2012年05月

21日

今日は何の日?

連載コラム

佐々義子

新読み書きバイオ
消費者は放射能に関心/食行動に変化なし/農産物は産地を気にする/食の安全・安心財団の調査から

部長Q

マーチャンダイザーの開発メモ
淡路島産タマネギ生産者・仲卸を訪問

大久保順朗

再考・ワイン物流改善
リムーザン・オーク樽を使うメゾン・ルモアズネ社

石倉一雄

洋酒文化の歴史的考察
VI 女性バーテンダーのさきがけ(2)戦前日本編

宮井能雅

北の空から見えるのは
電力がない(2)

横山勉

大豆変身物語
イソフラボンと環境ホルモン

お知らせ

2012.04.16
Facebookページ について
2012.04.02
「洋酒文化の歴史的考察」のこぼれ話について
2012.01.23
「大豆変身物語」連載開始について

小売・外食

健康食品テレビ通販の現場からお伝えします[17]知らなかったなぁ、健康食品メーカー側の“気配り”

2012.02.03
通販番組制作担当者
森畑たけし

今回は、他社よりも優れたものを届けようと頑張る健康食品メーカーの、細やかな“気配り”についてお話しましょう。実は非常に消費者に伝わりにくいんですが、どのメーカーもいろいろと頑張っていますよ……。

「『1日3粒を目安にお召し上がり下さい』って、なんで1粒にまとめないの?」

なぜ1粒にまとめないのか
写真
「1日3粒を目安にお召し上がり下さい」――この表現、いろんなサプリメントで見かけますよね。たとえば1瓶90粒入りの場合、1日の目安が3粒×それが30日分=90粒という風になっています。

 ここで一つの疑問。「どうして1日1粒×30日分=30粒にまとめてしまわないの?」。もちろん勧めたい成分の量が1粒にまとめるには多すぎるので分けている、というのもあるのですが、それだけではなかったりするんです。その一例を挙げてみましょう。

 それが「1日に“10”の量をとってほしい、しかし一度に吸収できるのは“3~4”程度。なので3度に分けて摂ってもらうのが理想、そこで1日3粒に分けている」などというもの。そこまで気を配ってくれているメーカーさんも数々あるんですね~!

 だけどこうしたこと、通販番組などで伝えるには“複雑でわかりにくい。それをあえて説明すると、それまでに伝えた栄養分のよさなどを忘れさせてしまう恐れもある――ので、深くは触れられなかったりします。

「錠剤だったり、顆粒だったり、カプセルだったり……」

健康食品の形状はさまざま
写真
 また、ひと口に“健康食品”といっても、形状もさまざまにありますよね。カプセル、錠剤、顆粒を水に溶かすものやそのまま水で飲むもの、液体ドリンクタイプのもの。インスタントのコーヒーやお茶などにも使われているフリーズドライにするものも多いですね。

 こうした違いは、摂ってほしい成分をなるべくよい状態に保とうと、製造方法を試行錯誤した結果なのです。

 この製造方法は、健康食品選びのポイントとして、筆者はぜひ注目することをおすすめします。なぜならば、最近はこの製造方法にこだわり、その結果として原料本来の特性をより保つことに成功したり、あるいは体への吸収率アップを実現したりという例もしばしば見るからなのです。ですが、悩ましいのが「こうした製法のこだわりは、非常に消費者に伝わりにくい!」のです。一体なぜなのか?

「こだわりよりもインパクトということになるんです」

 たびたび改善を重ねている健康食品の「製造のこだわり」が消費者に伝わりにくい理由は、「何と言っても新規顧客を拡大したい!」という健康食品メーカーの願いが先に立つからです。どういうことか、A社が15分の青汁PR番組をやることになったと考えて説明してみましょう。

 その商品の特徴として次のものがあるとします。

野菜○○g分の食物繊維が摂れる
他にこんな栄養素もとれる
味もいい
これまでに売り上げ実績いっぱい
原料の野菜を育てる素晴らしい環境
今回、原料の特性を損なわない最新鋭の製法を採用

 と、いろいろな項目がある中、何を打ち出すべきか? と考えるとき、新規顧客を広げたいとなると……製造のこだわりは、言えば言うほど、ターゲットを狭めていくことにならざるを得ないんですね。なぜなら、その違いがわかる人を対象とすることになってしまいますから。それに、比べる対象がA社自身の青汁ですから、伝わる相手はA社の青汁利用経験者など、A社商品を知っている人となってしまいます。

 それをがんばって伝えるよりは、「野菜とってます? この青汁は野菜○○g分をとれますよ!」ということをガンガン打ち出していった方がわかりやすいんです。

 製法に特徴があったとしても、そこだけに時間を割いて伝えることは、あまりにも対象が狭すぎるんですね。それに、製法のこだわりを、映像で伝えることはなかなか困難!「製法を改善した結果、よりビタミンが活性を保ったままとれるように!」など、話が難しすぎるし映像もインパクトのあるものは描きづらい。

 それよりも、山盛りのキャベツを見せて「○○粒でこのキャベツと同量の食物繊維!」とした方が、手あかのついた手法とは言え、やっぱり人の目を引きつけるんです。

「まじめにやらないと、後発が……」

「じゃあ開発コストもかかるのに、なぜ製法などの改善をするのか?」――それは、「今の愛用者を離さない!」という面からは非常に大きな意味があるからです。

 健康食品は、たとえヒットしたとしても、すぐにちょっと改良した類似品が出てくるのが健康食品の宿命です。そうした後発に対して手を打たないままにしておくと、お客さんは他の商品に移ってしまうのです。

 そのためにも改善・改良が必須なのですが、あらゆる栄養分が調べ尽くされているような今日、新発見の成分をプラスできるなんてことは滅多にありません。そこで、製法をより優れたものにして、吸収率や成分の“質”などを改善することがよく行われています。

 ですので、同じ種類の健康食品を見てどっちにしようか、と迷ったとき、どんな製法を取っているのかは見極めの助けにはなると思います。

 そんな製法のこだわりや、気配りなどをいろいろな会社から聞くたびに、「日本人ってマジメだなぁ~」と感心するとともに、「私もマジメにやらんとな~」と思う次第です!

森畑たけし(もりはた・たけし)

通販番組制作担当者

1975年生まれ。通常のテレビ番組と通販番組を手がけて12年。ひと昔前、一段下に見られていた感のある通販番組とその市場の成長に驚くばかり。同時に「やっててよかった~」とありがたい食い扶持があることにホッ……。しかし、膨大なグルメ情報、健康情報、お得情報などを発信し続けていながら、本人は全く活用できていない。自分が通販アイテムを買って続けるなら髪関係だろうかと、毛根と〆切が気になる人。

  • 右上/farm-biz01
  • [twitter] Food Watch Japanの「いま」をお届けします!
  • [RSS] Food Watch Japanの最新情報をお届けしています。
  • [メルマガ会員登録] メールマガジンで旬の情報をいち早くGET!
  • KOSETSUSHA