軽く超え、部屋のエアコンを弱で使用した。シャワーはボッシュ(?)の2段式の電気瞬間湯沸かし器タイプで、よく見ると最大時の電力消費は3.5kWと記載され、何とかぎりぎり使用できる温水が上から落ちてくる。

 しかし、よく考えてみるとこれはすごいことだ。エアコンでたぶん1kW、シャワーで3.5kW、計4.5kWの使用でブレーカーは落ちなかった。こんなに電気を使うホテルの部屋って、世界中探してそうそうあるもんじゃない。つまり、フィリピンの方が電力事情はよろしいということにもなる。

 それに引きかえ日本では節電?

 節電して国民が幸せになるやり方は存在するのだろうか? そのようなことができたら、歴史に挑戦することになるだろう。

「発展途上国よりも電力事情が悪いとは何事だ!」と誰も言わないのはなぜだろうと考え、たどり着いた答えの一つは簡単明瞭である。

“日本は貧しい国”だったのだ。そこに住む国民も当然貧しいということに気が付かない人は幸せ者なのだろう。

 そんな中、「食の安全・安心」? 正直言って、余程ヒマなのか、みんなが貧しければホッとする、豊かさを学ばない人たちなのだろう。

 さて本当に今年の夏は電力が足りなくなるのか?

 個人的は150kVAの発電機を購入したので、そこそこの対応はできると思うが、都市に住む方たちはどうするのだろうか? と、私が心配するのは大きなお世話なのだろう。

※編集部註:本稿は電気に関する“裏ワザ”を推奨・教唆するものではありません。とくに電気の知識が十分でない方はとくにご注意ください。誤った電気の使用は感電、火災等の事故に直結します。また、法令や契約を遵守されることを薦めます。

宮井能雅
About 宮井能雅 22 Articles
西南農場有限会社 代表取締役 みやい・よしまさ 1958年北海道長沼町生まれ。大学を1カ月で中退後、新規就農に近い形で農業を始め、現在、麦作、大豆作で110ha近くを経営。遺伝子組換え大豆の栽培・販売を明らかにしたことで、反対派の批判の対象になっている。FoodScience(日経BP社)では「北海道よもやま話」を連載。