2012年05月

21日

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佐々義子

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消費者は放射能に関心/食行動に変化なし/農産物は産地を気にする/食の安全・安心財団の調査から

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マーチャンダイザーの開発メモ
淡路島産タマネギ生産者・仲卸を訪問

大久保順朗

再考・ワイン物流改善
リムーザン・オーク樽を使うメゾン・ルモアズネ社

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洋酒文化の歴史的考察
VI 女性バーテンダーのさきがけ(2)戦前日本編

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科学・法令

食品安全情報(化学物質)No.2の読みどころ(2012.1.25)

2012.01.26
国立医薬品食品衛生研究所安全情報部第三室主任研究官
登田美桜

国立医薬品食品衛生研究所が月2回発表している「食品安全情報」(化学物質)。欧州食品安全機関(EFSA)によるカドミウムの食事曝露評価から、日本人の場合のカドミウム曝露について考えたい。米国食品医薬品局(FDA)は、オレンジジュースから認可されていない防カビ剤を検出したが、その対応に注目する。韓国の2012年食品安全政策の内容が興味深い。

注目記事

【EFSA】ヨーロッパ人におけるカドミウムの食事曝露

 欧州食品安全機関(EFSA)が、ヨーロッパ人における食事由来のカドミウム曝露量について評価した。食品中のカドミウム濃度が高かったのは藻類製品(藻類サプリメントや海藻)、ココアベースの製品、甲殻類、食用内臓、キノコ、油糧種子、海草、水棲軟体動物であり、ヒトのカドミウム曝露への寄与率が高いのは穀類および穀物製品であった。子どもおよび成人の95パーセンタイルでは、曝露量が健康に基づく指標値を超えていた。

 EFSAは、現在の食事からの曝露量で健康へ有害影響は起こりそうにないが、カドミウムの曝露量は減らす必要があると結論した。

※ポイント:日本人はヨーロッパ人よりもカドミウムの曝露量は多い。食品安全委員会の評価書によれば、1995~2000年の国民栄養調査データを利用したシミュレーションによるカドミウム曝露量の分布に基づくと、中央値は2.93μg/kg体重/週、95パーセンタイル値は7.33μg/kg体重/週である。

 食品安全委員会は、国内の疫学調査の結果も考慮した評価に基づいて、日本人におけるカドミウムの耐容週間摂取量(PTWI)を7μg/kg体重/週と設定した。このPTWIと曝露量との間にどのくらいの幅があるか(安全マージン)を考えると、日本人でも安全マージンが非常に小さいことがわかる。つまり、カドミウム曝露は、日本の食品安全にとって重要な問題の1つである。

 日本人のカドミウムの主な曝露源は主食の米である。そのため、米(精米、玄米)中のカドミウムおよびその化合物について0.4ppm以下(Cdとして)とする規格が設定されている。

参考:汚染物質評価書「食品からのカドミウム摂取の現状に係る安全性確保について」
2008年7月食品安全委員会
http://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20030703021

【FDA、EPA】オレンジジュースから検出されたカルベンダジムへの対応について

 米国食品医薬品局(FDA)は、一部のオレンジジュースから微量のカルベンダジムが検出されたと発表した。カルベンダジムが検出されたのは、ブラジル産オレンジジュースを混合した製品である。米国ではカルベンダジムをオレンジに使用することは認可されていないが、ブラジルでは認められている。

 今回検出された量はごく微量であり、EPAのリスク評価では、報告されている量のカルベンダジムを含むオレンジジュースの摂取による安全上の懸念はないと結論している。そのため、FDAは健康への懸念はないとして、当該製品を市場から排除する必要はないと判断した。

※ポイント:FDAが、健康上の懸念はないので当該製品の回収や廃棄の必要はないと判断したことに注目。検出されたからすぐにダメというのではなくて、健康へのリスクを評価して、その評価結果と市場への影響を踏まえて妥当な対応をとるというよい例だと思う。

【KFDA】2012年食品安全政策、このように変わります

 韓国の食品医薬品安全庁は、国民が安心できる食品安全管理のため、2012年食品安全管理強化政策を推進すると発表した。

※ポイント:政策の内容が興味深い。たとえば、スマートフォンで政府が行った食品の検査結果の閲覧ができるようにする、消費者が問題のある食品を見つけたらスマートフォンから政府へ報告できるようにする、食中毒菌の検査ができる移動車を開発して学校などで食中毒事故が発生したら出動させるなど。

食品安全情報へのリンク

「食品安全情報」
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(化学物質)No.2(2012.1.25)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2012/foodinfo201202c.pdf

今号の目次

【EC】
1. 食品獣医局(FVO)視察報告書
2. 食品と接触する物質 特定材料の規制
3. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. ヨーロッパ人におけるカドミウムの食事曝露
2. 飼料添加物に関する科学的意見
3. FEEDAPパネル(飼料添加物に関する科学パネル)の申請者向けガイダンス

【FSA】
1. グルテンに関する消費者向け助言
2. 藻油に意見募集

【MHRA】
1. プレスリリース:英国の規制機関は極めて強力な閉経期レメディを発見し、登録ハーブ医薬品を使用することの重要性を警告

【BfR】
1. 辛すぎるのは健康的ではない-カプサイシン濃度が極めて高い食品は健康に障害を与え得る

【FDA】
1. FDAは輸入オレンジジュースのカルベンダジムを検査すると企業に通知
2. オレンジジュース製品のカルベンダジム
3. あなたのオレンジジュースについて心配しないように
4. 重油流出事故後の湾岸のシーフードは摂取しても安全
5. 警告文書(2012年1月10日、17日公表分)

【EPA】
1. オレンジジュース中のカルベンダジムに関するEPAリスク評価

【CFIA】
1. CFIAはワイン表示の改定案に意見募集

【FSANZ】
1. ファクトシート:オレンジジュースのカルベンダジム
2. 食品基準改正
3. 食品基準通知

【香港政府ニュース】
1. 祭日用食品3検体が検査に不合格

【KFDA】
1. 説明資料(「中国/今回は“発癌食用油”波紋」報道内容関連)
2. 2012年食品安全政策このように変わります
3. KFDA分野別情報 食品

【FSSAI】
1. プレスリリース

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(ProMED-mail)中毒、鳥類-米国 starlicide(殺ムクドリ剤)

登田美桜(とだ・みおう)

国立医薬品食品衛生研究所安全情報部第三室主任研究官

農学博士。国立医薬品食品衛生研究所は、医薬品、食品、その他生活環境中に存在する物質について、品質、安全性、有効性を評価するための試験、研究、調査を行う機関。 安全情報部の「食品安全情報」は、食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報を伝える。

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